私は「あなたのために」生まれてきたわけではありませんのよ?~転生魔法師の異世界見聞録~公爵令嬢は龍と謳う。

まゆみ。

文字の大きさ
378 / 455
はじまりはじまり。小さな冒険?

378、念願のお風呂ですよ!

しおりを挟む



 ルナもフレアも生まれてこの方…って、そりゃ、ずっと私がルナとフレアの主人で、姿に関して指定していなかったってだけなんだけどさ。
 あ、でも以前はもう少し、年齢高めの姿だったよ?
 20代前半の姿をしてたもん。


風の乙女シルヴェストルに指導されるようになってから、彼女と同じ年頃へと姿を変えて、そのままなんだよね)


 これはこれで可愛いから良いけどね。
 ああ、可愛いって言っても、今や私の方が小さいんだけどね。


『……?』

「いや……なんでもない」


 ま、ルナを凝視したまま、唸ってるヴィンセント兄さまはいいや。
 とりあえず私はお風呂に入れるらしい。

 魔導学院と同じ方式のお風呂っ!
 楽しみすぎる。


「ああ、このあとは寝るだけだから、お風呂、ゆっくりしておいで。明日は昼に帰宅の予定だよ」

「……朝じゃ、ないのですか?」


 どうにも昼!と指定されてしまうと、それまでに何かあるのかと、疑いたくなってしまう。
 最近ハプニング続きだからねっ!


「人員不足みたいでね、警備の手が足りないと、困るだろう?あと、今回の『監獄』の調書も作らなくちゃいけないからね。大人たちの都合で悪いんだけど、少しだけ、ゆっくりしようね」


 心配しなくて良いよ。と、ヴィンセント兄様は笑うとチラリとベッドの方、シュトレイユ王子とカイルザークの姿を確認してから、そっと囁く。


「シュトレイユ王子にも……せっかくだから、みんなと遊ぶ時間を作ってあげたいんだ。良いかな?」

「はいっ!」


 そういえば、シュトレイユ王子ってば、呪いのせいでほとんど寝たままだったんだよねぇ。
 課題の最後で本領発揮と言わんばかりに、魔法連発して、今度は魔力切れから…また寝てしまったのだけど。

 遊ぶ時間って言うけど、そんなに簡単に体力回復できるのかな?
 ……3歳児は無限体力だったわ、うん、呪いがほぼ消えたのなら余裕か!


(どこにそんな体力があるのか?ってくらい、元気なんだよね……)


 ふと前世での、息子や孫の育児を思い出して苦笑いが浮かんでしまった。
 まぁ元気なんだけど、体力使い切ったと思った瞬間、電源スイッチがオフになったかのように、パタリと寝てしまう。
 今もそんな状態なのかな?


「うん。セシリアは優しい子だね。じゃ、お風呂でゆっくりしておいで」


 ヴィンセント兄様は、ぽんぽんと私の頭を撫でると、ソファーに深く座り込んだ。
 気づけば、寝ている2人しかサロンにいなくなっていた。
 ヴィンセント兄様はお留守番なのかな?


(……そうや、ヘルハウンドも見当たらない。どこに行ったんだろう?)


 そう思った瞬間、眠っているシュトレイユ王子の懐から、ぴょこりと黒い耳が見えた。
 どうやら仔犬姿になって、一緒にベッドで寝ていたらしい。






 ******






 ヴィンセント兄様に見送られて、サロンから食堂を抜けて、奥の廊下を小走りになってお風呂へと進んでいく。
 後ろのルナとフレアの2人は、ちょっと早歩き程度か……このコンパスの差が悔しい……!


『そこの扉だよ』


 背後からの声で、ドアが開く。

 一気に視界が広がる感覚があって、手前には休憩用なのか、布張りのゆったりとできるタイプのソファーセットが置かれていて、そのさらに奥になると今度はガーデン用のテーブルセットがいくつか見えた。
 ガーデン用のテーブルセットの手前あたりから、床材が木材から石材に変わり、その奥にはそのまま大きな浴槽が広がっていた。

 あまりの広さに驚きつつも、身体を洗う場所はどこかな?ときょろきょろしていると、ルナがガーデン用のテーブルセットの上に、着替えを、そして、脱いだ服を入れるカゴを置く。

 どうやら、そこで脱いで……少し奥にある、シャワーへと移動するらしい。

 ダッシュで服を脱がせてもらって……いや、普通の服なら、自分で着脱はできるのよ?
 できるのだけど、この服、一応ドレスだからさ、後ろで編み上げレースアップになっていて、そこを解いてもらわないと、脱げないデザインになっていた。


(幼児の寸胴ぽよぽよボディに、編み上げなんて必要ない気がするんだけどなぁ)


 スタイルを強調すべきものも何もないし、ただ、着脱が面倒になるだけなのにね。
 ちょっと理不尽に思いつつも、シャワーを浴びて軽く身体を洗って……お風呂へっ!


『セシリア、お疲れさま』

「ルナもフレアも、お疲れさま!」


 昨日はお風呂抜きだったからね。
 お湯の温度もちょうど良い感じで、幸せすぎる。
 ルナとフレアは、そばにガーデン用の椅子を持ってくると、腰掛ける。


『明日は最後だから、朝ごはん、何かリクエストある?』


 ルナに最後、と言われてしまうとちょっと寂しいね。
 で、リクエストと言われて反射的に浮かんだのは……。


「長ネギをたくさん入れた…納豆ご飯が食べたい!」


 納豆でした。
 ここのところ微妙に和食が続いたので、存在するなら是非食べたい。
 前世の老後は特になんだけどね、納豆大好きだったんだ。
 子供たちが大きくなるくらいまでは、自作するくらい家族でもよく食べてたし。
 ……まぁ、老後になると、自作する方が高くついてしまう様な、おかしな物価になっていたけどね。


『……渋いな。納豆…は手に入るんだけど、ネギはどうかなぁ…今の季節のネギってとうが立ってる気がするんだよなぁ。アサツキでも良い?』


 そういえば春も後半だものね……ネギもネギ坊主おはなをつけちゃう時期ですよね。

 花芽がついてしまったり咲いてしまって、硬くなっちゃったりして美味しくなくなってしまう事を『とうが立つ』っていうんだけどね。

 春から初夏にかけて、スーパーに長ネギを買いに行くと、買ったばかりなのに、なんか、見た目はネギなのに、薬味として使おうと千切りにすると、年輪のような葉の重なりがほとんどなくて、断面がただの真っ白な、硬い茎みたいなのだけのネギってない?
 しかもなんか、かっさかさで美味しくないの……。

 その白いかさかさの部分が、花芽の茎なんだ……。


(ニンニクの花芽の茎なら、ニンニクの芽って言って、美味しく食べれるのにねぇ)


 長ネギの花芽の茎は、全く美味しくないです。
 この時期、ネギを買うときは、中で花芽が伸びちゃってるネギが結構な割合で混ざっているので、しっかり見極めて買わないといけないのですよ!

 ちなみにアサツキは…小ネギっぽい、ハーブのチャイブより少し太めかな?って感じのネギのようなものです。
 多分、仲間なんじゃないかな?

 長ネギと同じようにネギ坊主みたいな花を咲かせるし。
 長ネギは白いネギ坊主で、アサツキは長ネギより小さめでピンクのネギ坊主を咲かせるよ。

 そして、長ネギより苦くて辛い……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

処理中です...