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氏名 ハジメ
性別 男性
職業 無職
AP なし

無職が悲しい。
でも、他に書きようがない。
サラリーマン?それは違う気がした。

職員は、俺のボードを見ていくつか聞いてきた。
「無職ですか。無職…得意なものはありますか」
「数字には強いです」

パソコン作業が多い影響かしら。でも、この世界で数字に強いと言っても職業と結びつかないような気がする。

「それならば、教師はいかがですか。無職と書くよりよっぽどいいと思いますよ」
「そうですか。それならそれでお願いします」
「はい。カードを作るのでしばらくお待ちください」

2人で椅子に座り待つこと10分くらい。
職員が2枚のカードを持ってやってきた。

「これが登録カードです。無くさないようにしてください。無くすと再発行に金貨1枚必要となります」

金貨1枚。
教えてもらった価値は、金貨1枚は約1万円だというから高いな。

「ギルドのランクはご存じですか?」
「良く分かりません」
「ギルドでの依頼達成や貢献度でランクが上がっていきます。登録直後は最低のGランクです。依頼達成やギルドへの貢献でランクアップしましょう。あと、お願いがあります。街ギルドへの登録をしてもらえないでしょうか」
「街ギルド?」
「はい。街ギルドとは街内での依頼を集めている組織です。冒険者ギルドは国や地域にとらわれない広域組織ですが、街ギルドは街の中だけになっています。街ギルドも冒険者ギルドと同様にランク制を取っています。1つの依頼に冒険者ギルドと街ギルドが関与する場合もあります。報酬も2つになったりするので、お得ですよ」

グリーンと顔を見合わせて、決めた。

「街ギルドへの登録もお願いします」
「ありがとうございます。はい。登録カードです」

用意周到。
すでに入ることを見越して作ってあったらしい。

「ランクは最下位がEランクになります。ランクが上がると街でのお買い物などが割引きになる特典付きです。Eランクでも特典がある場合やその場で依頼が起きる場合もありますからどんどん使ってください。自動集計付きなので、その場での依頼でもランクアップの対象となります」
「それはありがたいな。これとどっちがお得になるのか」

MQコードが転写されている手のひらを見ながら言うと

「MQコード化しますか?」
「は?」
「街ギルドカードは、MQコード化すると持ち運ばなくて済むようになりますし、コードが統合されて特典ももらいやすくなります」
「是非。お願いします」
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