私は「あなたのために」生まれてきたわけではありませんのよ?~転生魔法師の異世界見聞録~公爵令嬢は龍と謳う。

まゆみ。

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はじまりはじまり。小さな冒険?

79、測定?。

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「……ま、セシリア嬢はそんな花としての香りがなくても、クロウディア様に似てらっしゃるから、気づかないうちにいろんな人の気を引きそうではあるけどね」


にこり、と守護龍はその美貌に笑みを浮かべる。
いや、笑って話す内容じゃ無いからね?
そもそも、3歳児に話す内容でもなかったわけだけど……本当にセシリアなかみが3歳児だったらどう理解させたんだろう……。


「番い同士が同格であれば、拐われそうになっても拒否も抵抗もそこそこできるんだろうけど、龍vs人間とか、厳しいでしょ?……今回に関しては、更に困ったことに、セシリア嬢を見い出した…セシリアを守るはずの龍自身が、親に守られなくてはならない生まれたばかりの子龍って事かな……」


あ、うん、それは終わってるね。
自分で逃げるにしても、力の差が……。


「とりあえず、身の安全のために必要だってことが分かればいいんだけど……わかるかな?どの道、セシリア嬢は『聖女』としても教会からも狙われている、というか現状も狙われ続けていると思って間違いはないだろうし、そういう警備の延長上だと思ってもらえれば良いと思うよ」

「はい……」


思わずはっとして守護龍を見つめてしまった。今回の誘拐騒ぎの元凶って、そう言えばだけど教会だった!
父様達が、ここに同席できなかったのも、その事後処理に奔走してるからだろうし、宗教系のトラブルは後がものすごく拗れるらしいし。


(そうだった。トラブルというかびっくりのしどうしで、大元を忘れるとこだった。……これは3歳児もとのすがたに戻ってもだけど、日記になるようなものをつけていった方がいいかもしれない)


計画を立てて、その見立てた通りに動いたり、自らの行動をする上で起こってしまうようなハプニング等への対応であれば今までだっていくらでも、生きていく中では経験する事だからなんとかなるし、大筋の見通しを立てておく事も可能だったけど……今回はダメだ。

予想外なところから、訳もわからないトラブルが起こりまくってるし、そもそも幼児で対応し切れるものじゃ無いものばかりで、ひたすら流されるように巻き込まれちゃってる。
そんなんだから、私自身の対応も後手後手になって……墓穴掘りまくっちゃうんだ。


(現状、すでに私のやりたいことからかなり遠ざかっていってる気がするし、そろそろ方向転換が出来る様に計画を立てて、行動していかないとまずい気がする)

「まだ理解の難しいお話だから、深くは気にしないでいいからね。とりあえず今は危なく無いように、怖い思いをしなくて済むように『龍の巫女として龍の離宮ここに通う事になった』って思ってくれたら間違いは無いからね」


守護龍は相変わらずの安心させる優しげな笑みと共に、ドアの方へ視線をやると軽く手をあげる。
それが合図だったようで、ドアが開き、大きめのワゴンで天鵞絨の台座に固定された何かが丁寧に運び込まれてくる。
大きさ的には、A3サイズくらいの……あらやだ懐かしい。


「さて、皆さんお待ちかねの、属性検査のお時間ですよ」


ふわりと周囲へと笑顔を振りまきつつ守護龍がワゴンを指差した。
懐かしいな……あれは、それこそ学生時代のハンスイェルクルークや私が使ったことのある、魔力測定の石板マジックアイテムだわ。
まだ存在してたあったのね。

構造は至ってシンプルなんだけど、当時でも性能が優れていたから、学園ではこの石版が採用されてた。


「この石板に触れるだけで、属性の相性がわかるようになっている。なお、この石板はより精密に判定され、10段階評価となっている。5以上の評価であれば一般的な『属性持ち』の判定となる。魔力値も測れるので、今後の参考にさせてもらう」


ハンスイェルクルークの流暢な説明に、嫌な予感満載な私の気持ちをよそに、この場の子供達ほぼ全員が目を輝かせ始めた。
ルーク……また何か企んでたりする?


「レオン兄様、僕やりたい!」

「あぁ、じゃあ先に……」


もう、うきうきを通り越して、シュトレイユ王子が先陣を切って石板へ近づいていった。
それに続いてレオンハルト王子。……緊張しすぎて警戒してる感じで近づいていく。


「僕は何が使えるんだろうな」

「可愛いしっぽと耳があれば充分です」


「ぶふぉ」という激しく吹き出す声とふるふる震えるレオンハルト王子の後ろに並んだのは、エルネスト。
真面目に可愛い耳としっぽがあるだけで充分ですよ。
私に関して、すごい攻撃力だよ?


「セシっ……こらっ……あとで覚えとけ…」


ていうか、レオンハルト王子って…笑上戸?
笑上戸な上で、笑い堪えるのって拷問じゃないの……。


「そういえばエルフって、何が得意なんだろうねぇ~?」


エルネストの次に並んだのはユージアでした。
そういえば何が得意なんだろう?
前世にほんで読んでたファンタジー的な小説なんかだと風とか土とか、とにかく自然的な属性が得意に書かれてたりしてたなぁ。
まぁそこにいるルークは平均的になんでも使えてた記憶があるわけですが。

ユージアの言葉に反射的に、みんなの視線がルークに集中した。


「角砂糖飛ばすとか?」

「お皿もお茶も飛んでたよ?」


確かに飛んでたね……。



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