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7章 赤い珠が映す空想未来
赤い珠玉について 4
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「大人しく待ってるんだよ」
昨日と同じ砂浜で影弥したと別れた。
紅玉は昨日と同じ顔で影弥を見送った。
太陽が目覚めたばかりで、周辺の子供たちもまだ来ていない。集まっても昨日と同じ惨めな思いをするだけだ。
遠くにいる影弥に聞こえるよう大きく地団駄を踏んだ。しかし影弥は聞こえないふりで進む。
背中を走るむずむずが治まらない。
影弥の言動が許せない。いつまでも子供扱いする。成長できないとわかっていてそうするのは悪趣味だ。
紅玉の頭には×印だらけの地図が鮮明にある。
影弥は私を子供扱いして、子供なら何もできないと思っている。
それは大きな間違いだ。判断するのは紅玉の役目で、考えるのも紅玉の役目だ。子供ができる役目ではない。
そもそも影弥の言いつけを守るのも子供らしい。
影弥の姿はどこにもない。なら、約束を破ってもわからない。
子供じみた妙案に心が踊って地団駄を踏んでいた足は軽くなり一歩を進めた。
そうして妹の行方がわかったら影弥に自慢するのだ。きっと驚く。
さほど遠くない未来に「ふふふっ」と笑みが漏れた。
影弥なら最初に人が多い所を選ぶであろう。彼とは死産してからの付き合いだ。考え方もわかる。
だとすれば、湿気の多い人目がない場所を調べよう。
大きな町には一つや二つぐらい表の人間が踏み入れてはいけない裏の世間たるものがあるらしい。
そこは大抵、大きな通りの隣でひっそりと隠れるようにある細い道で、必ずと言っていいほど日のあたりが悪い。
世間から外された人たちが集まる場所だ。影弥には危ないから近寄らないようにと口酸っぱく言われていた。
影弥の言いつけだから守っていたが、よく考えていたら死んだ身でどう危ない目に遭うというのか。
それで言いつけを破って痛い目みても紅玉を怒らせた影弥が悪い。
そういうわけで紅玉は陰気な裏路地に進んだ。
初めて入るそこは思ったよりも湿っぽく、家と家の間の更に深い影の所にはあぶり者たちが悪い話をしていて、人目を気にして少ない黒目を上下左右に回す。
見えていないはずなのに見られているような錯覚になって、怖くなった紅玉は早足でその場を離れた。
どこに行っても物騒で、一人で歩くにはまだ幼かった。
影弥に黙って言いつけを破るなんてやるべきではなかった。反対されると分かっていても一言残しておけばよかった。先に怒られるか後で怒られるかの違いだ。もしかしたら影弥の渋々ついてきただろう。
自信に満ちた足取りはすっかり失っていた。
立ち止まりそうになった時、穴だらけの荒屋の引き戸が倒れた。傷だらけの男と共に。
倒れた男は怒鳴っていて、荒屋の奥から更に怒鳴った別の男が出てきた。手には刀が握られている。
刀を持っている男が叫ぶ。返せと言っているが、何をとは聞き取れなかった。その時に踵を返して走っていた。
影弥が待つように言った砂浜へ一目散に戻ろうと走っていた。
しかし、いくら走っても、ひたすら走っても帰ろうとして帰りたいと願っても紅玉が帰りたいと願う場所から遠ざかっている気がする。
そこら中に紅玉を刺すような眼光が紅玉を捉えている気がする。
そこから逃げようと帰ろうと走っているうちに帰り道を失った。
昨日と同じ砂浜で影弥したと別れた。
紅玉は昨日と同じ顔で影弥を見送った。
太陽が目覚めたばかりで、周辺の子供たちもまだ来ていない。集まっても昨日と同じ惨めな思いをするだけだ。
遠くにいる影弥に聞こえるよう大きく地団駄を踏んだ。しかし影弥は聞こえないふりで進む。
背中を走るむずむずが治まらない。
影弥の言動が許せない。いつまでも子供扱いする。成長できないとわかっていてそうするのは悪趣味だ。
紅玉の頭には×印だらけの地図が鮮明にある。
影弥は私を子供扱いして、子供なら何もできないと思っている。
それは大きな間違いだ。判断するのは紅玉の役目で、考えるのも紅玉の役目だ。子供ができる役目ではない。
そもそも影弥の言いつけを守るのも子供らしい。
影弥の姿はどこにもない。なら、約束を破ってもわからない。
子供じみた妙案に心が踊って地団駄を踏んでいた足は軽くなり一歩を進めた。
そうして妹の行方がわかったら影弥に自慢するのだ。きっと驚く。
さほど遠くない未来に「ふふふっ」と笑みが漏れた。
影弥なら最初に人が多い所を選ぶであろう。彼とは死産してからの付き合いだ。考え方もわかる。
だとすれば、湿気の多い人目がない場所を調べよう。
大きな町には一つや二つぐらい表の人間が踏み入れてはいけない裏の世間たるものがあるらしい。
そこは大抵、大きな通りの隣でひっそりと隠れるようにある細い道で、必ずと言っていいほど日のあたりが悪い。
世間から外された人たちが集まる場所だ。影弥には危ないから近寄らないようにと口酸っぱく言われていた。
影弥の言いつけだから守っていたが、よく考えていたら死んだ身でどう危ない目に遭うというのか。
それで言いつけを破って痛い目みても紅玉を怒らせた影弥が悪い。
そういうわけで紅玉は陰気な裏路地に進んだ。
初めて入るそこは思ったよりも湿っぽく、家と家の間の更に深い影の所にはあぶり者たちが悪い話をしていて、人目を気にして少ない黒目を上下左右に回す。
見えていないはずなのに見られているような錯覚になって、怖くなった紅玉は早足でその場を離れた。
どこに行っても物騒で、一人で歩くにはまだ幼かった。
影弥に黙って言いつけを破るなんてやるべきではなかった。反対されると分かっていても一言残しておけばよかった。先に怒られるか後で怒られるかの違いだ。もしかしたら影弥の渋々ついてきただろう。
自信に満ちた足取りはすっかり失っていた。
立ち止まりそうになった時、穴だらけの荒屋の引き戸が倒れた。傷だらけの男と共に。
倒れた男は怒鳴っていて、荒屋の奥から更に怒鳴った別の男が出てきた。手には刀が握られている。
刀を持っている男が叫ぶ。返せと言っているが、何をとは聞き取れなかった。その時に踵を返して走っていた。
影弥が待つように言った砂浜へ一目散に戻ろうと走っていた。
しかし、いくら走っても、ひたすら走っても帰ろうとして帰りたいと願っても紅玉が帰りたいと願う場所から遠ざかっている気がする。
そこら中に紅玉を刺すような眼光が紅玉を捉えている気がする。
そこから逃げようと帰ろうと走っているうちに帰り道を失った。
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