恋愛系短編集

24 婚約破棄された令嬢は、話せない！

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初回公開日時 2021.08.14 17:09　　文字数　　673　　累計ポイント　　3,523 pt
ジャンル：恋愛
完結：この作品は、他の小説とは独立した作品となっています。

話のタイトル：「あぁぃあぅあおぉぁ」

---本文

私は幽霊になった。

卒業パーティでの婚約破棄に続く断罪劇で。

国外追放と言いながら、国境近くでの殺傷で命を落とした。

後顧の憂いを絶つという意味なのだろう。

でも、私は幽霊になった。

幽霊同士では、言っている内容が分かるというのはおかしな気もするが。

でも…

「あぁぅあぃえぇ」

生きている人には無理っぽい。

自分でも何を言っているのか理解不能。

私は歩いて？王宮を目指す。

そこに、諸悪の根源たる元婚約者がいる。

この身体を見せないと気が済まない。

それまでは、浄化されないように同類を増やしつつ。

「仲間、仲間になって憎い者に復讐を」

「集めよ、増えよ、悪を討て」

王都に入って真っ先に行くのは、私と同じく婚約破棄を受けた令嬢達の屋敷。

彼女らには、同情する。

でも、私と同じ状態にならなければ、身分に囚われない復讐を果たすことはできないだろう。

「やめて、やめて。あなたの事は可哀想に思っているわ。でも、こんなこと望んでいない。だから、助けて」

「ぃぁうあぉっぃ」

みんなで、のし掛かる。

「ぎゃー…」

恐怖で息絶え、私たちの仲間になる。

屋敷だけではない。

街に住む者にも同類になってもらう。

神官達も浄化する前に仲間になる。

そうして、王城にやってきた。

生者なら防げる城も門も堀も関係ない。

追い詰める。

「俺が何をしたというんだ。当然だろ、運命の人を選んで何が悪い」

そんな風に言う相手を囲み言う。

「あぁえぇぅうあえ」

…あ、生者に分かる言葉は出せなかったんだ。

どうしよう。

ま、いいかこのままでも。

元婚約者は、死者の言葉を聞き続け発狂して死んだという。

………私たちは、どうしようか。

隣国でも行く？


---著者からの一言
昔、ウルティマオンラインというネットゲームをやっていたことがあり、そこではプレイヤーが死ぬと言葉が「あああぅぅぅおおおお」という意味不明なものになるという設定がありました。
この設定を丸パクリしたのがこの作品です。
設定は丸パクリですが、内容は復讐劇みたいで怖いですねぇ～。
なお、復讐が終わっても彼女達は消えません。
というか、自分達を消してくれる神官も仲間にしてしまったので、他国の神官に消してもらわないといけないという困った事態になっております。
仲間はどんどん増えていくでしょうねぇ～（そこに死体があれば増えるので。もちろん、人だけではない）