247 / 455
はじまりはじまり。小さな冒険?
247、狙いはなんだろう?。
しおりを挟む「うわー…容赦ないな、姉さんは。あ、星詠みは…終わっちゃったみたいだね?ユージア?胸押さえてるけど、どうした?大丈夫かい?」
キョロキョロと辺りを見渡しながら、乾いた笑いとともにふわりと赤い髪が揺れる。セグシュ兄様だ。
「えっと……なんかね、奴隷契約が花紋契約ってやつに変わったみたいなんだけど…何が変わったんだろうね?って。あぁ、えっと……魔法陣っぽかった奴隷紋がさ、花紋って名前の通り、お花の模様になっちゃった。これだとなんだか刺青か何かみたいだよね?」
と、ドレスシャツの首回りを大きく寛がせて、セグシュ兄様に見せていた。
「ん?花紋…花紋?花紋ってあれでしょ?番同士で同じ紋様が浮かぶやつ…ってあれ?違ったっけ?」
「「えっ?!」」
思わず返事を返して固まる。
それって、擬似的に番同士の様な関係に…あ、いや、待って。
それは色々な観点からしてアウトだわ。
「……あくまで『擬似的な』花紋だ。無理やり繋げた結果、浮かび上がる紋様が番同士に揃って浮かび上がる紋と似た様相になるから『花紋契約』と呼ばれている……番の花紋とは別物だ」
「似てるだけなんだ?」
興味津々で聞いてくるユージアに、ルークは呆れ果てて疲れたという様な深いため息を吐く。
「それが本当の花紋なら、おまえは違う方面から命を狙われるのでは?」
「あっ……それはっ…無理!」
凄い勢いで首を横にぶんぶんと振りだすユージア。
あ、そっか、略奪愛ってやつになっちゃうんですね。
じゃあ違う方面ってのは、私の番から命を狙われちゃったりするんだろうか?
どろどろの不倫劇みたいなのは却下だなぁ……。
誰も幸せになれる気がしない。
っていうか、そうじゃなくて、そもそも番同士に出る紋があるのなら、人族の私だって、誰が番か気付けると思うんだけど……。
そもそも、私の身体には、ないよ?
「ああ、キミは子龍の番なのに、花紋が無いと言いたいんだろう?……なくて当たり前だ」
あったら困る!とでも言いそうなその言いぶりに、どうしてなのかと思わず見上げてしまうと、そのまま抱き上げられてしまった。
おおぅ。再度捕獲されてしまった。
「番に現れる花紋は…お互いをお互いに自分の番だとしっかりと認識した場合に浮かび上がるものだからだ。キミの場合は……」
あ、そうか、私が認識してないから、紋様が浮かんでいないのね?
なるほどなぁ…と思いつつルークを見上げると、少し呆れた顔をされて話を続ける。
「そもそも、その子龍と意思の疎通すら出来ていないんじゃないのか?」
「そうなのよね…はやく会ってみたいんだけど、まだ生まれたての赤ちゃんなんでしょう?」
「……?…ああ…まぁ。意思の疎通が全くできていないことはよく分かった…」
あれ…私までため息をつかれちゃったよ。変なこと言ったかな?
まぁでも、この花紋契約なら泣くたびにユージアを苦しめなくて済むみたいだから……クロウディア様に感謝だなぁ。
あ……そういえば、フィリー姉様が期待していた、王宮ラブロマンス的なものは…あった様な無かった様な?
なかったけど、クロウディア様に足蹴にされるルークが見れたのは面白かった。
……面白かったけど『面倒臭い』と言われていた状態にはさせない様には、頑張らないとね。
「ねぇ、お姫様の部屋っていう割には、何もなかったね?」
「……この部屋は『1人になりたい時に使うんだ!』と言われて作っただけで、実際はほとんど使われなかったからな…さて、戻るぞ」
……流石に亡くなってる人の部屋とはいえ、女性の…しかも王族の私室だ。好きに漁って良いわけがないもんね。
シシリーの部屋も同じ様な優しい心遣いが欲しかったよ……と、少し恨めしくなりつつ、ルークに抱っこされたまま、クロウディア様の部屋を後にした。
ドアは全員が部屋を出ると、自動的に閉まり、かちゃり。と、鍵の閉まる音とともに、ドア自体が姿を消した。
******
部屋に戻ると、暖かい色のシャンデリアのライトで調光されていた室内が、かなり明るさを抑えられて、すぐにでも寝れるからね?という感じの部屋になっていた。
ベッドには、相変わらずシュトレイユ王子がぐっすりと寝ていて、それを心配そうに見つめている……というか、見ているうちにそのまま寝てしまったのだろう、そんな感じのポーズのままのレオンハルト王子が同じベッドで寝かされていた。可愛い。
エルネストも隣のベッドで寝ていた。
カイルザークは遠い目をして……フィリー姉様の膝の上にいた。
結局捕まっちゃったのね?
「お疲れ様です、ハンス先生。シュトレイユ王子のことですが……」
室内に足を踏み入れた途端にヴィンセント兄様から聞かされるシュトレイユ王子の容態の話。
思わずドキリとしてしまう。
3歳児から命を狙われてるというのは…まぁ王家ならあったりしちゃうのかな?
でも、メアリローサの場合は彼らを守る守護龍がいるわけで、守護龍も気づかないくらいの微量な毒を、毎日毎日、積み重ねでゆっくりと身体へ浸透させていったってことなのかな?殺してしまおうと、前々から計画的に思ってたとかですかね?
しかも、クロウディア様の話っぷりだと、どちらの王子にも魔の手が伸びていたらしいから……何が狙いなんだろうね?
幼い兄弟間でちょっとした喧嘩や争いであれば可愛いものだけど、王子達がやっちゃうとアウトだもんなぁ。
派閥やら、どっちを次代の王にしたいやら、大人のよくわからない枠に当てはめられて、双方ともに兄弟の名前を使われて争いやトラブルが起きたりで……揉めに揉めてドロドロになる。
流石にそれは寂しいよ。
思わずションボリしていると、抱えられていた手が緩められる。
そのままゆっくりと降ろされたので、そのままベッドへと向かって歩き出した。
……眠いからねっ!
0
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました
朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。
魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。
でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる