暗殺者ホープの旅

山波斬破

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世界一の暗殺者死す

破-1

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 僅かな隙も見せまいと息巻いて、魁斗は前を見据えた。父の背中は、あたたかな安心感を与えた。自分が護られていると今ほどに感じたことはなかったかもしれない、そんな感覚が魁斗に僅かな油断と困惑をもたらした。

 この世には、論理や科学では解明できない事象がたくさんある。たとえば人の心理。こうだから、こうした反応になる。確かに当てはまる事はあるはずだ。しかし、時に想像もつかない事象が起こるのだ。こう話すと相手からは決まった返事が必ず返ってくるとは限らないように。

 魁斗は気づかないうちに、無意識に父の背中にナイフを突き刺した。酩酊したかのようなひどく歪な狂気が魁斗を突き動かしていた。

「おうおう、はねっ返りが磁石のように父の背中を刺すとは。どういう事だ。いや、これもはねっ返りの愛情表現かね? 磁石のようにくっついたり離れたり。おかしな事だ」

 ゼブラは余裕の姿勢を崩してはいなかった。まるで、こうなることを知っていたかのような落ち着きようだ。

「あ……ぁ」

 魁斗は自分の意識が、薄くなっていくのを感じた。知らない感覚。怖かった。歯がカチカチと震えて止まらない。

「情があると、こんなに脆くなる。さて、俺の裏の顔。俺がドナミエトの長であると無意識に感じとったようだな。魁斗、さすが我が息子」

「隙だらけで、余裕を表に出しすぎていたから……。それに、でかでかと部屋に親父のシンボルが壁に吊るされていたから」

「はっ! まぁ、気づいて当然ってやつか」
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