私は「あなたのために」生まれてきたわけではありませんのよ?~転生魔法師の異世界見聞録~公爵令嬢は龍と謳う。

まゆみ。

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はじまりはじまり。小さな冒険?

282、行ってきますの準備。

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朝食の後、というか私が梅のデザートに到達すると、レオンハルト王子とシュトレイユ王子も休憩から戻ってきたので、ヴィンセント兄様から今日の予定と今回の騒動の簡単な顛末が説明された。

……本当は子供たちに話してはいけない内容も含まれていたのだけれど、『監獄』突入時の危険な状況を知って、隠すよりもちゃんと説明をして、しっかりとそれぞれにも自衛させたほうが良いという結論に至ったようだった。

セシリアわたしの誘拐の件、および『籠』の件、そしてユージアへの『隷属の首輪』の件、しっかりと順を追って説明がされて行った。

誘拐の話では公爵家襲撃時のセグシュ兄様の負傷について、フィリー姉様がまた何か厳しい言葉を言うのだろうかと思っていたら、


「あら、一方的に負けたわけじゃなかったのね。凄い凄ーい」

「凄い棒読み……姉さん。それは褒めてるの?貶してるの?」

「褒めてる。貶される方が嬉しいなら、貶してあげるけど?」

「…なんか僕、変態みたいな言われ方してない?」


そんな会話と共に、セグシュ兄様の向いの席に座っていたユージアが必死に「ごめんなさい」しているという、なんともいえない状況になってたりもしていた。

その襲撃者のメンバーの中に、むしろ、セグシュ兄様を切りつけた相手こそが『隷属の首輪』を着けて操られていたユージアであったと、ヴィンセント兄様から説明されると、レオンハルト王子とシュトレイユ王子は、ユージアを見つめたまま固まってしまっていた。

まぁ何度も説明を受けて知っていたはずのエルネストやカイルザークですら、少しショックを受けた顔をしていたのだから……しょうがないか。


時系列で言うと、その翌日の朝、私が助けを呼ぼうとして、銀のトレイをお城へ向かって飛ばそうとして建物の壁ごと吹き飛ばした件もなぜか大人たちの報告書に書かれていた。
そこは飛ばしちゃって良いから!
わざわざ説明しなくて良いから!
やめてよっ!!!

思わず頭を抱えそうになったのだけど、その場面ではシュトレイユ王子が楽しそうに、目をキラキラとさせて状況の説明をしていた。


「トレイってこういう形でしょう?それがね、こんな形になって龍の障壁を割って飛び込んできたんだよ!」


シュトレイユ王子が目撃者だったとは……ちょっと新しい発見だった。
その場には父様もいたとか。
……とっても心配してくれてたんだって。
心配かけてしまってごめんなさいなのだけど、ちょっと嬉しい。

と、まぁ、私の王城への意図せず教会の壁ごとぶっ放した救難信号で…あ、いや、意図はしたんだけどね、まさか壁ごと吹き飛ばすとは思ってなかっただけで。

教会の関与は確定となって、教会内に立ち入りの検査が入って、以前から悪さをしていた人たちや『籠』を見つけて、その関係者たちを拘束して行って……と話が進んで行く。

こうやって改めて説明として聞いていると、実際私が体験していたものとはずいぶん聞こえが違い、闇の深いものなのだと実感してしまった。
きっとこれでもヴィンセント兄様なりに子供がなんとか聴けるようにとオブラートに包んであるのだろうし。

ちなみに私たちが『監獄』内を必死に逃げ惑っていた時に聞こえていた、騎士団の人たちの鎧音……あの時は、セシリアわたしの捜索の他に、教会上層部の拘束を行っていたらしい。
そして、目的だったセシリアわたしの姿は見つけられなかったけど、この教会のトップとも言える司教の確保には成功していたそうだ。


「ガレウス司教……魔力測定会に来てたよ」
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