96 / 455
はじまりはじまり。小さな冒険?
96、性癖。
しおりを挟む「いや……それ凄く…絵面が悪いというか、私が変な性癖持ちみたいに見えるからやめて?」
今のユージアはものすごく可愛いけど、恋愛や性的なという思考へ持って行くのは勘弁して欲しい。
女子高生と幼児とか……教会のフィア以上の変態というか、異常性癖な人間になってしまうよ……。
それは超えてはいけない一線だと思うの。
「え~普段の姿でだよ?」
「私も普段の姿でだよ?……しかも、ユージアも精神的に成長しなければ、もともとの姿が幼児じゃん。いろいろ犯罪チックでアウトですよ」
中学生と幼女でも十分犯罪です。
まぁ、貴族同士の幼いうちからの婚約ってのは、それこそ3歳からってのはザラだけど、結婚自体は双方が成人してからだし、そもそも『結婚式で初めてお互いの顔を見た』ってのが基本のように言われるくらいに、婚約者だからと言っても頻繁な接触はそうそうない。
「そうだった……セシリアが3歳児だったの忘れてた。あ、でもあと10年かそこらなんてすぐだし、大丈夫!」
えへへ…と笑いながら、ぎゅっと抱きついてきた。
首の後ろに回されてる、ぽかぽかでほやほやの細い両腕が柔らかいのにしっかり力がこもってる不思議。
ふにょっと頰にあたる、ユージアの頰が柔らかくて温かくて……あ~お肌のケア頑張ろう。
体格的な歳の差を考えても、それでも、男の子に負けてるのはなんだか悲しい。
あまりの心地よさにうっかり「大きくなったら結婚してね」的に、というかそのままだけど、相手が小さい子だからと、内容気にせずOKしちゃうパターンにハマりかけて、思い止まる。
(いやいや、10年って、長いよ?エルフには短いのかもしれないけど、長いですよ…成長していくうちに世界が広がって、気持ちだって変わっちゃうかもしれないよ?)
それともう一つ、問題があると思うんだけど。
ユージアがぽかぽかしてて、心地良くてついつい良い返事しそうになるのを堪えて、背中をぽんぽんと軽く叩くようにさすりつつ指摘してみる。
「で、ユージアはいつになったら成長するんですかね?」
「……いつだろう?」
「ユージアの場合は身体じゃなくて精神的要因らしいから、頑張らないと何年経ってもずっとそのままなんじゃないの?」
「それは……どうしようもないかも……」
……成長のためにも、これからお城で魔法やらお勉強するって言ってたし、5歳になってセシリアが学園へ入学する時は『従者として』とか言い出しそうだけど、絶対に一緒に入学しよう。
きっと私について回るより、学園の方が色んな人と接するから、良い刺激になるはずだし。
……一緒に成長していけると良いね。
「可愛いから、ユージアはこのままでも良いけどね」
「この姿で……?」
「それは私が変態の仲間入りしちゃうから却下」
「ま、良いや。僕はセシリアのそばにいれたら、それでいい……」
私の肩で眼をこするように、すりすりと顔を押し付けて、再びぎゅっと抱きついてきた。
可愛すぎ!と思ったのだけど、これはあれだね、さっきよりも体温上がってきてるし『食べるだけ食べたら後は寝るだけ!』ですね……。
いっぱいクッキー食べてたもんね。
時間的にお昼寝タイムかな?
「やはり、シシリーの気を引くには…身体を縮めるのが有効のようだ」
パタリ、と本を閉じる音の後にルークがぽつりと呟いた言葉が……部屋に響いた。
「は……?」
響きました。というか、刺さったよ!?
絶対に、そういう趣味は無いよ?無いからね?
ユージアに関しては呪で縮んでるけど、そもそも精神が幼児相当だから、それに身体が合わせて縮んでるんでしょう?だから、違うでしょ?
……可愛いけどさっ!
「どういう事……?」
「それでもいい……一緒がいい……」
「いや、良くないからね!?」
思わず即答で返してしまったけど、既にユージアの目は開いてなかった。
……寝言?!
