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46 文明遺伝子
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また移動を始めた。
どこへ連れて行かれるのか?
さっきは不幸中の不幸を見せられた気分だ。
「先ほどの世界は、魔法側の街の隣に科学側の街が転移してしまい、些細な出来事から衝突に至ってしまったものです。魔物などいない科学側では、魔法という武器に立ち向かうすべはありませんでした。結果的に、科学側が滅ぼされることとなってしまいました。ちなみに、グリーンとハジメが行った世界は、科学側が完全に魔法側に飲み込まれた格好となっており、見た目魔法側の人間しかいない状態になっています。科学側の人間は、全て近くにいた者に飲み込まれた。いなくなっています。ただし、科学文明技術は継承したというオマケ付きです。幸運な事例の1つと言っていいでしょう」
聞かされても、幸運だとは思えない。
逆でもよかったはずだ。
でも、この結果が良いという理由が理解できなかった。
「到着しました。ここは、救済船が到着している場所となります」
救済船、すなわちノアの方舟ということか。
しばらく、船の様子を見ることにしよう。
…って、船はどこだ?
「ここの救済船は、発展途上ということもあり直径10kmの球体のようです。現在は、湖内に沈降しているようですね。そこから救済する者を選別しているようです」
「選別?そこにいる人を全て助けるのではないのか?」
「救済船の意思であれば、それも可能ですが、ほとんどの場合は文明遺伝子を持つ者を助け、保護し、それ以外の者には何もしません。そして、文明遺伝子は女性にしか無いものです。ですので助ける相手は自動的に女性だけということになります。年齢は特に指定はなく、文明遺伝子の有無だけで決定します」
「何だって…想像していたのと全然違う」
「まぁそうでしょうね。慈善事業をやっている訳では無いですし、文明遺伝子の持ち手たる人々の扱いも救済船によってはひどいものになる場合があります」
宇宙船の窓から外を見る。
一見、どこに人がいるのか分からなかったが、コア・ブレインがレーダーと連動した生命体マーカーを付けてくれたおかげでどこに何がいるか分かるようになった。
「赤いのは、男性か?青いのは女性だとすると、青く点滅している女性のマーカーは何なのだろう」
「文明遺伝子を持っているかどうか調査中の印です。持っていることが分かればすみやかに眠らせて船に回収します」
「…こんなことを繰り返すのか。文明遺伝子を持っている人全てに」
「時間制限があります。ここの世界でのタイムリミットは約…10時間です。他の救済船は来ることはできませんから、彼女がどこで切り上げるかによりますね」
「そのタイムリミットを過ぎるとどうなるのか」
「世界は崩壊します。既にあちこちで空間に亀裂が入っています。もちろん無くなるのは、この見えている範囲だけですので、他の世界に影響を与えるというのには時間が掛るでしょう。影響が無い世界もあるので、今後も監視はしていきますが」
見えている赤いマークは男性だ。
そして、救済されることなく消えて行かざるを得ないのを何もできない俺は見ていることしか出来ない。
どこへ連れて行かれるのか?
さっきは不幸中の不幸を見せられた気分だ。
「先ほどの世界は、魔法側の街の隣に科学側の街が転移してしまい、些細な出来事から衝突に至ってしまったものです。魔物などいない科学側では、魔法という武器に立ち向かうすべはありませんでした。結果的に、科学側が滅ぼされることとなってしまいました。ちなみに、グリーンとハジメが行った世界は、科学側が完全に魔法側に飲み込まれた格好となっており、見た目魔法側の人間しかいない状態になっています。科学側の人間は、全て近くにいた者に飲み込まれた。いなくなっています。ただし、科学文明技術は継承したというオマケ付きです。幸運な事例の1つと言っていいでしょう」
聞かされても、幸運だとは思えない。
逆でもよかったはずだ。
でも、この結果が良いという理由が理解できなかった。
「到着しました。ここは、救済船が到着している場所となります」
救済船、すなわちノアの方舟ということか。
しばらく、船の様子を見ることにしよう。
…って、船はどこだ?
「ここの救済船は、発展途上ということもあり直径10kmの球体のようです。現在は、湖内に沈降しているようですね。そこから救済する者を選別しているようです」
「選別?そこにいる人を全て助けるのではないのか?」
「救済船の意思であれば、それも可能ですが、ほとんどの場合は文明遺伝子を持つ者を助け、保護し、それ以外の者には何もしません。そして、文明遺伝子は女性にしか無いものです。ですので助ける相手は自動的に女性だけということになります。年齢は特に指定はなく、文明遺伝子の有無だけで決定します」
「何だって…想像していたのと全然違う」
「まぁそうでしょうね。慈善事業をやっている訳では無いですし、文明遺伝子の持ち手たる人々の扱いも救済船によってはひどいものになる場合があります」
宇宙船の窓から外を見る。
一見、どこに人がいるのか分からなかったが、コア・ブレインがレーダーと連動した生命体マーカーを付けてくれたおかげでどこに何がいるか分かるようになった。
「赤いのは、男性か?青いのは女性だとすると、青く点滅している女性のマーカーは何なのだろう」
「文明遺伝子を持っているかどうか調査中の印です。持っていることが分かればすみやかに眠らせて船に回収します」
「…こんなことを繰り返すのか。文明遺伝子を持っている人全てに」
「時間制限があります。ここの世界でのタイムリミットは約…10時間です。他の救済船は来ることはできませんから、彼女がどこで切り上げるかによりますね」
「そのタイムリミットを過ぎるとどうなるのか」
「世界は崩壊します。既にあちこちで空間に亀裂が入っています。もちろん無くなるのは、この見えている範囲だけですので、他の世界に影響を与えるというのには時間が掛るでしょう。影響が無い世界もあるので、今後も監視はしていきますが」
見えている赤いマークは男性だ。
そして、救済されることなく消えて行かざるを得ないのを何もできない俺は見ていることしか出来ない。
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