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第二
月下草2
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ガオン様の言葉に僕は戸惑った。彼の言っている花の国の王族が持つについて、僕は何も知らないから...
「ガオン様...あの、僕はその事知らなくて...その...ごめんなさい」
戸惑ってそういい頭を下げる。顔を上げて顔を見るとじっと見つめるミナホ様に似た藤の瞳に罪悪感が出てきた...
「...そうですか...知らない...」
「はい...。父上からも他の方からも話は聞いたことがないです」
ボソッと呟かれた言葉に僕は強く頷いた。
すると、真剣そのものだった顔がパッと笑顔になる。
「そうか...いや戸惑わせてしまい申し訳ない。放浪の旅が長すぎて少々変わった男になってしまったようですね。お忘れください」
そう笑ってからガオン様は温室を後にした。
もし、自分になにか力があって...それがミナホ様の役に立てるものであれば...僕はそれを手に入れたいと思った。
「でも...」
萎れた花へ視線を落とす。
僕は実際何も持ってない。少しの魔法は使えるけど、それが実際ミナホ様の助けになるとは思わない...
「月下草もほんとに命を助ける花かなんてわかってないし...」
コップ一杯の月下草の蜜を...というガオン様の話はおとぎ話のようなものだ。
実際にコップ一杯の月華草の蜜を集めるというのは非現実的なことであり、試した人なんていない...
「ほんとにあったらすごいのにね」
僕はそっと萎んだ花に触れた。
例えばこの花が元気になるような...そう、月下草のおとぎ話のような力の一端が僕にもあったら...
「え...?」
そんなことを考えていると花に触れた指先が暖かくなっていくのを感じた。それはじわじわと...次第にその熱が花へと伝わる。
萎んでくすんでいた花びらが息を吹き返したかのように本来の色を強くしていく。段々と...鮮やかな赤い色へとなりそしてこうべを垂らしていたそれはしっかりと上を向き、力いっぱい咲く花へと変わっていった...
「なに、これ...」
あまりに出来事に動揺して立ち上がり後ずさる。綺麗に咲き誇る花に恐怖を覚えた...
「いっ...」
すると突然、頭が痛み目の前がグラッと揺らいだ。そして体が傾きその場に倒れてしまった。
頭の痛みは引くことなく段々と強くなり、目の前はやはりグラグラと揺れていて。体が冷たくなっていくのも感じた。
「ユマ様...?」
誰かが温室に来たのだろうか...僕を呼ぶ声が聞こえた。その声は段々と焦ったような声になり、抱き起こされた時にその声の主が目に映った...
「ミナホ、様...」
公務をしているはずのミナホ様の姿に 安心して、何度も僕を呼ぶその声にほっと一安心してから僕の意識が途切れた。
「ガオン様...あの、僕はその事知らなくて...その...ごめんなさい」
戸惑ってそういい頭を下げる。顔を上げて顔を見るとじっと見つめるミナホ様に似た藤の瞳に罪悪感が出てきた...
「...そうですか...知らない...」
「はい...。父上からも他の方からも話は聞いたことがないです」
ボソッと呟かれた言葉に僕は強く頷いた。
すると、真剣そのものだった顔がパッと笑顔になる。
「そうか...いや戸惑わせてしまい申し訳ない。放浪の旅が長すぎて少々変わった男になってしまったようですね。お忘れください」
そう笑ってからガオン様は温室を後にした。
もし、自分になにか力があって...それがミナホ様の役に立てるものであれば...僕はそれを手に入れたいと思った。
「でも...」
萎れた花へ視線を落とす。
僕は実際何も持ってない。少しの魔法は使えるけど、それが実際ミナホ様の助けになるとは思わない...
「月下草もほんとに命を助ける花かなんてわかってないし...」
コップ一杯の月下草の蜜を...というガオン様の話はおとぎ話のようなものだ。
実際にコップ一杯の月華草の蜜を集めるというのは非現実的なことであり、試した人なんていない...
「ほんとにあったらすごいのにね」
僕はそっと萎んだ花に触れた。
例えばこの花が元気になるような...そう、月下草のおとぎ話のような力の一端が僕にもあったら...
「え...?」
そんなことを考えていると花に触れた指先が暖かくなっていくのを感じた。それはじわじわと...次第にその熱が花へと伝わる。
萎んでくすんでいた花びらが息を吹き返したかのように本来の色を強くしていく。段々と...鮮やかな赤い色へとなりそしてこうべを垂らしていたそれはしっかりと上を向き、力いっぱい咲く花へと変わっていった...
「なに、これ...」
あまりに出来事に動揺して立ち上がり後ずさる。綺麗に咲き誇る花に恐怖を覚えた...
「いっ...」
すると突然、頭が痛み目の前がグラッと揺らいだ。そして体が傾きその場に倒れてしまった。
頭の痛みは引くことなく段々と強くなり、目の前はやはりグラグラと揺れていて。体が冷たくなっていくのも感じた。
「ユマ様...?」
誰かが温室に来たのだろうか...僕を呼ぶ声が聞こえた。その声は段々と焦ったような声になり、抱き起こされた時にその声の主が目に映った...
「ミナホ、様...」
公務をしているはずのミナホ様の姿に 安心して、何度も僕を呼ぶその声にほっと一安心してから僕の意識が途切れた。
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