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第一章
第26話 告白
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「はぁ? って事は……」
「最後に第5フィアンセは私メイアでございます」
シ~~~~~ン。
「うぉ~まじで!」「ついに氷が溶けるのか!」「此れで表参道を彼女と歩ける!」「明日、彼氏と結婚しようかしら!」「ライト様、メイア様を宜しくお願いします~!」「ばんざーい!」「ばんざーい!」
「「「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!」」」
な、何が起きてるの? 今日一番の盛り上がりを見せていますが……(汗)。
でも良かった。みんなが姫川さんの心を救ってくれた。俺の心を救ってくれた。
「……みんな、ありがとう」
俺は瞳を潤しながらアルフィーナ王女、ルミナ様、セシリちゃんにお礼を言った。そして澄まし顔のメイアさんにお辞儀をした。
(ありがとうメイアさん)
就任式は終わり場所を大講堂に移し就任パーティーとなった。
俺、アルフィーナ王女、姫川さん、ルミナ様、セシリちゃんで立食用のテーブルを囲っていた。メイアさんの姿が見えない?
「姫川さん……」
「光斗君……」
「良かった。本当に良かった」
「うん!皆さんがとても親切にしてくれて」
「いやいやサツキ殿の恋話は心打たれたぞ!」
「素晴らしい恋ですわ!」
「あっ、いえ、そんな……」
「でも昨夜はビックリしたよ。本当に夢だと思ったよ」
「わ、私も夢だと思ってた。じゃなければあんな……あっ(赤面)」
姫川さんは急に顔を耳まで真っ赤にして俯き出した。
突然サツキサンが解説を始めた。
「姫川様は昨夜ライト様のベッドに転移して来た後に寝惚けてライト様にキスしてしまった事を思い出した様です」
サツキサン、心読むのやめてあげて~(汗)
「でも本当にビックリしたよ。騒ぎを聞き付けてメイアさんは飛び込んで来るし……あっ(赤面)」
俺は有ることを思い出し赤面した。
「ライト様は飛び込んで来たメイア様が透け透けのパジャマの下に何も着衣していなかったのを思い出した様です」
だから心読むのやめて~(涙)
「さ、サツキ様は、ら、ライト様とき、キスしたのですか?」
「ゆ、夢だと思っていましたので…。わ、私のファーストキスです…(ブシュ~)」
アルフィーナ王女も赤い顔をして俺をぼんやり見ているよ?
物欲しそうに見ないで下さい~(汗)
「ねぇねぇ、ライトお兄ちゃんは裸パジャマが好きなの?」
「そりゃ~嫌いじゃないよって何言わせるのセシリちゃん!(汗)」
「なんと!我も寝る時はすっぱだムニュナャニュウ~」
みんなで慌ててルミナ様の口に手を当てた(汗)
「そ、そう言えば、姫川さんに聞きたい事があったんだ」
俺は話題の流れを変えた。
「姫川さん。ちょっといい?」
俺は人がいない隅っこに姫川さんを誘った。
◆
「姫川さんはテレポーターなの?」
「てれぽ歌?」
「いや歌じゃなくて(汗)。エンティオの町からお城迄テレポートしたんだよね?」
「?」
姫川さんは首を傾げ
「不思議なの。目が覚めたら光斗君の部屋にいたみたい?」
「そ、そう?テレポートして来たみたいだよ?」
「私が?」
「イエス、姫川様。姫川様はテレポートのスキルで昨夜ライト様の寝所に転移して来ました。姫川様のステータスを確認しますか?」
「ステータスが見れるの?」
俺がサツキサンに確認する。初耳なんですが……(苦笑)。
「如何しますか、マスター?」
「じゃあステータス表示してみて」
「あの~」
姫川さんがそっと手を上げた。
「さっきからタブレットで誰かと電話してるみたいだけど何方?」(女の人だし!)
