異界審査官の巻き込まれ人生記

夜空のかけら

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92 浄水玉

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しばらくして、さっきの店員がお盆に飲み物をとクッキーみたいなお菓子を載せて戻ってきた。

「どうぞお召し上がりください」
「いただきます」

飲み物はよく冷えているオレンジジュースのようだった。
クッキーかと思って食べてみると、携帯用の焼き菓子のようだ。

「クッキーみたいと思われたかもしれませんが、栄養価の高い携帯用の焼き菓子で、小腹が空いたときに食べるものです。冒険などでは場所を選ばずに食べられますので重宝しております。冷たい飲み物も氷の魔石をコップの底に配置することで、冷却効果が出るものです。逆に火の魔石ですと温かい飲み物になります。簡単に付け替えられるアタッチメント付きのコップです。いかがでしょうか」
「すまんが初心者で何が必要かイマイチ分からないのだ。装備は揃えたが、冒険中の食事や飲み物、他にも何か必要だとは思うのだが、ピンと来なくてな」
「初心者というのはそういうものです。分からなければ分かる人に聞く。これが一番の近道ですから。まず、どういう所に行くおつもりですか」
「昨日はあちこちに行き慣れている人と森へ行った」
「森というと街の外にある小さい森のことかな?」
「良くは知らない」

ふと思ったのだが、行った森は融合異世界の方でこっちのゲームじゃないな。
混同してしまった。

「そうですか。森の場合は洞窟やダンジョンに入る時と違い照明はいらないと見ますから、皮手袋や探索靴が必要と思います。また、新鮮な水を入れる浄水玉入りの水筒などは如何でしょう」
「浄水玉?」
「泥などで混濁していたり細菌で汚染されたりしている水でも浄水玉で浄化すれば飲めるようになります。森探索時に有用な一品です」
「ちなみにどれくらい?」
「金額は水筒が銀貨30枚、浄水玉は1個銀貨20枚になります。浄水玉は1個で水筒10回分の水を浄化します。取替えが効くのでこちらへ使用済み浄水玉をお持ち頂ければ新しい物と交換できます。交換の際には銀貨5枚の値引きで新しい浄水玉を提供できます」
「水筒ってどれくらいの大きさ?」
「500ミリリットルくらいです。直ぐに飲めるように、肩掛けベルト付きです」
「1つもらおうか」
「毎度ありがとうございます。他に入り用な物はどうですか」
「皮手袋と探索靴だっけ。いくら?」
「皮手袋に様々な種類があります。一般的な創傷防止や通気性がある物、防寒、防風、防滴、防水など。探索靴は踏み抜き防止、甲の部分を硬化させてある安全靴タイプのものがあります。森に入る…ということでしたが、創傷防止、防滴、防風辺りの皮手袋と踏み抜き防止などの探索靴がオススメです。それぞれ手袋が銀貨25枚、靴が銀貨40枚になります」
「どちらも必要なのだろう。買うよ」
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