恋愛系短編集

25 婚約破棄は、NGワード

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初回公開日時 2021.08.09 18:30　　文字数 374　　累計ポイント　2,703 pt
ジャンル：恋愛
完結：この作品は、他の小説とは独立した作品となっています。

話のタイトル：まどろっこしいく、まわりくどい

---本文

「マリーを虐めただろう」
「いじめておりません」

「いいや、いじめたと聞いている。だから、あ～、あれだ。あれにするぞ」
「何をでしょうか？」

俺は、婚約者と婚約破棄したいが、その言葉を口に出してしまうと相手の非での破棄であっても、責任はこっちになってしまう。
母上に叱れるということだ。
それは避けたい。

「分からないか？あれだ。あれ。するぞ」
「全く分かりません」

全く話が通じない。
いや、分かっているはずだ。
だから、近い言葉で悟らせよう。

「今夜、破棄だ」
「…何をですか？」

言葉として続かなければいいのだろう。

「婚約だ」
「失礼ですが、何を破棄するのですか？」
「婚約だ。婚約破棄をする…あ」
「そうですか。そうですか。有責はそちらで。ありがとうございます」

あ～、
叱られる。

その時には、マリーの事はどうでもよくなっていた。
頭の中は、母上の叱責でいっぱいになっていたのだ。

---著者から一言
言ったら負け。
そんな常識がまかり通っている世界です。
ですので、いかに自分に有利なことを言わせるかが重要…のはず。