「えっ? あぁ、サツキサンの事か」
「はい?」
「イエス、マスター」
「姫川さん、此方がサツキサンです」
俺はサツキサンを胸の前に持ち紹介した。
「はい?」
「改めまして姫川様。私がサツキサンです」
「はい?」
「えっと、此方がタブレットのサツキサンです」
「改めまして彩月さん。私がタブレットのサツキサンです」
「えっ?タブレット?彩月さん?名前が彩月なの?」
「いいえ。彩月ではなくサツキサンです」
「プッ。サツキサンが名前なんだ」
「イエス、彩月さん」
「光斗君、何でサツキサンって名前なの?」
姫川さんが楽しそうな笑顔で俺に聞いてきた。ヤバい!
「えっ、いや、咄嗟の事だったので」
「何?何?(ニコ)」
姫川さんが俺に顔を近づけてくる。
「あの、えっと、」
「うん。何?何?(ニコニコ)」
笑顔の姫川さんが更に顔を寄せてくる。姫川さん!顔近いよ!近い!
俺はサツキサンとの出会いを姫川さんに話した。
「アハハ! 何それ(笑)」
「イエス、彩月さん。私とマスターは永遠の愛を誓いキスをしたのです」
「へ~。サツキサンとキスしたんだ~」
「イエス、彩月さん。マスターのファーストキスです」
「へ~。ファーストキスはサツキサンなんだ~」
う~。その笑みジト目で此方を見ないで~(涙)
「い、いや、俺のファーストキスは彩月さんで……」
「イエス、マスター」
「あっ、いやサツキサンではなく彩月さんで……」
彩月さんは赤い顔で
「ファーストキスは私なの?」
「は、はい!」
いいよね?ルミナ様のは事故的な接触だったし?
「いえ、彩月さん。彩月さんではなく、サツキサンです」
サツキサンが妙な突っ込みを入れる。ヤバい、『さつきさん』パニックだよ?
「(クスッ) ねぇ、光斗君。『さつきさん』が二人いるとやややこしいよね?(笑)」
「は、はい。スミマセン」
「私の事は彩月って呼んでよ(ニコ)」
「ひ、姫川さんでは?」
「だ~め!(ニコ)」
「さ、彩月…様?」
「ダメ!」
「さ、彩月…ちゃん?」
「だ~~め!さ・つ・き!」
「さ・つ・き」
「うん。絶対、彩月って呼んでよ光斗君(微笑み)」
あう~(涙) なんかどっと疲れたよ?
「ではマスター。彩月様のステータスを表示します」
画面に彩月……さんの写真と脇にステータスが表示された。
姫川彩月
【人族】【女性】【17歳】【身長156cm,体重44kg,B85,W56,H84】と有り、続いてパラメーター【STR,VIT,DEX,INT,AGI,CHA】が有り、最後に【スキル:テレポート、シンクロハーモライズ】となっていた。
ガバッ!!!
彩月……さんが俺の腕からサツキサンを奪い取り赤い顔をしている?
「ダメです!ダメ、ダメ!(赤面)」
「で、でもステータス確認を……」
「ダメ!見ちゃダメ~!サツキサン!体重とスリーサイズは見せちゃダメです~!(赤面)」
あう(汗) 確か……
「体重44、バスト85?」
「キャー!イヤ~!バカ!バカ!バカ~!(超赤面)」
体重とスリーサイズは非表示設定になりステータスを確認する……。
「スキルはテレポートとシンクロハーモライズ?サツキサン、シンクロハーモライズって何?」
「この世界の文献では検索出来ません」
「俺にも有るの?」
「イエス、マスター」
「俺達のオリジナルスキルか?」
「文脈的には共鳴系スキルと思われます」
「まぁ、このスキルは後で考えよう……」
「私、テレポート出来るんだ……。良かった!良かったよ!だって光斗君に会えたんだもん!」
「そうだね(笑) クラスのみんなは、さ、彩月……がこっちに来た事は知ってるの?」
「あ~~~忘れてた(汗)」
俺はスマホを貸してあげると彩月……さんは会場の外へ歩いて行った。俺はメイアさんを探したが見当たらない?
ふとカーシャさんと目が合う。カーシャさんは頷くと彩月……さんの後を追って外に出て行った。お城の中だけど一応警護はね。でもメイアさんは何処に行ったんだろう(汗)?
