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一五、カクテル!
しおりを挟むルディの屋敷に住むようになって、一ヶ月。
意外に喧嘩も無く、楽しく暮らしている。家に飲み仲間が居るっていうのもいいものだ!
あちこちで美味しいおつまみ情報を仕入れ、お互いに調達して晩酌を楽しむ。すっかりのんべぇカップルになっていた。
ルディの家は、重厚で要塞みたいに頑丈そうな屋敷。 そう!正にお屋敷って感じで、窓が小さくて若干薄暗い。
使用人は最小限で、通いの家政婦さんや料理人がいるだけ。静かなものだ。
私は厨房にも出入りするようになり、最近では簡単なおつまみも作る。基本ルディは何でも美味しいと言って食べてくれるけど、最近は料理が楽しくなってきた。
ルディに食べてもらうからには、もっと色々美味しいおつまみを研究したい。
そんな事を思いながら厨房に立ち、魚介のアヒージョを作っていると、いつの間にか背後にヤンデレが立っていた。
「昨日のあの男は何だ?俺の前でベタベタしやがって」
いやいや、私は一応貴族令嬢。
バーティーでダンスを申し込まれたら踊りもしますよ?しかも、ルディってバーティーに参加してなかったよね?何処かで見てたの?
「これからダンスは断れよ」
「さあ?」
私が晩酌のために、クリームチーズとクラッカーを皿に並べているのに、この男はしつこく絡んでくる。
「さあって何だよ!」
「アーアー、煩いっ!早く飲も?二人の時間楽しまなきゃ!」
なおもブツブツ言っている奴はさっさと置いて、私は出来上がったアヒージョとワインを持って部屋に移動した。
「あんな助平面した奴に触られて平気なのか?」
まあ、確かにねぇって感じ。昨日のパーティーで踊った男性の視線はちょっと気持ち悪かった。胸をジロジロ見られたのよねー。
「あんないやらしく触られて……」
いやいや、普通のダンス。
触られたって言っても、あくまでダンス。
変な場所は触られてませんよ?
「だからっ、ダンスだってば!」
「いや、あの男、結構尻を撫で回してたぜ?お前……全然拒否しねーしよ。全く……目が離せねぇな」
うーん。
そう言われれば、あの手つき……。下心あったような気もするな。
だからって、あんな会場で声を出して拒否したら変なのは私だ。
ルディを無視してアヒージョを食べる。あつあつのマッシュルームを頬張ると口いっぱいガーリックの香りが広がって……。
「あーー、美味いーー。サイコー」
白ワインはよく冷えていて、グラスに霜がついている。
口腔内に広がったオリーブオイルを洗い流すように一気にグラスを傾けた。
「ん゙~~!!」
そんなに高級では無いワインのこの感じ!アヒージョの油で熱くなった口をワインが冷やしてくれる。このギュッする感じがたまんない。
うめー。
ワインとアヒージョを堪能している私の後ろには少し拗ね気味のヤンデレが、気弱な声で甘えるように寄りかかる。
「ヤキモチで変になりそうだった……」
うん、可愛いな……。
蔑ろにしてゴメンよ。
「私には、ルディだけよ……」
ふふっ。結局私もこの男が好きなのだ。
ルディは諦めたように深い溜息を吐く。
「余裕ぶっこきやがって……。酒だけは、俺が居ない所では飲むなよ?」
「ええ?暴君!ジャスミン様たちなら女同士でいいでしょ?」
「うーん」
えー?それすら駄目?
腕を組み渋い顔で考える執着男。
「それに、変装魔法掛けてれば、男が一人飲みに行っても平気だって」
オジサンの姿なら、お触りとかも無いし、襲われる事も無いよね?ねっ?ねっ?
