闇鍋(小話集)

文字の大きさ
8 / 10

公爵[ライラールの父親]のその後(隣国に嫁いだちょいぽちゃ王女は帰りたい)

しおりを挟む

グロ注意
ホラー風?
そこまでざまぁ対象キャラでは無いのですが、このような末路です。
虫注意






我が国がパンデルム帝国に攻め滅ぼされ、私は強制労働所で働く事になった。

「お前達元貴族には遺体の処理をして貰う。」

まず命じられたのは戦後の遺体の埋葬。
夥しい数の遺体を共同墓地に埋葬するそうだ。

「ううっ……。」

足枷を付けられ遺体の収容所まで歩くと入り口付近から、吐きそうな程の悪臭が漂っていた。

「こんなところで吐くなよ!」
「は、はい。」

見張りの男に怒鳴られた。目つきが鋭く私を睨んではいるが、暴力を振るう気は無いようだ。
狭く暗い物置小屋のような収容所には、更に濃厚な悪臭が立ち籠めていて、遺体が山のように積んであった。
物のように、無造作に……。

「この憐れな兵士達を見て、自分たちがどんな犠牲を民に強いてきたのか実感するといい。」

私達は三人一組となって遺体を一体一体布にくるみ、三人で抱えて遺体を荷台へと積んだ。遺体は重くて、三人でやっと運べる重さだった。

遺体の表情にはそれぞれ、死ぬ間際の苦痛や恐怖が刻まれていた。
目の開いたままの遺体も多く、布にくるむ途中に目が合う。
色を無くした目が私を責める。

それは、言い知れぬ恐怖………。
動かない遺体が怖くてたまらない。
身が竦むのを必死に堪えて作業を急いだ。

多くの遺体は時間が経っており既に蛆が湧いていた。
特に腹の傷の周辺には蛆が集まり寒心に耐えない。

そんな作業を始めてから、夜は悪夢に魘される。

「……痛い……くる……しい……。助ケテ……。」

「………お前のせいだ………。」

遺体が床を這って私の方へと手を伸ばす。

「す、すまない……。」

怖くてその手を振り払う。

「自分たちだけ逃げるのか………。」

夢の中の私は逃げたくても凍り付いたように身体が動かない……。

恐怖と絶望に満ちた目で私を見る遺体たち……。
腐りかかった身体を引き摺り私に這い寄る……。

私の体にも蛆が湧き、もぞもぞと身体中を這い回る。

「ギ、ギャーーーーー、た、助けてくれーーー!」

悪夢に魘され目が覚めた。
目の前に遺体は無い。
けれどもやけに蛆が身体を這い回る感覚が生々しくて……。
振り払っても振り払っても、感覚が残っている。

もうこの悪夢から逃れられない。


しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻を蔑ろにしていた結果。

下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。 主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。 小説家になろう様でも投稿しています。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...