私は「あなたのために」生まれてきたわけではありませんのよ?~転生魔法師の異世界見聞録~公爵令嬢は龍と謳う。

まゆみ。

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はじまりはじまり。小さな冒険?

377、お祭りの後のような感じ。

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 ああ、そうそう!

 今日の晩ご飯は『火の妖精がお手伝いをしてくれた!』って、ルナとフレアが言ってたでしょう?
 あれはどういう事かな?と思ったら、いろんなスープが冷めないようにしてくれてたのと、デザート!凄かったんだよ。

『今回は趣向を変える』って言っていた通りに、デザートを目の前で盛り付けてくれたんだけどね。

 その盛り付けの仕上げに『トッピング!』って楽しそうに火の妖精たちが笑うと、小さな角砂糖を抱くようにして小さな火の妖精たちが、デザートのお皿の周りをくるくると舞う。
 すると、デザートに飴がけがされていたり、カラメルソースがかけられていたり。

 ……私はプリンをもらったのだけど、表面にサクサクのお砂糖の膜でコーティングされてしまった。
 あれもカラメルっていうのかしら?
 焼きプリンっぽくしてもらえて、中はトロトロ、表面サクサクのとっても美味しいプリンにしてもらえたんだ。

 味もだけど、今回は見た目も楽しくて、それぞれにいっぱい食べてしまった。


「こんな楽しい食事が毎日続いたら……確実に太るわね」と、フィリー姉様。
 大人も楽しんでもらえてたみたいで、ちょっと嬉しい。


 火の妖精たちも、楽しそうにお手伝いをしてくれていた。
 そう『妖精』なのよね。

 精霊よりもさらに自由気ままな子たちだから、途中で飽きて悪戯に走るかと思いきや、最後までしっかりとお砂糖系のトッピングや、食事が冷めないようにと頑張ってくれていた。
 妖精たちでこの頑張りは、凄いことなんだよ。


(まぁ……後で聞いたら、お手伝いしてる最中も悪戯ほどではないけど、しっかりとお菓子やクッキーのつまみ食いをしてたらしいけどね)


 ちなみに手のひらサイズの可愛らしい妖精たちへの報酬は、それぞれの身体と同じ位の量の『角砂糖』だったらしい。
 ルナが可愛らしい金平糖を用意してたのだけど、お手伝いで使っていた角砂糖を気に入ってしまったのか、そちらをごっそりと持って行ってしまったと言っていた。

『予想外に安く済んじゃった』と笑っていたけど、それでよかったのかしらね?!






 ******






 さて、食事が終わると、大人たちが名残惜しそうに『避難所』を後にした。

 予想外だったのが、フィリー姉様。
 ものすごく不本意な顔のままに、母様に引きずられるようにして大人たちと共に『避難所』を後にした。

「滞在をあと2週間追加するわ!」とか、意気込んでいたのにね。
 フィリー姉様のお屋敷まで、反乱の報の詳細が届いたのだろうね、家令が迎えにくるはずだと言っていたのが、着の身着のままといった状態の当主が迎えにきてしまったのだという。

 当主……つまり、フィリー姉様の旦那様。
 セシリアわたしの義理のお兄様にあたる人だ。
 どんな人なんだろうね?きっと優しい人なんだろうなぁ。

 ヴィンセント兄様たちに夫婦仲を心配されてたけど、全然仲が良いじゃないですかっ!って、ちょっと思ったり。
 幸せそうで安心してみたり。

 不本意なフィリー姉様とは対照的に、急にいきいきとし始めるセグシュ兄様。
 護衛対象の尻に敷かれてた騎士ってどうなのよ……。


「あ…しまったなぁ。すまん、セシリア」


 少し遠い目になりつつ、ご機嫌なセグシュ兄様を眺めていると、ヴィンセント兄様に謝られてしまった。
 なんだか、すごく申し訳なさそうな顔をしてるんだけど、特に心当たりがない。
 ……ん?何かあったっけ?


「フィーや母さんがいるうちに連れて行ってもらうべきだったなぁ…どうしようか、風呂。一人じゃ難しいよなぁ」

「風呂…あ……」


 言われてみれば、女の子って私だけじゃん。
 でも、幼児一人だけでお風呂は……危ないよなぁ。

 ていうか幼児なんだから、一緒に……って、私がダメだった!!

 セシリアわたしに前世の記憶がなければ…気にしなかったんだけど。
 でも、あれか、家族だけじゃないしなぁ。
 やっぱダメか。

 こっちの子って発達早いもんなぁ。
 私が良かったとしても、エルネストやレオンハルト王子が盛大に恥ずかしがって、逃げるよね!

 ……でも、お風呂入りたいなぁ。
避難所ここ』のお風呂、入ってないんだよね。
 後日、絶対に入りに行くぞ!と考えていたほどに、魅力的なお風呂なのだけど。
 またもやタイミングを逃すとか、泣いてしまう。


『それでしたら、僕たちが危なくないようにみときますよ~』


 食事の後片付けをしに、食堂からカートを押しながら現れたルナが『主人マスターの世話は基本業務です!』と、悪戯っぽく笑って見せる。


「そういえばそうか、セシリアの精霊だもんな。頼めるかい?」

『もちろんです』


 精霊使いは、身の回りの世話を精霊に任せることが多いんだ。
 魔導学院でむかしはそれが当たり前だったんだけど、今は……精霊使い自体が珍しくなってしまっているようで、そういう『当たり前』も『常識』ではなくなりつつあるようだった。


「……ハンス先生の風の乙女シルヴェストルに頼んだ方がいいのかな?女の子だし」

『あ……いや、そっちの方がアウトかと』


 ルナが困惑気味に返答するのだけど、ヴィンセント兄様には、何故ダメなのかが理解できないようで、きょとんとしている。
 私も必死に「無理無理!」と、首をぶんぶん振ってたわけですが……。


「いや、一応、女の子同士だから……」

『同性以前に……契約主…ハンス様と視界共有ができますよ?』

「ああ、それはアウトだっ!ごめんごめん!」


 思いっきりアウトです。
 ルークがそういうことをする人ではないと思いたいけど、それでも覗き放題になっちゃうものねぇ?

 ごめん。と言いつつ笑っているヴィンセント兄様……。


(まぁ幼児ですからね…ぽよぽよお腹なので、見られて困るような状況でもないけどさ…でも気持ち的にイヤよね?!)


 そもそも精霊に性別はない事を、ヴィンセント兄様に説明していくフレア。
 相性が良ければ、視覚・聴覚の共有もできるし、ある意味主人マスターの別人格のような存在になることができる。

「と、いう事は……」と、ルナを見て…一言。


「ルナも女の子の姿になれるのか?」

『なれますよ?……しないだけです。生まれてこの方、ずっと男性型なので、慣れてる姿の方が楽なんですよ』


 何故か唸り始めるヴィンセント兄様。
 何考えてるんだろう……。

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