「一人の飲み歩きって、色んな人とすぐに友達になれちゃうから好きなの。酔っ払って肩くんで歌を歌えばすぐに親友よ?」
「それは、駄目だろ」
ずっとふざけてた私は急に凄まれて、その剣幕にうひょうと軽く飛び上がってしまう。
「まあ、ルディも飲みなよ」
「誤魔化すなよ?」
「まあまあまあ」
そんなこんなで戯れたり言い合ったりしながら二人でアヒージョをおつまみに、ワインを1本空けた。
なんだかんだでルディもアヒージョが気に入ったのか黙って飲んでいた。なんなら私よりたくさん飲んでるし食べてる。
そして、私はおもむろに秘密兵器を取り出した!
「何だそれ?」
「ジャーン!カクテルを作るシェーカーです。ひかえおろー」
「え?つくんの?」
「えへへ。バーの店長に借りてきたの」
前世では、よくお洒落なバーに飲みに行った。そしてシェイカーを振る渋いバーテンダーに憧れたものだ。
この世界のバーの店長にカクテルを作る道具とレシピを借りてきた。
今日はしっかりと細かい氷も準備してある。
いそいそと氷と水を入れてシェーカーを振って一旦水を切る。モタモタしながらも、お酒をメジャーカップで測って入れてストレーナーとキャップを閉める。
教わった通り縦に振ればシャカシャカと気持ち良い音がする。プロみたいにリズミカルでは無いけれど、まあ、これはこれで良いだろう。素人仕事。妥協は大事。
氷が溶けないうちに素早くグラスに注いで完成!
この世界にある物って基本日本と同じだから、カクテルの名前も同じだった。
今作ったのはホワイトレディー。
乳白色に濁っていて、何とも大人な雰囲気のカクテルである。
爽やかで甘すぎず、ツンとくるジンの匂い。
「ルディにも作ろうか?」
「俺はいい」
「へ?」
いつの間にか、ルディが持っているロックグラスの中にはまぁるく削られた氷と琥珀色の液体が!
「え?それどうしたの?」
「ウイスキーのロック」
「じゃ無くて、丸い氷!」
「魔法で作った」
ルディは事も無げに言う。
私は迷い無く頭を下げた!
「これ、飲み終わったら私にも同じもの作ってくださいっ」
やーん!そっちも飲みたい!
ロックはこの丸い氷にかぎるよね。
私はワクワクしながら、ルディがウイスキーのロックを作ってくれるのを待った。もちろん正座で。
こんな感じで、のんべぇ令嬢は執着男につかまって幸せに暮らしてます。
~(完)~
※途中更新が遅れて申し訳ありませんでした。
このお話は、季節に合わせて番外編を書こうと思います。内容はエロかお酒の話になると思います。
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みんなの感想(35件)
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完結おめでとう㊗御座います!!
踊った人…消えるかもしれない?
(゜ロ゜)
ぱら様
感想ありがとうございます
(*u᎑u)感謝♡
いつも結婚まで書いちゃうのですが、今回は気楽な同棲カップルみたいな終わり方です。
いつも感想いただけるので、すごく励みになっています。
{\__/}
( • v •) ᴛ ʜ ᴀ ɴ ᴋ s ❤︎
/つ🍰
ひとまず完結おめでとうございます🥂
心の中でヤンデレ呼び(๑˃▿︎˂๑)))
そのくらいのほうがいいですね!
お互いに飲めるので、いいカップルと思いまーす🍸
ホワイトレディってコアントローも使うんですねφ(。_。*)メモメモ
自分で作れるって羨ましい✨
番外編でお酒が出てくるのを楽しみに待ってます💐
能登原あめ様
感想ありがとうございます
おはよ💖
/) /)
(*・-・) 💕⁾⁾
OuuO
とりあえず完結です。
ヤンデレにはこれくらい言わないとってことで、軽口を言い合うような関係に……。
お酒について書きたい時はこのお話にしようと思います。
㌧㌧㌧❤
▲_∧完結おつかれさま♡
(*・ω・ ▲🎀∧
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基本、私も呑んべぇなんで
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青空様
感想ありがとうございます
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