◆
俺はみんなと別れ会場を挨拶して回った。
「テレシアさん。来てくれたんですね」
「其れは来ますよ。ガルバーニさんもいるんだし~(ポッ)。それにライト君がいきなり男爵になってるんだもん。興味津々よ」
「アハハハ」
「テレシア~。ライト君じゃあないだろ~」
「あっ!ライト様でした」
ガルバーニさんに突っ込みを入れられていた。
「あっ、全然気にしないので」
「そうはいなかい。王女様と結婚したらライトは公爵様だ。其れを『ライトくぅ~ん』なんて言ったら首が飛んじまう」
「そ、そうよね。未来の公爵様ですもんね。其れでライト様は何がどうなってこうなったの?」
「え~と。子猫探したらこうなりました(笑)」
「アハ。そうよね。子猫探しをたった1日でやっちゃうんだからこうなるわよね(笑)」
「そうは言ってもテレシア。ライトはざっと見繕っても2、3万人の命を救っている。凄ぇ男だよ!」
「いやいや、たまたまですよ」
「たまたまは2回続かないってもんだ。お前の実力だよ」
そうこうしていると裏メイド隊の女の子達が俺を捕まえにやって来た。
「ガルバーニさん。ライト様は借りて行きま~す」
俺は更に待ち構えていた裏メイド隊の輪に連れ込まれ、あれやこれやと質問攻めにあった。彩月……が会場に戻って来たのが見えたので其の輪から脱出した。
◆
「怒られちゃった(汗)」
「だろうね(汗)」
「でも茜音ちゃんも葵ちゃんも、私が結婚するって言ったら喜んでくれたよ」
「そっか、良かったよ。問題は俺だな……」
「えっ、何か問題が有るの?」
彩月……は心配そうな顔になった。俺は頭をポリポリかいた。
絶妙なタイミングでメイアさんが現れた。
「皆様にお伝えしたい件がございます」
「メイアさん、何処に行ってたの?」
「国王様に謁見して参りました」
国王様にぃ~、うわ~嫌な予感~(汗)。
「俺もみんなに話したい事が有るんだ。メイアさん。みんなに後で俺の部屋に集まるようお願いします」
「分かりました。お取り計らい致します。私からのご案内も其の時とさせて頂きます」
こうして無事に俺の就任パーティーは終了した。
◆
パーティー後にアルフィーナ王女、ルミナ様、彩月、セシリちゃん、メイアさんに俺の部屋に集まってもらった。
「俺からみんなに2つ伝えないといけない事が有るんだ」
みんな真剣な眼差しで俺のを見ている。
「まず1つは俺や彩月の事。俺達は此の世界の人間じゃないんだ。違う世界から此方の世界にやって来た」
「「「…………?」」」
「成る程」
メイアさんが口を開く。
「私どもナイトウイングスを持ってしてもライト様の素性は分かりませんでした。そしてライト様のお言葉に出てきた『世界の終焉』とは、ライト様がいた世界という事なのですね」
「うん。俺達のいた世界は、世界規模の戦争で滅んでしまったと思う。俺や彩月、他の友達は何らかの力で此の世界に飛ばされて来たんだ」
「其でライト様は私達に何を伝えたいのですか?」
メイアさんが俺の気持ちを察してくれた。
「俺でいいのかな?身元も分からない俺が、みんなと結婚してもいいのかなって」
「ライトはバカじゃの~。そんな事は関係ないぞ」
「そうです。私はライト様が好きだから結婚したいのです」
「そうだよ~。ライトお兄ちゃんはライトお兄ちゃんだし、サツキお姉ちゃんはサツキお姉ちゃんだよ」
「……みんな……、ありがとう!」
「其では2つ目のお話とは?」
「は、恥ずかしながら俺って彼女いない歴17年なんだよね~(汗)」
「? 私はいない歴18年ですが何か?」
「私もいない歴17年……」
メイアさんと彩月が暴露すると
「あたし10年~」
「11年じゃのう」
「……17年です」
みんなも暴露したよ?
あれ? みんないない歴=年齢?
