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最愛の人と番を不幸にした私①
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悲恋
誰も幸せにならない
自分勝手なヒロイン
モヤモヤして終わります。
ー・ー・ー・ー・ー
「好きです。」
「僕も好きだよ。」
彼の照れた顔が可愛い。
そんな顔を見せてくれるのは私にだけ……。
ああっ、もう心臓がぎゅうっと締め付けられて死んじゃいそう。
彼の手が私の背中にそっと回る。
初めての抱擁は抱き寄せるのではなくて、包み込むようで、もっとくっつきたくてもどかしい……。
私の方から身体を押し付けようかな?なんて思っちゃう。
そんなルンルン気分な私に大好きな人が少しの不安を口にする。
「ムーミィーは獣人だから、いつか番が現れて攫われるんじゃないかって心配なんだ。」
私の幸せに浮かれた脳はこの一言が衝撃だった。
私の最愛の人がこんなに心配しているなんて………!!!
分かったわ!
安心して!
私、早速この不安を解消してくる!!
「ねぇー、シーファス。私、深淵の魔女のところに行って、番を分からなくする魔法を掛けて貰うわ。」
「そんな魔法があるの?」
「ええ、お母さんとお父さんには悲しい魔法だって聞いたけど、私は番になんて会いたくないわ!」
普通の獣人は適齢期になれば番と出会い、一生を共にする。
番と出逢えない獣人や番を喪った獣人はゆっくり狂っていくので、自ら収容所に入る。
完全に匂いを遮断した収容所でないと、正気を保てなくなるのだ。
だからこそ、獣人にとって番は絶対的存在だった。
私はそんな番の存在が嫌だった。生まれた時から決まっている番じゃなくて、人間みたいに恋をして結婚したかったのだ。
「でも、何か困る代償とか払うんじゃ……。」
「無いと思うわ。私、魔女に会いに行くね。」
私は自分の恋心だけを胸に深淵の魔女の家へと向かった。
ー・ー・ー・ー
深淵の魔女の家は古い小屋のよう……。
自給自足?しているのかな?
外にお野菜が干してある。
魔女の家っていうような神秘的な雰囲気は無い……。
私は緊張しながら、少し傾いた木のドアをノックした。
コンコンコン
……………
あれ?返事が無い……。
コンコンコン
……………
居ないのかなぁ?
出直そうかと踵を返したら、奥からしゃがれた声がした。
「誰だい?煩いねぇーー。」
奥から出て来たのは以外にも若い外見の美人のお姉さん。アンニュイで色っぽい感じ……。
「あ、あの……、わたし……人間の男の子と結婚したいので、番の匂いを分からなくする魔法を掛けて欲しいんです。」
「…ああ…、良いよ。報酬は持って来たかい?」
「は、はいっ!今まで貯めた金貨五枚を……。」
「そんな大層な魔法じゃあない。金貨一枚で良いよ。」
「い、一枚ですか……。」
そんなに安くていいの?
本当にちゃんとした魔法なのかな?
「番の匂いがわからないのは獣人にとっては辛いことさ。そんな良い魔法じゃ無いよ。」
魔法の効果さえあれば問題無い。
「良いんです。私…彼を不安にさせたくないから……。お願いします。その魔法を掛けてください。」
必死に頼み込むと、お姉さんは一回長い髪を掻き上げてから、私の方に手を翳し短い呪文を詠唱した。
ほわほわと身体か温かくなり、身体から何かが抜けたのが分かる。
「はい。もういいよ。」
そう言うとお姉さんは小屋のドアを私の目の前でパタンと閉めた。
これでもう番に惹かれて浮気することは無い。
私は浮かれていた。大好きなシーファスの憂いを取り除くことが出来た。
私達はこれで一生仲良く生活出来る。
そう思っていた。
私はその日、薔薇色の気分のまま帰路へとついた。
誰も幸せにならない
自分勝手なヒロイン
モヤモヤして終わります。
ー・ー・ー・ー・ー
「好きです。」
「僕も好きだよ。」
彼の照れた顔が可愛い。
そんな顔を見せてくれるのは私にだけ……。
ああっ、もう心臓がぎゅうっと締め付けられて死んじゃいそう。
彼の手が私の背中にそっと回る。
初めての抱擁は抱き寄せるのではなくて、包み込むようで、もっとくっつきたくてもどかしい……。
私の方から身体を押し付けようかな?なんて思っちゃう。
そんなルンルン気分な私に大好きな人が少しの不安を口にする。
「ムーミィーは獣人だから、いつか番が現れて攫われるんじゃないかって心配なんだ。」
私の幸せに浮かれた脳はこの一言が衝撃だった。
私の最愛の人がこんなに心配しているなんて………!!!
分かったわ!
安心して!
私、早速この不安を解消してくる!!
「ねぇー、シーファス。私、深淵の魔女のところに行って、番を分からなくする魔法を掛けて貰うわ。」
「そんな魔法があるの?」
「ええ、お母さんとお父さんには悲しい魔法だって聞いたけど、私は番になんて会いたくないわ!」
普通の獣人は適齢期になれば番と出会い、一生を共にする。
番と出逢えない獣人や番を喪った獣人はゆっくり狂っていくので、自ら収容所に入る。
完全に匂いを遮断した収容所でないと、正気を保てなくなるのだ。
だからこそ、獣人にとって番は絶対的存在だった。
私はそんな番の存在が嫌だった。生まれた時から決まっている番じゃなくて、人間みたいに恋をして結婚したかったのだ。
「でも、何か困る代償とか払うんじゃ……。」
「無いと思うわ。私、魔女に会いに行くね。」
私は自分の恋心だけを胸に深淵の魔女の家へと向かった。
ー・ー・ー・ー
深淵の魔女の家は古い小屋のよう……。
自給自足?しているのかな?
外にお野菜が干してある。
魔女の家っていうような神秘的な雰囲気は無い……。
私は緊張しながら、少し傾いた木のドアをノックした。
コンコンコン
……………
あれ?返事が無い……。
コンコンコン
……………
居ないのかなぁ?
出直そうかと踵を返したら、奥からしゃがれた声がした。
「誰だい?煩いねぇーー。」
奥から出て来たのは以外にも若い外見の美人のお姉さん。アンニュイで色っぽい感じ……。
「あ、あの……、わたし……人間の男の子と結婚したいので、番の匂いを分からなくする魔法を掛けて欲しいんです。」
「…ああ…、良いよ。報酬は持って来たかい?」
「は、はいっ!今まで貯めた金貨五枚を……。」
「そんな大層な魔法じゃあない。金貨一枚で良いよ。」
「い、一枚ですか……。」
そんなに安くていいの?
本当にちゃんとした魔法なのかな?
「番の匂いがわからないのは獣人にとっては辛いことさ。そんな良い魔法じゃ無いよ。」
魔法の効果さえあれば問題無い。
「良いんです。私…彼を不安にさせたくないから……。お願いします。その魔法を掛けてください。」
必死に頼み込むと、お姉さんは一回長い髪を掻き上げてから、私の方に手を翳し短い呪文を詠唱した。
ほわほわと身体か温かくなり、身体から何かが抜けたのが分かる。
「はい。もういいよ。」
そう言うとお姉さんは小屋のドアを私の目の前でパタンと閉めた。
これでもう番に惹かれて浮気することは無い。
私は浮かれていた。大好きなシーファスの憂いを取り除くことが出来た。
私達はこれで一生仲良く生活出来る。
そう思っていた。
私はその日、薔薇色の気分のまま帰路へとついた。
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