ただの雑兵が、年上武士に溺愛された結果。

みどりのおおかみ

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三章

舌先で、触れる

  障子の外がわずかに明るい。夏虫の大きな鳴き声は、それ自体が命を削っているかのように、鼓膜に染みてくる。
 「……っはぁ……」
 俺は横になった忠頼の上に、前後逆に跨っていた。俺は四つ這いになって伏せ、熱く大きくなった忠頼のものに、音を立てて口づけをした。
 忠頼の呻くような声が、吐息に混じって聞こえる。既に屹立したそこは、ひどく張り詰めている。それを見ただけで、俺の体はぶるりと震えた。
 堪えきれなくなって、俺はそれを一気に口の中に含む。舌に熱を感じながら、下から上に、ゆっくり丁寧に吸い上げていく。
「っ……」
 忠頼の身体が、びくびくと震えているのを、俺は舌で感じた。それと同時に、俺の身体も、蕩けるように恍惚となる。
「んっ…!」
 その時、俺は思わず口を離した。忠頼の指が、俺の下腹部を、ついとなぞったのだ。
忠頼はそのまま、俺の太腿をぐっと掴み、無理矢理足を広げさせる。
「…っは……だめ……だ」
 忠頼の手が、俺の一番敏感なところに触れるか触れないか、というところを、行きつ戻りつしながら撫でる。俺の視界はちかちかとして、身体が何度もびくりと震える。
 俺は喘ぎながら、忠頼の手に自分の手を重ねる。
「……だ、めだっ……てっ」
「どうして」
「今は……っ俺がする、から……っ」
 俺はそう言って、忠頼の手を自分から離す。
 それから再び、俺は忠頼のものを飲みこみ、舌を這わせる。
 じゅぷじゅぷと濡れた音が響く。忠頼の胸が上下し、俺の口の中のものが、ますます大きく、固くなる。
「……出すぞ」
 俺は忠頼の言葉に応えるかのように、激しく口を上下させる。
「……っ」
 忠頼の腰が、二三度震えると、俺の口の中に、苦い味が広がった。
 暫くすると、忠頼の、静かな深い吐息が聞こえた。俺はそれに、ひどく満ち足りた感覚を覚える。俺は口の中に溢れてきたものを、少し味わってから、そのまま飲み込んだ。
 俺は忠頼の上から退くと、忠頼は荒い息のまま、黙って胸を起こした。
 俺たちは軽く口づけを交わす。
 忠頼が、つと手を伸ばし、俺の口元を指で拭った。
「飲まなくていいと、いつも言っているだろう」
「いやだ。お前のもんは、全部欲しい」
 俺は忠頼の瞳を、真っ直ぐ見詰め返しながら言った。
 と、忠頼が、ふいに眉根を寄せた。頭を垂れ、長いため息をつくと、ぼそりと呟く。
「――お前は……それを、わざと、やってるのか」
「なにが?」
 忠頼はしばらく、俺の肩に頭を預けていたが、やおら、俺を、ぎゅうと強く抱きしめた。
 その後、すぐに、口づけの雨が降ってくる。忠頼は俺の頬や耳、首筋や鎖骨、肩や腕に、浴びせるように口づけを落とした。
 俺は可笑しくなってきて、思わず、くつくつと笑いを漏らす。
「なんだよ。くすぐってえよ……ン」
 最後に、忠頼は俺の唇をふさぐように、優しく口づけをした。
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