「えっ、みんなもそうなの?」
「そうみたいですが何か?」
「うっ。ほ、ほら、普通は女の子に告白して、付き合って、プロポーズして、結婚とかじゃない?」
「そういう流れもございますね」
「俺って何1つやって無くて、こんなに綺麗で可愛い女の子とけ、結婚って話しになってて………」
みんな俺の方を真剣な目で見ていてくれた。
「だ、だから……」
俺はみんなの方に右手を差し出す。
「だから、俺はみんなの事が大好きです。付き合って下さい。そして結婚して下さい!」
俺は人生初の告白とプロポーズをした。俺の手に10個の手が重なる。
「「「はい! 喜んで!」」」
5人の笑顔はとても素敵だった。俺はこんな素敵な女の子達と結婚出来るんだ……(涙)。
「では私の方からお話があります」
「まずライト様のお住まいですが」
「えっ、ノワールの塔じゃ?」
「いいえ。此処はあくまでも職場です。国王様にお願いし王城内の東にある陽煌宮をライト様のお住まいとさせて貰いました」
「また引っ越し?」
「大丈夫です。ライト様の荷物はほとんどありませんので」
「……そうでした」
「サツキ様、セシリ様も同宮にてお住みになりますが宜しいでしょうか?」
「やった~!」
「嬉しいです~」
「「ぶ~~!」」
アルフィーナ王女とルミナ様がブーイングとなった。
「我も一緒に住みたいのじゃ~!」
「わ、私も……ご一緒が……」
「7日後にご婚約披露パーティーがございますので其までは私では分かりかねます」
「分かりました!お父様に相談します!」
「我も父殿に相談するのじゃ!」
アルフィーナ王女とルミナ様は拳を作りやる気に満ちていたよ?
「あの~、またパーティーが有るの?」
「はい。ご婚約披露パーティーには国内の領主様方もご出席になられますので本日よりも盛大なパーティーになります」
「はぁ~。パーティー疲れしそうだよ」
「最後に1つ。ライト様に与えられる領地の件ですが……」
俺に与えられる領地の事で、新たな事件が発生していた事を今の俺達は知らなかった……。
「最後に第5フィアンセは私メイアでございます」
シ~~~~~ン。
「うぉ~まじで!」「ついに氷が溶けるのか!」「此れで表参道を彼女と歩ける!」「明日、彼氏と結婚しようかしら!」「ライト様、メイア様を宜しくお願いします~!」「ばんざーい!」「ばんざーい!」
「「「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!」」」
な、何が起きてるの? 今日一番の盛り上がりを見せていますが……(汗)。
でも良かった。みんなが姫川さんの心を救ってくれた。俺の心を救ってくれた。
「……みんな、ありがとう」
俺は瞳を潤しながらアルフィーナ王女、ルミナ様、セシリちゃんにお礼を言った。そして澄まし顔のメイアさんにお辞儀をした。
(ありがとうメイアさん)
就任式は終わり場所を大講堂に移し就任パーティーとなった。
俺、アルフィーナ王女、姫川さん、ルミナ様、セシリちゃんで立食用のテーブルを囲っていた。メイアさんの姿が見えない?
「姫川さん……」
「光斗君……」
「良かった。本当に良かった」
「うん!皆さんがとても親切にしてくれて」
「いやいやサツキ殿の恋話は心打たれたぞ!」
「素晴らしい恋ですわ!」
「あっ、いえ、そんな……」
「でも昨夜はビックリしたよ。本当に夢だと思ったよ」
「わ、私も夢だと思ってた。じゃなければあんな……あっ(赤面)」
姫川さんは急に顔を耳まで真っ赤にして俯き出した。
突然サツキサンが解説を始めた。
「姫川様は昨夜ライト様のベッドに転移して来た後に寝惚けてライト様にキスしてしまった事を思い出した様です」
サツキサン、心読むのやめてあげて~(汗)
「でも本当にビックリしたよ。騒ぎを聞き付けてメイアさんは飛び込んで来るし……あっ(赤面)」
俺は有ることを思い出し赤面した。
「ライト様は飛び込んで来たメイア様が透け透けのパジャマの下に何も着衣していなかったのを思い出した様です」
だから心読むのやめて~(涙)
「さ、サツキ様は、ら、ライト様とき、キスしたのですか?」
「ゆ、夢だと思っていましたので…。わ、私のファーストキスです…(ブシュ~)」
アルフィーナ王女も赤い顔をして俺をぼんやり見ているよ?