でも良くないからっ!
くたりと脱力してしまったので、背中をぽんぽんとさすりながら、頭を支えて座り抱っこの姿勢を安定させる。
「これだ。シシリーの執務机の上に置かれていた……セシリアとの会話から、シシリーの記憶を継いでいるだけの別人格では、無いようだからね。嗜好もそのままなのだろう?」
そう言いながら、にこりと笑みを浮かべて本を置く。
執務机……?
うーん、むしろ机に本を置きっぱなしにしたことがないんだけど、何の本だろう?
置かれてるとすれば、何かの資料くらいなんだよね。
研究してそのまま資料を持って、この部屋に帰宅。
明日使う資料を机に積んで、寝る。
……つまり荷物置き場だったんだよ。
愛読書は、基本的には自室の本棚に。
というか『私の嗜好がわかる』本って何だ?
思い当たる記憶が多すぎて、嫌な予感でぞわぞわしていると、するりと、机の上を滑るように私の前に本が移動してくる。
『小児の身体の発達の段階と性的行動への総合的臨床見地の……』
「幼児、ねぇ……。あ、それ後輩の著書だよ。『出版したから見てくださいね!』って貰ったやつ」
何やら怪しげな名称やら表現がある気はするけど、後輩が書いた一応真面目な本だったはず。
ていうか、その後輩が飲み会やらで怪しい本を薦めて忘れて置いていくとかあったから、そっちが出てきたのかと冷や汗かいたわ。
……内容は、あれだ『性的行動』なんて書いてあるから怪しいけど、赤ちゃんってとりあえず自分の手で掴めるものは掴んでみるし、それこそ最初のうちは自分の顔を思いっきり掴んだり引っ掻いたりして、傷だらけにしちゃったりする。
それを阻止するために、昔はミトンっていう小さな手袋をつけたりもしてたと記憶してる。
今の子達って着けてるのを見ないんだよね。
じゃなくて、話を戻して……そうやって色々身体を触ったり、口に入れて感じたりして、成長していくんだけどさ、その時に性器に興味を持つ子もいるんだって。
主に男の子なんだけど……外についてるから見えるし、気になるんだろうね。
気になり始めちゃうと、執拗に……それこそオムツに手を突っ込んで触ってたりするみたいで。
『なんでだろうね?』
『その行為には性的な興奮や刺激が存在するのか?』
『他の赤ちゃんより身体の成熟が進んでいるからなのか?』
そういう謎を調べてみた!ってな本だったと記憶してるわけです。
男の子のお母さんが、男の子の育児をしていく上で対応に頭を抱えてしまう内容の一つではあるから、前世の育児書にもいくつかは触れてあったりした。
そちらには『ただ興味を持ってるだけだから「他にも面白いものがあるよ?」と他に誘導してあげましょう』って書いてあったと記憶してる。
……しかもその本に至っては、男の赤ちゃんを育児中のお母さんからのヒアリングや、本から調べた結果、実際にその様子を見れたときの観察内容等のまとめであって、その本を目的以外で『悪用しちゃおう』と考えて本を所有してたとかと思われたのなら、悲しいわ……。ていうか、心外ですよ。
呆れて思わず眉間を触ってしまった。
……あ、父様がよく眉間を抑えてるけど、あれって無意識の仕草だったんだなぁとか、ちょっと遠くを見つめつつ思う。
「……それが、私の嗜好だと本当に思ってる?……だとしたら、ルークには廊下で寝てもらう事決定かな……」
「なぜ……」
「ん?一応ここ、私室だから。勝手に見られた挙句に、変な疑いをかけられちゃうとか困るし」
というか真面目に困る。寝室漁られたら、確実にやばい。
絶対に何もないとは言い切れない。
というか、ある。見られたら、泣く。
過去の私のとはいえ、やっぱり漁られるのは嫌だ。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下
akechi
ファンタジー
ルル8歳
赤子の時にはもう孤児院にいた。
孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。
それに貴方…国王陛下ですよね?
*コメディ寄りです。
不定期更新です!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる