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或る男の証言③
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「あっ?俺はベン」
狩猟会の参加者か?
「いや。違うね。俺は平民の何でも屋だ」
何故招待されていないのに王家主催の狩猟会にいたんだ?
「王家主催なんて知らねーな。ただ俺を雇ったお嬢様に連れて来られただけだぜ?」
お嬢様?知り合いか?
「いや。俺達の根城に突然来たんだ。多分どこぞの貴族のお嬢様だろうぜ。変装してたが、着ている物が上等だったからな。病人のフリをするだけで、すげぇ金額くれるって言うからついてきたんだ」
病人のフリ?
「ああ、俺に貴族みたいな服を着せてよー、指示された場所で病人のフリをしてくれってさ」
病人のフリをしてどうしたんだ。
「あの場所から医師と看護師を連れ出して欲しいみたいだったな。侍女みたいな格好した奴が医者を連れて来たぜ」
それで?
「金が掛かっているからよ、俺はずっと腹が痛ぇフリをしてた。こう手を伸ばして『俺を見捨てないでくれー。痛えよーっ』ってな?」
医者はどうしたんだ?
「侍女みたいな服を着た奴が、医師に『代わりのお医者様を手配しましたので、この患者さんに付き添ってあげてください』って言ってたぜ?」
それでお前は治療院に連れて行かれたのか?
「ああ。夜になったら俺も治療院から抜け出す予定だった。思ったより早くあんたらに捕まっちまったがな」
お前は本当にその貴族令嬢の正体は知らないのか?
「知らないね。依頼者のお嬢様は名乗らないし、俺はお貴族様の顔なんて知らないからよ」
本当か?
……あっ殿下。
ここからの取り調べは俺がする。
はっ
お前みたいな奴が本当に依頼者を知らないのか?どうせ、後で金を強請ろうと思って調べているんだろ?
「どーだかなー」
誰だ?
「あっさり言うと思うか?」
そうだな。教えてくれれば、一ヶ月の禁固刑で許してやろう。
「教えなければ?」
お前みたいは奴は叩けば埃が出るだろ?一生出れないように調べ尽くしてやるさ。なぁ、ベンジャミン
「うへぇー、おっかねぇな。俺の名前なんて今の仲間すら知らないぜ?……はぁ、参りましたよ、王太子殿下。俺の依頼人はウィリデ侯爵令嬢です」
間違いないか?
「間違いないですね。あとをつけたら、侯爵家の家紋の入った馬車にこっそり乗り込んだのをこの目で見ました。別の日に屋敷を見張ってたら、立派なドレスを着て出てくるウィリデ侯爵令嬢の顔を確認したので間違ありません」
ありがとう。
「約束は守ってくれますよね?」
ああ、守るさ。
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