物欲しそうに見ないで下さい~(汗)
「ねぇねぇ、ライトお兄ちゃんは裸パジャマが好きなの?」
「そりゃ~嫌いじゃないよって何言わせるのセシリちゃん!(汗)」
「なんと!我も寝る時はすっぱだムニュナャニュウ~」
みんなで慌ててルミナ様の口に手を当てた(汗)
「そ、そう言えば、姫川さんに聞きたい事があったんだ」
俺は話題の流れを変えた。
「姫川さん。ちょっといい?」
俺は人がいない隅っこに姫川さんを誘った。
◆
「姫川さんはテレポーターなの?」
「てれぽ歌?」
「いや歌じゃなくて(汗)。エンティオの町からお城迄テレポートしたんだよね?」
「?」
姫川さんは首を傾げ
「不思議なの。目が覚めたら光斗君の部屋にいたみたい?」
「そ、そう?テレポートして来たみたいだよ?」
「私が?」
「イエス、姫川様。姫川様はテレポートのスキルで昨夜ライト様の寝所に転移して来ました。姫川様のステータスを確認しますか?」
「ステータスが見れるの?」
俺がサツキサンに確認する。初耳なんですが……(苦笑)。
「如何しますか、マスター?」
「じゃあステータス表示してみて」
「あの~」
姫川さんがそっと手を上げた。
「さっきからタブレットで誰かと電話してるみたいだけど何方?」(女の人だし!)
「えっ? あぁ、サツキサンの事か」
「はい?」
「イエス、マスター」
「姫川さん、此方がサツキサンです」
俺はサツキサンを胸の前に持ち紹介した。
「はい?」
「改めまして姫川様。私がサツキサンです」
「はい?」
「えっと、此方がタブレットのサツキサンです」
「改めまして彩月さん。私がタブレットのサツキサンです」
「えっ?タブレット?彩月さん?名前が彩月なの?」
「いいえ。彩月ではなくサツキサンです」
「プッ。サツキサンが名前なんだ」
「イエス、彩月さん」
「光斗君、何でサツキサンって名前なの?」
姫川さんが楽しそうな笑顔で俺に聞いてきた。ヤバい!
「えっ、いや、咄嗟の事だったので」
「何?何?(ニコ)」
姫川さんが俺に顔を近づけてくる。
「あの、えっと、」
「うん。何?何?(ニコニコ)」
笑顔の姫川さんが更に顔を寄せてくる。姫川さん!顔近いよ!近い!
俺はサツキサンとの出会いを姫川さんに話した。
「アハハ! 何それ(笑)」
「イエス、彩月さん。私とマスターは永遠の愛を誓いキスをしたのです」
「へ~。サツキサンとキスしたんだ~」
「イエス、彩月さん。マスターのファーストキスです」
「へ~。ファーストキスはサツキサンなんだ~」
う~。その笑みジト目で此方を見ないで~(涙)
「い、いや、俺のファーストキスは彩月さんで……」
「イエス、マスター」
「あっ、いやサツキサンではなく彩月さんで……」
彩月さんは赤い顔で
「ファーストキスは私なの?」
「は、はい!」
いいよね?ルミナ様のは事故的な接触だったし?
「いえ、彩月さん。彩月さんではなく、サツキサンです」
サツキサンが妙な突っ込みを入れる。ヤバい、『さつきさん』パニックだよ?
「(クスッ) ねぇ、光斗君。『さつきさん』が二人いるとやややこしいよね?(笑)」
「は、はい。スミマセン」
「私の事は彩月って呼んでよ(ニコ)」
「ひ、姫川さんでは?」
「だ~め!(ニコ)」
「さ、彩月…様?」
「ダメ!」
「さ、彩月…ちゃん?」
「だ~~め!さ・つ・き!」
「さ・つ・き」
「うん。絶対、彩月って呼んでよ光斗君(微笑み)」
あう~(涙) なんかどっと疲れたよ?
