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アンドレア視点
しおりを挟む俺は正直言ってモテる。
社交界一と言ってもいいだろう。その理由はこの整った顔だけでは無い。
身嗜みにも気を遣い、肌の手入れも怠らない。そして何より全ての女性にな優しく接するように心掛けている。
浮気なんてもちろんしない。俺の運命の女神はもちろんビビアンさ。
彼女を一目見た瞬間に恋に落ちたんだ。この気持ちに嘘偽りなどない。
俺にはフラヴィアという婚約者がいた。こういってはなんだが、容姿もスタイルも特別魅力的では無い普通の女性。だが俺は政略結婚とはそういうものだと思っていたし、大きな不満があるわけでも無かった。
けれどあの日、俺はビビアンと運命的な出逢いをした。
その瞬間世界中から音が消えた。もうビビアンしか見えない。そして、ビビアンが俺を見て微笑んだ時、俺の頭の中でクピドの鐘が鳴り響いた。
あー、俺とビビアンは結ばれる運命なんだ!
そう強く確信したさ。
だけど、俺を求める女性たちがいる限り、冷たくするわけにはいかない。それが色男に産まれた俺の宿命だから、ね。
「微笑みの貴公子様よ」
「今日も素敵ね」
「きゃー、私を見て微笑んでくださったわ」
俺を羨望の眼差しで見つめ頬を染める女性たち。可愛くない女性なんて一人も居ない。彼女たちは皆それぞれの美しさを持っているだ。俺は心の中でそんな彼女たちをマイスウィートエンジェルって呼んでるのさ!
最近留学から帰って来たグラディウス公爵家のシリル様はとても無愛想。俺と同じように、神から美しさを与えられているというのに……その美しさを封じ込めるように冷たい目で女性を見る。本当に悲しいことさ。
全ての女性に優しくする事。俺はその事を自分に与えられた責務だと思っている。
俺のスウィートエンジェルたちは、愛らしくて繊細。真っ赤に頬を染めて、潤んだ瞳で俺に話し掛けてくる。そんな女性の誘いを断るなんて可哀想だろう?
だから、俺は基本的には誘いを断らない。
彼女たちがダンスを踊りたいと望めば踊る。もちろん夢のように幸せな時間を過ごしてもらうために完璧なリード、そして蕩けるように甘い眼差しをプレゼントするのさ!
俺が唯一悲しませた人。フラヴィアには負い目もあった。あんなに俺を好きでいてくれたのに……。
それだけを俺は後悔していた。
婚約者になってからのビビアンは少し怒りっぽくなった。俺が他の女性と仲良くするのを嫌がるんだ。
あー、なんてことだ!
俺のような選ばれし美をもつ男の隣に立つ伴侶として、細かな事は気にしないで欲しかったのに……。
フラヴィアは俺の行動に文句なんて言ったことは無い。それは俺を深く理解していてくれたから。
ああ、ビビアン。
悲しまないでおくれ。
俺の心は君のものさ!
ただ、俺の笑顔は全ての女性のものなんだ!
ビビアンもフラヴィアのように朗らかにいつでも笑っていて欲しい。
女性は笑顔が一番だから、ね!
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