田舎者の王立学院生活 ~魔眼【透視】持ちでも逃げない女の子はいませんか?~

花咲一樹

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透視19 体育の授業は熱かったってお話

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 週が明けた初日は選挙投票日だ。投票用紙には二名迄を記入出来、投票数の多い順に生徒会長、副会長、書記二名、会計二名と選ばれて行く。
 投票は一限目に割り当てられ、即日開票で午後の授業が終わる頃には当選結果が張り出される。今日は誰も彼もがソワソワしていた。

 そんな中で行われた四組との合同体育の授業。男子は球闘でグランド、女子は球籠で体育館に分かれて行われる。

 球闘は二つのチームに分かれてボールを足で蹴り、手で投げて、相手チームのゴールにボールを入れるスポーツだった。蹴る分には自由だが、手でボールを持った場合は五歩以内にパスかシュートをしなければならない。相手を掴んだり、ど突いたりするのは禁止。因みに体育なのでギフトの使用も禁止だ。

 ギフトは使えなくともローランドは足が速かった。襲歩のギフトの恩恵で脚力が向上している。右サイドウイングのポジションで大活躍だ!

 相手四組にも足が矢鱈と速い奴がいて、しかも玉捌きも上手い!コイツを核にしていいようにやられ、残り時間10分で2点差で負けていた。

「ありゃ~、うちの男子、負けてるじゃん」

 レベッカさんの声が聞こえ、見てみると女子達がグランド脇に男子の観戦に来ていた。
向こうは早く終わったようだ。

「ウオーーーイ、アベル~!こっちにもパス出せ~~~!」

 今さっき迄ダラダラしていたリックが矢鱈とやる気を出し始めた……。現金な奴だな……。

 俺は相手チームからボールを奪うとオレオレアピールで囲まれてしまったリックではなく、右サイドの深い場所にボールを蹴る。
 快足のローランドがナイスキャッチして中央に刈り込んでシュート。あと1点で同点だ。
 
 ローランドのシュートで女の子達がキャーキャー言っている。リックのオレオレアピールが更に激しくなった。

「リックー!もっと動けぇ!」

 そうこうしている間に相手チームが攻めてくる。ギフトやスキルが使え無くても、見切りや未来視の恩恵で“予測”が向上している。相手チームのパスコースを読み、パスをカットする。

「仕方ねえなあ」

 敵陣で手を振るリック。高めのボールをゴール前に蹴り、リック対相手チーム二人での空中戦を求めた。フィジカルの強いリックが当たり負けする事無くボールをキャッチ。更に空中から「おりゃあああああ!」とリックの気合いがこもったスカイシュート。ボールはキーパーの手の下を潜り抜け、ワンバウンドしてゴールに入った。これで同点だ!

 キャーキャーと喜ぶ女性陣にリックは手を振っているが、相手はクイックスタートでプレーは再開している。

 不意を突かれた中盤はあっと言う間に抜かれてしまう。時間の無い状況だけに相手チームもエースプレーヤーに球を預ける。

「マルセル詰めろ!」

 マルセルが走り、俺も後に続いた。ローランドがそうで有るように襲歩持ちは目が良い。アイツはマルセルの後ろにいる俺も見えている筈だ。
 マルセルを抜いて、俺も抜けるコース取りを演出する。マルセルを容易く抜き、誘い込まれるように俺の右側に入って来た所でボールをスチール。

 ボールを奪い前方を見るがリックには二人、ローランドには三人とマークが付いている。他のパスコースも厳しそうだな。

「行くか」

 俺はドリブルで中央を走る。相手チームもパスが無いと分かり俺に詰めてくる。一人抜き、二人目も抜いた。
 リックとローランドのマークに付いていたディフェンダーも俺に詰め寄る。さて、パスコースは出来たが……。

 ここ迄来たんだ。パスは無いよな。俺はキーパーが飛び出したくなる位置にちょこんとボールを蹴り上げる。リックに付いていたディフェンダー一人ひとりも届きそうな位置だ。

 当てたもん勝ちのラストプレー!

「「「うおおおおおッ!」」」

 俺、キーパー、ディフェンダーの三つ巴の空中戦。三人が青い空を飛ぶボールに手を伸ばす!

 先に届いたのはキーパーだった。パンチングでボールを弾く。しかし僅かな時間差で頂点に達した俺の手が更にボールを弾き返し、ボールは無人のゴールへと入っていった。

 ここでゲーム終了のホイッスルが鳴った。イヤ~危なかったな。

 ゴールした俺の所にリックとローランドがやって来た。

「最後は俺にパスしろよな!」

 リックが俺の首に腕を回して肩を寄せる。

「いや、俺は良い判断だったと思うぞ」

 大活躍していたローランドは俺を褒めてくれた。アハハ、ゴールを決めると楽しいな!

 見ればミアさんも女子達に交じってキャッキャワイワイ喜んでいた。

 俺達三人が女子達に手を振ると更にキャッキャ、キャピキャピと女子達が盛り上がってくれた。


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