「ではマスター。彩月様のステータスを表示します」
画面に彩月……さんの写真と脇にステータスが表示された。
姫川彩月
【人族】【女性】【17歳】【身長156cm,体重44kg,B85,W56,H84】と有り、続いてパラメーター【STR,VIT,DEX,INT,AGI,CHA】が有り、最後に【スキル:テレポート、シンクロハーモライズ】となっていた。
ガバッ!!!
彩月……さんが俺の腕からサツキサンを奪い取り赤い顔をしている?
「ダメです!ダメ、ダメ!(赤面)」
「で、でもステータス確認を……」
「ダメ!見ちゃダメ~!サツキサン!体重とスリーサイズは見せちゃダメです~!(赤面)」
あう(汗) 確か……
「体重44、バスト85?」
「キャー!イヤ~!バカ!バカ!バカ~!(超赤面)」
体重とスリーサイズは非表示設定になりステータスを確認する……。
「スキルはテレポートとシンクロハーモライズ?サツキサン、シンクロハーモライズって何?」
「この世界の文献では検索出来ません」
「俺にも有るの?」
「イエス、マスター」
「俺達のオリジナルスキルか?」
「文脈的には共鳴系スキルと思われます」
「まぁ、このスキルは後で考えよう……」
「私、テレポート出来るんだ……。良かった!良かったよ!だって光斗君に会えたんだもん!」
「そうだね(笑) クラスのみんなは、さ、彩月……がこっちに来た事は知ってるの?」
「あ~~~忘れてた(汗)」
俺はスマホを貸してあげると彩月……さんは会場の外へ歩いて行った。俺はメイアさんを探したが見当たらない?
ふとカーシャさんと目が合う。カーシャさんは頷くと彩月……さんの後を追って外に出て行った。お城の中だけど一応警護はね。でもメイアさんは何処に行ったんだろう(汗)?
◆
俺はみんなと別れ会場を挨拶して回った。
「テレシアさん。来てくれたんですね」
「其れは来ますよ。ガルバーニさんもいるんだし~(ポッ)。それにライト君がいきなり男爵になってるんだもん。興味津々よ」
「アハハハ」
「テレシア~。ライト君じゃあないだろ~」
「あっ!ライト様でした」
ガルバーニさんに突っ込みを入れられていた。
「あっ、全然気にしないので」
「そうはいなかい。王女様と結婚したらライトは公爵様だ。其れを『ライトくぅ~ん』なんて言ったら首が飛んじまう」
「そ、そうよね。未来の公爵様ですもんね。其れでライト様は何がどうなってこうなったの?」
「え~と。子猫探したらこうなりました(笑)」
「アハ。そうよね。子猫探しをたった1日でやっちゃうんだからこうなるわよね(笑)」
「そうは言ってもテレシア。ライトはざっと見繕っても2、3万人の命を救っている。凄ぇ男だよ!」
「いやいや、たまたまですよ」
「たまたまは2回続かないってもんだ。お前の実力だよ」
そうこうしていると裏メイド隊の女の子達が俺を捕まえにやって来た。
「ガルバーニさん。ライト様は借りて行きま~す」
俺は更に待ち構えていた裏メイド隊の輪に連れ込まれ、あれやこれやと質問攻めにあった。彩月……が会場に戻って来たのが見えたので其の輪から脱出した。
◆
「怒られちゃった(汗)」
「だろうね(汗)」
「でも茜音ちゃんも葵ちゃんも、私が結婚するって言ったら喜んでくれたよ」
「そっか、良かったよ。問題は俺だな……」
「えっ、何か問題が有るの?」
彩月……は心配そうな顔になった。俺は頭をポリポリかいた。
絶妙なタイミングでメイアさんが現れた。
「皆様にお伝えしたい件がございます」
「メイアさん、何処に行ってたの?」
「国王様に謁見して参りました」
国王様にぃ~、うわ~嫌な予感~(汗)。
「俺もみんなに話したい事が有るんだ。メイアさん。みんなに後で俺の部屋に集まるようお願いします」
「分かりました。お取り計らい致します。私からのご案内も其の時とさせて頂きます」
こうして無事に俺の就任パーティーは終了した。
◆
パーティー後にアルフィーナ王女、ルミナ様、彩月、セシリちゃん、メイアさんに俺の部屋に集まってもらった。
「俺からみんなに2つ伝えないといけない事が有るんだ」
みんな真剣な眼差しで俺のを見ている。
「まず1つは俺や彩月の事。俺達は此の世界の人間じゃないんだ。違う世界から此方の世界にやって来た」
「「「…………?」」」
「成る程」
メイアさんが口を開く。
「私どもナイトウイングスを持ってしてもライト様の素性は分かりませんでした。そしてライト様のお言葉に出てきた『世界の終焉』とは、ライト様がいた世界という事なのですね」
