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4.王宮でのお仕事
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皇宮で働き初めて一ヶ月
なかなか快適な職場だった。
皇宮では早番と遅番があり、5時から午後1時までと、1時から9時までの二交代勤務。
食事は赤宮専用の食堂があり、メニューも豊富。最近更に豪華になったらしい。
メイド服も何気に高級な生地が使われ、帝都で一番人気のデザイナーが手掛けていると同僚が喜んでいた。
同じような境遇から来たメイドたちとはすっかり打ち解けて仲良くなっていた。
ただし、業務の都合上どうしても赤宮から出ることがあり、女官たちは相変わらず嫌がらせをしてくる。
~・~・~・~・~
今日は早番だ。
陛下の執務室の窓を開けて早朝の爽やかな空気を室内に取り入れる。
机や床を手早く掃除して花を飾ると陛下が部屋に入ってきた。
「おはよう。」
「「「おはようございます、陛下。」」」
赤宮以外で働く貴族は、私たちメイドへ挨拶なんてしないのに、赤宮で働く貴族や陛下はいつも挨拶してくれた。
陛下はいつも通り鉄仮面のような無表情で部屋へと入り、淡々と仕事を始める。
文官から用意された書類に目を通し、サインをする。
時折、手を止めて少し考え、文官に質問したり、それでも納得出来なければ、他の文官に資料を持って来させる。
陛下は口数が少なくてほとんど無駄なことは話さない。
初めて会った時には恐くて陛下の顔を見れなかったけれど、こうやって見る横顔はどこか窶れて疲れて見えた。
私は陛下や文官がいつでも何か飲めるように、冷たいお茶や果実水を用意して部屋を後にした。
「お疲れ!」
「お疲れ様です。」
皇帝陛下の護衛騎士のマルスさんは気さくで優しい青年。
子爵家の三男で貴族にも関わらず、私たちにも気を遣って声を掛けてくれる。
「今から庭園で花を貰ってくるんだろ?」
「は、はいっ!」
「俺も一緒に行くよ。侵入経路が無いか点検するんだ。ついでにその荷物持ってやるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
二人で一緒に歩き出すと、いつの間にか陛下が後ろからついてきていた。
今まで執務室にいたのにっ?
「へ、陛下。どちらへ?」
マルスさんが尋ねると、陛下はぶっきらぼうに答えた。
「庭園だ。」
「何か、用事でも?」
「書類ばかり読んでいて疲れた。気分転換だ。」
今仕事を始めたばかりなのに、そんな事を言って陛下はついてきた。
私たちが歩く後ろを陛下が歩いて、その後ろを陛下の侍従と護衛騎士がついてくる。
何だか変な集団になってしまって、すれ違う人がみんなに二度見された。
陛下が近い距離で後ろをついて来るので、私とマルスさんは何となく話をしにくくなり、無言のまま庭園についた。
「すみません。食堂に飾るお花を頂けますか?」
「食堂なら、匂いの無い花がいいな。これ持ってきなっ!」
庭園を管理している庭師のジムさんに花貰ってその場を後にする。
ふと見ると、無表情のまま庭園を眺める陛下がいた。
全然気分転換出来ているようには見えない。
(本当に何しに来たのかしら?……まさか……監視?……スパイとか疑ってる?)
冷静に考えれば、皇帝陛下がそんなことする筈ないのに、そんなことが頭を過るほど不自然な行動だった。
す、スパイって拷問とかあるんじゃ………
そんな怖い思いつきのせいで、それからは仕事中陛下の視線が気になって仕方がない。
よく観察すれば、確かに私をよく見ている。
そして私はすっかり陛下に怯えて過ごすようになっていた。
なかなか快適な職場だった。
皇宮では早番と遅番があり、5時から午後1時までと、1時から9時までの二交代勤務。
食事は赤宮専用の食堂があり、メニューも豊富。最近更に豪華になったらしい。
メイド服も何気に高級な生地が使われ、帝都で一番人気のデザイナーが手掛けていると同僚が喜んでいた。
同じような境遇から来たメイドたちとはすっかり打ち解けて仲良くなっていた。
ただし、業務の都合上どうしても赤宮から出ることがあり、女官たちは相変わらず嫌がらせをしてくる。
~・~・~・~・~
今日は早番だ。
陛下の執務室の窓を開けて早朝の爽やかな空気を室内に取り入れる。
机や床を手早く掃除して花を飾ると陛下が部屋に入ってきた。
「おはよう。」
「「「おはようございます、陛下。」」」
赤宮以外で働く貴族は、私たちメイドへ挨拶なんてしないのに、赤宮で働く貴族や陛下はいつも挨拶してくれた。
陛下はいつも通り鉄仮面のような無表情で部屋へと入り、淡々と仕事を始める。
文官から用意された書類に目を通し、サインをする。
時折、手を止めて少し考え、文官に質問したり、それでも納得出来なければ、他の文官に資料を持って来させる。
陛下は口数が少なくてほとんど無駄なことは話さない。
初めて会った時には恐くて陛下の顔を見れなかったけれど、こうやって見る横顔はどこか窶れて疲れて見えた。
私は陛下や文官がいつでも何か飲めるように、冷たいお茶や果実水を用意して部屋を後にした。
「お疲れ!」
「お疲れ様です。」
皇帝陛下の護衛騎士のマルスさんは気さくで優しい青年。
子爵家の三男で貴族にも関わらず、私たちにも気を遣って声を掛けてくれる。
「今から庭園で花を貰ってくるんだろ?」
「は、はいっ!」
「俺も一緒に行くよ。侵入経路が無いか点検するんだ。ついでにその荷物持ってやるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
二人で一緒に歩き出すと、いつの間にか陛下が後ろからついてきていた。
今まで執務室にいたのにっ?
「へ、陛下。どちらへ?」
マルスさんが尋ねると、陛下はぶっきらぼうに答えた。
「庭園だ。」
「何か、用事でも?」
「書類ばかり読んでいて疲れた。気分転換だ。」
今仕事を始めたばかりなのに、そんな事を言って陛下はついてきた。
私たちが歩く後ろを陛下が歩いて、その後ろを陛下の侍従と護衛騎士がついてくる。
何だか変な集団になってしまって、すれ違う人がみんなに二度見された。
陛下が近い距離で後ろをついて来るので、私とマルスさんは何となく話をしにくくなり、無言のまま庭園についた。
「すみません。食堂に飾るお花を頂けますか?」
「食堂なら、匂いの無い花がいいな。これ持ってきなっ!」
庭園を管理している庭師のジムさんに花貰ってその場を後にする。
ふと見ると、無表情のまま庭園を眺める陛下がいた。
全然気分転換出来ているようには見えない。
(本当に何しに来たのかしら?……まさか……監視?……スパイとか疑ってる?)
冷静に考えれば、皇帝陛下がそんなことする筈ないのに、そんなことが頭を過るほど不自然な行動だった。
す、スパイって拷問とかあるんじゃ………
そんな怖い思いつきのせいで、それからは仕事中陛下の視線が気になって仕方がない。
よく観察すれば、確かに私をよく見ている。
そして私はすっかり陛下に怯えて過ごすようになっていた。
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