殿下、私も恋というものを知りました。だから追いかけないでくださいませ。

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12.初夜(※R18)

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※R18です。




「レイ、舌を出して。」

 言い方は優しいのに、まるで身体を自ら差し出せといわんばかりの要求。それぐらい恥ずかしい。だけど、先生の視線の強さに恥ずかしいと声を上げることも出来なくて、おずおずと舌を伸ばした。

 「……ぁ……っ……。」

 舌先をちょんちょんとつつくように舐められる。一番敏感な部分は触れられるたびにじんじんと痺れるみたい。彼は何も言葉を発しないから気になって薄目を開くとぱちっとクロヴィス様と目が合った。嗜虐的な色を浮かべて観察するみたいなその視線に、背筋がぞくりと粟立つ。
 ……私の顔、ずっと見られてた……。

「熟した果実のようだな。甘い。」

「……ぅ……そ……。」

 甘いはずなんて無いのに……。唇を味わうみたい舐められ、舌先をじゅっと吸われた。敏感な粘膜をじゃれつくように絡め取られて腰が跳ねる。歯列を辿り、頬の内側、上顎を擽るみたいに舌でなぞられる。まるで私の気持ち良いところを探すみたいに、先生は咥内の至るところを丁寧に刺激していく。

 このキスはダメだ。抗えない……。
 くたりと力が抜けて手足がシーツに縫い付けられたように動かない。

「はぁ、んっ……。」

 覆い被さる彼の体温が熱い。股の間からとろりと何かが溢れた。
 
「レイ。」

 苦しくて、気持ち良くて、何も考えられない。何、これ。
 キスの合間、喘ぐように呼吸する私をなだめるように掌で背中を撫でる。その手つきは優しいのに、全然キスは手加減してくれない。

 何度も角度を変え、深さを変えて繰り返される濃密な口づけは、それだけで思考が蕩けてしまう。くちゅり、くちゅりと口の中で響く淫靡な水音。

「……だ……め……。」
「ダメじゃないだろ?」

 どれだけの時間唇を重ねているのだろう。長い長い口づけに、身体の力はすっかり抜けた。
 肌の感覚だけは研ぎ澄まされ、 肌を滑る彼の指先に意識が集中する。ぐずぐすになった私を、身体を起こしたクロヴィス様が満足そうに見下ろした。
 いつの間にか汗をかいていたらしい……。顔に張り付いた髪を掬って耳に掛けてくれる。その仕草は私をいたわるように優しくて、胸がきゅんと締め付けられた。

「感じ易いな。こんなにとろとろになって……。」
「だ、だって……。」

 涙に潤む瞳は視界もぼやけて……縋るように彼を見つめた。

「レイ……。」
 
 再び唇が重なる。その柔らかくて生温かい感触に身を任せてしまう。もうキスの気持ち良さを教えられてしまった。
 ぎゅっと抱き締められると、隙間なく肌が密着する。彼の身体が熱い。ちゅぷちゅぷとはしたない音を立てながら、唇同士の触れ合いに耽溺する。

「……ぷはぁーー。」

 ようやく先生の唇は私の唇を離れた。絡み合った唾液が糸を引きプツンと途切れる感触が切ない。そして再び軽い口づけ。今度の口づけは唇にちょんと軽く、そして彼の唇は顎から首筋を滑り落ち、やがて私の胸の膨らみにたどり着いた。

 「あっ……っ……。」

 掌で胸を掬うように揉みしだかれ、もう片方の胸の先端はちゅぷりと口内に含まれた。舌で転がされるとむず痒いような感覚がわき上がる。もっと強い刺激が欲しくて堪らない。
 ねだるように身体を揺らしてしまう私を見て、彼が喉の奥で低く笑った。

「可愛い……な。」
「……っあ……はぁー」

 人差し指で先端をカリカリと引っ掻くように刺激されると、甘ったるい声を上げてしまう。こんな声、聞かれたら恥ずかしいのに……。身体のいたる所に口づけを落としながら、手は腰から臀部を撫で回す。ただ触られているだけなのに、身体から甘い愉悦が走り、お腹の奥がずくりと疼く。
 やがてクロヴィス様の手は、私の股ぐらへと滑り込んだ。

「……すごいな。」

  すごいって何?
  私……変なの……?
 クロヴィス様の指が、私の秘部に忍び込むとぬるりとした感触がして……。やっぱり私は何かを漏らしていたらしい。

  私の耳はクロヴィス様の小さな呟きを拾い、急に不安になった。

「私……変……ですか?」

 緊張で掠れた声。
 
 私の顔を見たクロヴィス様は優しく眦を下げて、チュッと唇にキスしてくれた。

「レイが感じてくれて、俺は嬉しいんだ。気にするな。ほら、足を開くぞ。」

「えっ……ぃや……。」

 こんな濡れた所を直に見られるなんて恥ずかし過ぎる。きっと匂いだってするもの……。

「レイ、力を抜きなさい。ほら。」

「だって……。変……かも……。」

 抵抗して足に力を入れる私をクロヴィスさまがたしなめる。彼の手に力が込められ、私のささやかな抵抗は終わりを告げた。

「ああ、綺麗だ。全然変じゃないぞ。」
 
 私の恥ずかしい場所を、クロヴィス様の遠慮の無い視線が犯す。

「う……そ、綺麗な……はず……ない。」

 そんな場所……。しかも濡れてるのに……。
 彼の太い指が、その合わさをゆるゆると往復する。ぬるぬるしていて滑らかに動く指が気持ち良くて、敏感な粒を掠める度に腰が跳ねる。

「……ぁん……ああ……そこ……だ……め……。」

 こんな所、ずっと擦られたら頭がおかしくなっちゃう。次々送り込まれる甘美な刺激に耐えきれ無くて、逃げたいのに腰はがっちり押さえられていて逃げられない……。
 快楽は積み重なるように私を追い詰める。股の奥から溢れた何かが彼の手を濡らし、シーツにシミを作っていく。

 もう頭の中がぐちゃぐちゃで何も考えられない。

「初めてだからな。もうトロトロで必要ないとは思うが……。」

 どこに隠していたのだろう?

 いつの間にかクロヴィス様はピンクの小瓶を持っていて中身を自分の指に纏わりつかせると、つぷりと膣口浅くに指を差し込んだ。

「あっ……。」

 きつい。自分の知らない場所に指が侵入するのが怖い。
 僅かに身体を強張らせる私に、クロヴィス様のキスが降ってきた。

「んんっ。」

 口づけの気持ち良さをすっかり教え込まれた私は、口腔内を蹂躙するように動く彼の舌に翻弄される。柔らかい粘膜を嬲られ、その甘美な刺激にゆるゆると身体の力が抜けていく。

 
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