私は「あなたのために」生まれてきたわけではありませんのよ?~転生魔法師の異世界見聞録~公爵令嬢は龍と謳う。

まゆみ。

文字の大きさ
377 / 455
はじまりはじまり。小さな冒険?

377、お祭りの後のような感じ。

しおりを挟む



 ああ、そうそう!

 今日の晩ご飯は『火の妖精がお手伝いをしてくれた!』って、ルナとフレアが言ってたでしょう?
 あれはどういう事かな?と思ったら、いろんなスープが冷めないようにしてくれてたのと、デザート!凄かったんだよ。

『今回は趣向を変える』って言っていた通りに、デザートを目の前で盛り付けてくれたんだけどね。

 その盛り付けの仕上げに『トッピング!』って楽しそうに火の妖精たちが笑うと、小さな角砂糖を抱くようにして小さな火の妖精たちが、デザートのお皿の周りをくるくると舞う。
 すると、デザートに飴がけがされていたり、カラメルソースがかけられていたり。

 ……私はプリンをもらったのだけど、表面にサクサクのお砂糖の膜でコーティングされてしまった。
 あれもカラメルっていうのかしら?
 焼きプリンっぽくしてもらえて、中はトロトロ、表面サクサクのとっても美味しいプリンにしてもらえたんだ。

 味もだけど、今回は見た目も楽しくて、それぞれにいっぱい食べてしまった。


「こんな楽しい食事が毎日続いたら……確実に太るわね」と、フィリー姉様。
 大人も楽しんでもらえてたみたいで、ちょっと嬉しい。


 火の妖精たちも、楽しそうにお手伝いをしてくれていた。
 そう『妖精』なのよね。

 精霊よりもさらに自由気ままな子たちだから、途中で飽きて悪戯に走るかと思いきや、最後までしっかりとお砂糖系のトッピングや、食事が冷めないようにと頑張ってくれていた。
 妖精たちでこの頑張りは、凄いことなんだよ。


(まぁ……後で聞いたら、お手伝いしてる最中も悪戯ほどではないけど、しっかりとお菓子やクッキーのつまみ食いをしてたらしいけどね)


 ちなみに手のひらサイズの可愛らしい妖精たちへの報酬は、それぞれの身体と同じ位の量の『角砂糖』だったらしい。
 ルナが可愛らしい金平糖を用意してたのだけど、お手伝いで使っていた角砂糖を気に入ってしまったのか、そちらをごっそりと持って行ってしまったと言っていた。

『予想外に安く済んじゃった』と笑っていたけど、それでよかったのかしらね?!






 ******






 さて、食事が終わると、大人たちが名残惜しそうに『避難所』を後にした。

 予想外だったのが、フィリー姉様。
 ものすごく不本意な顔のままに、母様に引きずられるようにして大人たちと共に『避難所』を後にした。

「滞在をあと2週間追加するわ!」とか、意気込んでいたのにね。
 フィリー姉様のお屋敷まで、反乱の報の詳細が届いたのだろうね、家令が迎えにくるはずだと言っていたのが、着の身着のままといった状態の当主が迎えにきてしまったのだという。

 当主……つまり、フィリー姉様の旦那様。
 セシリアわたしの義理のお兄様にあたる人だ。
 どんな人なんだろうね?きっと優しい人なんだろうなぁ。

 ヴィンセント兄様たちに夫婦仲を心配されてたけど、全然仲が良いじゃないですかっ!って、ちょっと思ったり。
 幸せそうで安心してみたり。

 不本意なフィリー姉様とは対照的に、急にいきいきとし始めるセグシュ兄様。
 護衛対象の尻に敷かれてた騎士ってどうなのよ……。


「あ…しまったなぁ。すまん、セシリア」


 少し遠い目になりつつ、ご機嫌なセグシュ兄様を眺めていると、ヴィンセント兄様に謝られてしまった。
 なんだか、すごく申し訳なさそうな顔をしてるんだけど、特に心当たりがない。
 ……ん?何かあったっけ?


「フィーや母さんがいるうちに連れて行ってもらうべきだったなぁ…どうしようか、風呂。一人じゃ難しいよなぁ」

「風呂…あ……」


 言われてみれば、女の子って私だけじゃん。
 でも、幼児一人だけでお風呂は……危ないよなぁ。

 ていうか幼児なんだから、一緒に……って、私がダメだった!!

 セシリアわたしに前世の記憶がなければ…気にしなかったんだけど。
 でも、あれか、家族だけじゃないしなぁ。
 やっぱダメか。

 こっちの子って発達早いもんなぁ。
 私が良かったとしても、エルネストやレオンハルト王子が盛大に恥ずかしがって、逃げるよね!

 ……でも、お風呂入りたいなぁ。
避難所ここ』のお風呂、入ってないんだよね。
 後日、絶対に入りに行くぞ!と考えていたほどに、魅力的なお風呂なのだけど。
 またもやタイミングを逃すとか、泣いてしまう。


『それでしたら、僕たちが危なくないようにみときますよ~』


 食事の後片付けをしに、食堂からカートを押しながら現れたルナが『主人マスターの世話は基本業務です!』と、悪戯っぽく笑って見せる。


「そういえばそうか、セシリアの精霊だもんな。頼めるかい?」

『もちろんです』


 精霊使いは、身の回りの世話を精霊に任せることが多いんだ。
 魔導学院でむかしはそれが当たり前だったんだけど、今は……精霊使い自体が珍しくなってしまっているようで、そういう『当たり前』も『常識』ではなくなりつつあるようだった。


「……ハンス先生の風の乙女シルヴェストルに頼んだ方がいいのかな?女の子だし」

『あ……いや、そっちの方がアウトかと』


 ルナが困惑気味に返答するのだけど、ヴィンセント兄様には、何故ダメなのかが理解できないようで、きょとんとしている。
 私も必死に「無理無理!」と、首をぶんぶん振ってたわけですが……。


「いや、一応、女の子同士だから……」

『同性以前に……契約主…ハンス様と視界共有ができますよ?』

「ああ、それはアウトだっ!ごめんごめん!」


 思いっきりアウトです。
 ルークがそういうことをする人ではないと思いたいけど、それでも覗き放題になっちゃうものねぇ?

 ごめん。と言いつつ笑っているヴィンセント兄様……。


(まぁ幼児ですからね…ぽよぽよお腹なので、見られて困るような状況でもないけどさ…でも気持ち的にイヤよね?!)


 そもそも精霊に性別はない事を、ヴィンセント兄様に説明していくフレア。
 相性が良ければ、視覚・聴覚の共有もできるし、ある意味主人マスターの別人格のような存在になることができる。

「と、いう事は……」と、ルナを見て…一言。


「ルナも女の子の姿になれるのか?」

『なれますよ?……しないだけです。生まれてこの方、ずっと男性型なので、慣れてる姿の方が楽なんですよ』


 何故か唸り始めるヴィンセント兄様。
 何考えてるんだろう……。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...