異界審査官の巻き込まれ人生記

夜空のかけら

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2 マジックボックス

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家に家具は揃っていたので、安心していたらドアチャイムが鳴る。

「朝日さん、お届け物です」

だれからだろう?
ここの住所なんて知っている人がいるわけないのにと思いながらお届け物を受け取るべくドアを開く。

「朝日一郎さん。地上の自宅からの物です。こちらの箱に“全て入っています”」
「地上の家?」
「はい。元の世界で使っていた物全てです。これは入社のサービスの一環なので費用負担はありません。ご安心ください。箱の中に手を入れれば、この使い方も分かりますよ」

箱の中に手?
言われるまま箱に手を入れると、脳裏にすごい勢いで持ち物のリストが流れた。

「アイテムボックス?」
「インベントリともマジックバックとも言いますね。大した物ではないのですが、重宝しますので壊さないようにお願いします」

箱を受け取り、リビングに置く。以前の生活で使っていたものを次々に出していくが、何だゴミ袋まであるぞ。本当に前の家の物が全部入っているみたい。
パソコンデスクを出し、パソコン本体を出し、モニターを出して気づく。
コンセントはどこだ?ネットはどうやったら見られる?
部屋を見渡しても分からない。
スマホもあったが、当然繋がらず。

「こりゃ、八方塞がりだな」

そうつぶやくと、声が聞えた。

「お困りな事があれば、お答えします」
「うわ、びっくりした。なんなんだ一体」
「私は生活アドバイザーです。今のところ」
「今のところ…」
「さて、パソコンは支給されますので、その点については心配いりません。スマホ…まぁ、それも後で。他の質問があれば、お答えします。たぶん」

何か変だなとそう思った。
なぜならこの声、さっきの神と称する者と同じ音声だったから、演技しているのか?

「演技してるのですか?」

直球で聞いてみた。

「ええまぁ、色々ありまして」

直球で返ってきた。
神も色々あって大変らしい。

「あなたの上司は、あまともえと言いますが、彼女はトラブルメーカーで私の造物主でもあります。神なんて言っても私はまだまだ駆け出し。あなたも覚悟は必要かもしれませんね。私の同僚となるのですから」

これはびっくり。神の駆け出しと同僚になる。上司は天ともえさん?女性だろうな…しかし、トラブルメーカーと言われる人物は気になる。
駆け出し神と上司や生活上のアドバイスを聞いて、その日は終わった。
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