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はじまりはじまり。小さな冒険?
429、ちょっとした温泉気分。
しおりを挟む(まぁいいや。良い加減、風呂入ろう……)
ガーデンテーブルのソファーに着替えを置いて、近くにあった籠に脱いだ服を入れようと手を伸ばして…微妙な違和感に気づく。
あれ?リーチが長い。
んんん…?!
手が……少し大きい?
嫌な予感がして、そのまま風呂に近づいて、水面に映る自分を確認して、発狂した。
また成長してるっ!!!
「フレアあああああっーーーっ!」
とりあえず叫んでみたけど、案の定というか、反応はなく。
うん、犯人はフレアで確定だねっ!
どうしてくれよう……。
とりあえず現状の確認しなければと、ひとまずキツくなっているドレスのリボンを解いていく。
ドレスを破くほどの成長ではなかった…のかな?
物凄くきついけど、あと、スカート丈が酷い事になってるけど…。
ちなみに胸は、まな板だった!
(いや、驚くべきはそこじゃない、そこじゃない……)
うーん…体格といい、年齢的には10歳前後かな?
今回の体格だと、ユージアより身長は低いと思う。
シュトレイユ王子の5歳相当の姿をしている、ゼンナーシュタットよりは、ずっと背が高い。
なんか、思いっきり小学生高学年って感じだ。
(まぁ……1人でお風呂を満喫するには、ちょうど良いって事にしとこう)
この身長なら、湯船の奥にある飲料コーナーまで、歩いて行けそうだし。
ついでだし、温泉探検してしまおう。
……それにしてもこの魔法、ルナの次はフレアにかけられるとか…うーん。
(ここ最近フレアが少し、というか、妙に突っかかるんだけど、気のせいかなぁ)
まぁ、いつもの気まぐれか、何かあったのか。
なんにせよ…まずは相談でしょう?
いきなり成長魔法はダメだよ。
直して行けっ!!!
……あ、でも、お風呂終わってからね。
よくよく考えたら、今は王子たち以外は基本的に家族?だけだし、せっかくだから温泉を満喫する事にした。
今は、差し迫った危険等は…まぁ、あってたまるかって話だけど、無いもんね。
『監獄』みたいなダンジョンに行く予定もないし!
……ゆっくりしよう。
******
『温泉なんて、年寄りになってから楽しむもんだ!』
……そんな感じに前世の友人は言っていたけど、若いうちから楽しむことを知ってしまえるのって、とても幸せな事なのよ?
何よりダイエットにも最適だしね!
(ああ、銭湯でもいいんだけどさ、それこそ温泉卵のように、ゆっくりじっくりと身体を温めるのがポイントね!)
ゆで卵のように、サウナでガッツリ温めて、水風呂にどぼん!と…いっちゃう人が結構いるけど、あれは……私には、身体の負担が大きすぎて無理でした。
水風呂に飛び込むくらいに、サウナからの水風呂は、気持ちよさそうではあるのだけどね。
汗をガンガンかくから、血の巡りや代謝が良くなるとか、汗で毛穴の汚れも流されて、お肌が綺麗になるとか、友人にも勧められたけど。
(私はむしろ、汗をかく前に倒れちゃったし)
……どうやら私には、向かないらしいことだけはしっかりと理解できた。
ただ、この方法、友人にはダイエットに効果があるみたいで。
友人はダイエット目的で温泉旅行を選んでは、こんな感じで頑張っていた。
ある意味、修行か何かのようでした。
(そもそも私の場合は、ダイエット自体に興味がなかったから…だって太ってなかったし!……痩せてもいなかったけど)
まぁ、友人も太ってはいなかったのだけど、理想の体型があるようで、その体型目指して頑張っていた。
友人である彼女とは、当時のお互いの仕事上、まとまったお休みしか取れなかったので、その期間をどうにか合わせて、実現させた。
連続勤務が基本の職場だったから、お休みも必然的に、まとまっちゃうんだ。
一般的には、湯治という名の温泉旅行。
旅館滞在中は、友人はひたすら温泉に籠り、私は温泉宿の敷地内の庭にある、趣のある東屋で昼過ぎまで過ごすのが日課になってしまっていた。
この東家はね、石で作られたテーブルセットがあるのだけど、その真ん中が、大きく窪んでいて、源泉なのかな?噴水のようにちょろちょろと温泉の湯が常に注がれていて、卵の入ったネットが沈められていた。
(思いっきり温玉です。これ、美味しいんだよ!)
小さな貯金箱と、塩が置かれていて『よろしければどうぞ』と一筆。
自家製の『温玉用のお醤油』なるものも置かれていて、おやつとしての誘惑が凄かった記憶がある。
ちなみにその湯が、一定の高さまでになると、横穴からこぼれていって、足元へ注がれていく……そう、ここの東屋って『足湯』なのですよ…!
温泉旅行に行くのは基本的に冬だったので、最初はコートを着て、寒くないようにもこもこになって、足湯に浸かる。
ぼんやりと視界に紛れ込んでくる、雪の舞を楽しみながらの読書なのだけどね。
30分もすると、ぬるめの足湯のはずなのに、コートの中身は汗だくになってしまう。
(本に夢中になってると、気づけば汗だく…って事もよくあったのよねぇ)
食事もしっかりいただいて、当初の目的も果たして。
最終日に温泉の脱衣所内の体重計に乗って、一喜一憂する友人。
何故か、足湯で読書の私まで、体重が減っているという不思議。
不思議ついでに、いつも眠りが浅かった私が、この旅行だとぐっすり眠れる。
まさに湯治と言ったところだ。
それもあって、毎度友人のダイエット旅行に付き合ってたんだけどね。
懐かしいなぁ。
(前世の……独身の時の記憶だね、これは)
20歳くらいかな?確か、30歳手前くらいまで、毎年行ってた気がする。
友人の結婚が決まって、嫁ぎ先がとても遠いところで……その後は年賀状だけのおつきあいになってしまった。
『子育てがひと段落したら』『老後になって時間をたっぷりつかって』
──また一緒に、温泉に行きたいね。
そう、話しているうちに……会えなくなってしまった。
コミュニケーション能力が皆無の私に、珍しくできた友人だった。
いや、他にも友人は…いる事にはいたんだよ?
ただ、一緒にいて、どうしても疲れるんだよね……。
(だから『その友達は親友か?』と問われたら、イエスと言えるのは、この子くらいだった)
……まぁ、彼女から見た私は、どうなのか知らないけどね。
『友達だ』と言ってもらえたら良いな、とは思う。
突然、懐かしい友人に会えたような嬉しい気持ちと、もう会えないんだ。と、彼女の声や雰囲気を思い出しては、胸が痛く、寂しくなりながら、ぼんやりと湯船に浸かる。
(やっぱり、思い出す過去って、シシリーの時のことか、前世での事だけなんだよなぁ……その間に、何度も転生してるはずなのに。ほとんど思い出さない…思い出せない?どっちだろう)
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