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アーヴァイン殿下のその後(私は姉の婚約者を奪うような悪女じゃない)
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カイル殿下視点
牢にいれられてから数日。
アーヴァインは大人しく過ごしていると牢番から報告を受けた。
貴人用の牢屋であるため、それほど居心地も悪く無いはずだ。
「アーヴァイン、静かな環境でゆっくりと反省する時間はあったのでは無いか?」
俺は弟に静かに語り掛けた。
父上も正室である母親もアーヴァインの面会には来ていない。俺が初めての面会のはずだ。
「サーフィスを陥れようとした事は反省しているよ。」
ここから出るための反省の態度だろう。
アーヴァインの目は希望を失ってはいない。
実際、彼の派閥の人間は彼を釈放するために奔走していた。
父上は既にアーヴァインを見限った。けれど、問題はこいつの母親だ。
「それだけで済む話では無いだろう。王太子の座を手に入れる為に臣下を陥れたお前を許すことは出来ない。」
「俺をどうする気だ?」
「この薬はトルマト国から手に入れた自白剤という薬だ。これを飲むと供述が捗るそうだ。少し副作用があるらしいが、これを飲んで貰う。」
「何をっ!止めろっ!」
俺は衛兵に指示してアーヴァインを押さえつけ自白剤を飲ませた。
アーヴァインの変化は30分ほどで現れた。
目がトロンとして、口数が少なく態度も素直になった。
「お前に協力している貴族の名前を教えて貰おう。」
「ハインツ侯爵……、ゲイツ伯爵…………」
俺の問いにスルスルと貴族達の名前が出てくる。
考える力を無くしているようだ。
アーヴァインの協力者は思ったより多く、私に近しい貴族の中にも裏切り者がいた。
自白剤の効果は30分ほどで切れ、やがてアーヴァインは眠ってしまった。
繰り返して使用すると、副作用が強い薬剤だが、アーヴァインの不正の証拠を固める為に俺は連日アーヴァインに自白剤を使用した。
それほど彼の不正蓄財の証拠は巧妙に隠されていた。
★★★
「あ゛…あ゛…お゛…あ゛………。」
連日薬を投与されたアーヴァインの口から最早意味のある言葉は発っせられない。
口はだらしなく開かれ涎がポタポタと机に落ちる。
目は光を無くし虚ろで、どこを見ているのかも分からない。
「アーヴァイン、裁判が終わった。」
「あ゛あ゛あ゛……。」
アーヴァインは途中までは裁判に出席出来たが、裁判の終盤になるとほとんど出廷する事は無かった。
不利に進んだ裁判から逃げたと周囲は思っていたようだが…………。
彼の自白のお陰で、裁判では次々に証拠を提出し、滞りなく彼を裁くことが出来た。
「アーヴァイン、さようなら。」
俺は弟に最期の別れを告げた。
「あ゛あ゛あ゛……。」
彼はこれから毒杯を呷るだろう。
俺は静かに牢を出た。
牢にいれられてから数日。
アーヴァインは大人しく過ごしていると牢番から報告を受けた。
貴人用の牢屋であるため、それほど居心地も悪く無いはずだ。
「アーヴァイン、静かな環境でゆっくりと反省する時間はあったのでは無いか?」
俺は弟に静かに語り掛けた。
父上も正室である母親もアーヴァインの面会には来ていない。俺が初めての面会のはずだ。
「サーフィスを陥れようとした事は反省しているよ。」
ここから出るための反省の態度だろう。
アーヴァインの目は希望を失ってはいない。
実際、彼の派閥の人間は彼を釈放するために奔走していた。
父上は既にアーヴァインを見限った。けれど、問題はこいつの母親だ。
「それだけで済む話では無いだろう。王太子の座を手に入れる為に臣下を陥れたお前を許すことは出来ない。」
「俺をどうする気だ?」
「この薬はトルマト国から手に入れた自白剤という薬だ。これを飲むと供述が捗るそうだ。少し副作用があるらしいが、これを飲んで貰う。」
「何をっ!止めろっ!」
俺は衛兵に指示してアーヴァインを押さえつけ自白剤を飲ませた。
アーヴァインの変化は30分ほどで現れた。
目がトロンとして、口数が少なく態度も素直になった。
「お前に協力している貴族の名前を教えて貰おう。」
「ハインツ侯爵……、ゲイツ伯爵…………」
俺の問いにスルスルと貴族達の名前が出てくる。
考える力を無くしているようだ。
アーヴァインの協力者は思ったより多く、私に近しい貴族の中にも裏切り者がいた。
自白剤の効果は30分ほどで切れ、やがてアーヴァインは眠ってしまった。
繰り返して使用すると、副作用が強い薬剤だが、アーヴァインの不正の証拠を固める為に俺は連日アーヴァインに自白剤を使用した。
それほど彼の不正蓄財の証拠は巧妙に隠されていた。
★★★
「あ゛…あ゛…お゛…あ゛………。」
連日薬を投与されたアーヴァインの口から最早意味のある言葉は発っせられない。
口はだらしなく開かれ涎がポタポタと机に落ちる。
目は光を無くし虚ろで、どこを見ているのかも分からない。
「アーヴァイン、裁判が終わった。」
「あ゛あ゛あ゛……。」
アーヴァインは途中までは裁判に出席出来たが、裁判の終盤になるとほとんど出廷する事は無かった。
不利に進んだ裁判から逃げたと周囲は思っていたようだが…………。
彼の自白のお陰で、裁判では次々に証拠を提出し、滞りなく彼を裁くことが出来た。
「アーヴァイン、さようなら。」
俺は弟に最期の別れを告げた。
「あ゛あ゛あ゛……。」
彼はこれから毒杯を呷るだろう。
俺は静かに牢を出た。
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