「うん。俺達のいた世界は、世界規模の戦争で滅んでしまったと思う。俺や彩月、他の友達は何らかの力で此の世界に飛ばされて来たんだ」
「其でライト様は私達に何を伝えたいのですか?」
メイアさんが俺の気持ちを察してくれた。
「俺でいいのかな?身元も分からない俺が、みんなと結婚してもいいのかなって」
「ライトはバカじゃの~。そんな事は関係ないぞ」
「そうです。私はライト様が好きだから結婚したいのです」
「そうだよ~。ライトお兄ちゃんはライトお兄ちゃんだし、サツキお姉ちゃんはサツキお姉ちゃんだよ」
「……みんな……、ありがとう!」
「其では2つ目のお話とは?」
「は、恥ずかしながら俺って彼女いない歴17年なんだよね~(汗)」
「? 私はいない歴18年ですが何か?」
「私もいない歴17年……」
メイアさんと彩月が暴露すると
「あたし10年~」
「11年じゃのう」
「……17年です」
みんなも暴露したよ?
あれ? みんないない歴=年齢?
「えっ、みんなもそうなの?」
「そうみたいですが何か?」
「うっ。ほ、ほら、普通は女の子に告白して、付き合って、プロポーズして、結婚とかじゃない?」
「そういう流れもございますね」
「俺って何1つやって無くて、こんなに綺麗で可愛い女の子とけ、結婚って話しになってて………」
みんな俺の方を真剣な目で見ていてくれた。
「だ、だから……」
俺はみんなの方に右手を差し出す。
「だから、俺はみんなの事が大好きです。付き合って下さい。そして結婚して下さい!」
俺は人生初の告白とプロポーズをした。俺の手に10個の手が重なる。
「「「はい! 喜んで!」」」
5人の笑顔はとても素敵だった。俺はこんな素敵な女の子達と結婚出来るんだ……(涙)。
「では私の方からお話があります」
「まずライト様のお住まいですが」
「えっ、ノワールの塔じゃ?」
「いいえ。此処はあくまでも職場です。国王様にお願いし王城内の東にある陽煌宮をライト様のお住まいとさせて貰いました」
「また引っ越し?」
「大丈夫です。ライト様の荷物はほとんどありませんので」
「……そうでした」
「サツキ様、セシリ様も同宮にてお住みになりますが宜しいでしょうか?」
「やった~!」
「嬉しいです~」
「「ぶ~~!」」
アルフィーナ王女とルミナ様がブーイングとなった。
「我も一緒に住みたいのじゃ~!」
「わ、私も……ご一緒が……」
「7日後にご婚約披露パーティーがございますので其までは私では分かりかねます」
「分かりました!お父様に相談します!」
「我も父殿に相談するのじゃ!」
アルフィーナ王女とルミナ様は拳を作りやる気に満ちていたよ?
「あの~、またパーティーが有るの?」
「はい。ご婚約披露パーティーには国内の領主様方もご出席になられますので本日よりも盛大なパーティーになります」
「はぁ~。パーティー疲れしそうだよ」
「最後に1つ。ライト様に与えられる領地の件ですが……」
俺に与えられる領地の事で、新たな事件が発生していた事を今の俺達は知らなかった……。
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冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
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大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
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【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
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帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
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ユーヤのお気楽異世界転移
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死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
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