異界審査官の巻き込まれ人生記

夜空のかけら

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50 寿命が短い理由とは?

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人間だったころ、病気で長く生きられない子供を見たことがあった。
もしかして、こういう意味で寿命が短いのかと思ったのだが…

「違います」

バッサリ否定される。

「寿命が元々短い魂もあります。概ね魂が発生してきてからすぐはみんなこんな感じです。何度も何度も転生を繰り返すうちに魂も強化されて寿命が長くなっていくのですよ」
「なるほど。寿命が長く。ちなみに一番長いのは」
「最長1,200億年くらいでしょうか」
「宇宙より長かった!」

確か宇宙の年齢は、140億年弱だと思った。
その宇宙年齢よりも遙かに長いのが最長魂年齢だった。

「さて、今回の審査対象者の審査結果を決定してください。このまま再転生にするか、魂魄分割転生にするか、魂魄分割転生の場合、2体だと魂魄汚染度65%、3体だと魂魄汚染度55%です。2体で最大12歳、3体で最大6歳になります。20歳になるか、魂魄汚染度80%越えまで通常転生となりますので、今回以降に再度同じ審査員で審査を受けることはありません。」

「審査結果は、魂魄分割転生2体」
「分割比率を選択することもできますが」
「等倍でお願いします」

汚染度が下がるのは、魂魄以前の状態のものを分割時に加算するからだそうで、これがうまく馴染まないこともあるのだとか。
そうなると、魂魄崩壊=消滅になってしまう。
汚れは、魂魄の集合体である根源魂に戻ってしまい、集合体そのものの汚染度が上がるという厄介なことを引き起すのだそうだ。
根源魂が何を指すのかが分からなかった。
これは勉強不足だね。

「では等倍で切ります」

縦型円筒形中にいた男性が、物理的に真っ二つになった。
凄い悲鳴だ。

「物理的に2つにしたように見えているだけで、実際は魂を真っ二つにされたのですから、その痛みや苦しみは想像を遙かに超えます」

「審査終了」

その言葉と共に、部屋の中から縦型円筒形が消える。
当然、中にいた人もいなくなる。
ちょっと前までうるさかった場所は、今は静かだ。

「彼らは、元の世界へ戻されました。2つの別々の魂を持って、長い長い転生に戻りました。今後の彼らの行動で何が起きるのか、監視が始まります」
「審査して転生すると監視されるのか?」
「周囲への影響が大きいと推測される者だけです。後付けで、監視対象となる者もいます。世界は無数に存在しています。ですが、影響力が強いと推測される者はそこまで多くはありません。神だろうと人だろうと魔だろうと、監視網は十重二十重に存在し私たちの行いも監視されているかもしれません」
「…」
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