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第二章
第38話 閑話:異世界でもティッシュは必要ですね
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「光斗、漸く出来上がったぞ」
な
其の晩、ノワールの搭の俺の事務室に如月君がやってきた。
「依頼されていた、軍団旗、軍団章に3組の制服だ」
「オッ!見せて、見せて」
如月君が軍団旗を広げる。
やや長四角の黒の厚手の布に金の刺繍で枠を施している。中央から右にかけて白の刺繍で一翼が描かれている。左上から中央、そして右下に向かい金の刺繍で桜吹雪が舞っている。桜井に因んで最初は桜の花にしたら微妙だったのでボツり桜吹雪に変えたとか(汗)。何れにしろ此れが俺達の軍団旗だ。
軍団章は警察手帳を模しているので、黒皮のケースを開けると、金細工で軍団旗と同じデザインを施した軍団章があった。
しかし軍団章は、とある紋章の下に施してある。ドラゴンと剣の紋章、王家の紋章だ。国王様にお願いして虎の威を借りる事が出来た。出来たばかりの軍団章を見せても誰も分からないからね。
後数ヶ月後には、俺はアルフィーナ王女と結婚し、王族のファミリーの一員となる事もあり、国王様が許可してくれた。俺がナイトウイングスの軍団長を務めている間に、軍団章を世に浸透させる必要がある。
そして制服だ。ジャケットは黒をベースにして、白・青・白のストライプがデザインされている。男子は真っ黒のズボンだが、女子はスカートにも同ストライプのデザインが施してあり可愛いい仕上がりだった。
更に裏メイド隊のメイド服も新調したとか。裏メイド隊のメイド服も黒がベースだがストライプの配色を白・赤・白にして、同用にスカートにもストライプのデザインがある。萌えます。
「数は予備も含め全員分を揃えた」
「楠木会は大丈夫?」
「みんなには明日から暫く休暇を取らせるよ(汗)」
楠木会代表 楠木君のスキルは当たりスキルだ。勿論無双系最強スキルとかでは無い。彼のスキルは錬成。いわゆる錬金術だ。錬成させたい物と同質の材料が有れば錬成が可能になる。
◆
1週間前の事だった。
如月君は素材班なる研究チームを立ち上げた。別名『楠木会』。現世とのギャップを感じる事が多いクラスメイトの為に、いま持っている消耗品を今後も使用続けらるように錬成品を作る会だ。
要望が多い物としてティッシュ、歯磨き粉、薬、絆創膏、化粧品、生理用品、メガネ、コンタクト等々だ。
楠木君の錬成スキルを使うには、其れに使用されている材料を知る必要があった。其処でみんなの知識を寄せ集めたり、サツキサンに相談したりと会は盛り上がっていた。
まず一番始めに錬成したのはティッシュだ。ティッシュの要望は非常に高い。女子達のこの世界での屈辱的最大のギャップが、孤児院のトイレにあった葉っぱだったとか…。
ちなみにお城は桶に水、お玉、小さい布切れがセットだ。そこで女子達の熱い要望も有り、ポケットティッシュが無くなる前に、錬成品ティッシュの量産の必要があった。
実は男子からも熱い要望があった。男子のポケティは女子に全て没収されたからだとか(涙)。ちなみに此の国での『紙』は高級品である。一般的に書き物としては石板や黒板、羊皮紙辺りが使用されている。
ティッシュの材料はパルプつまり木材だから、材料は直ぐに手に入る。錬成スキルは、錬成品1個に必ず-50%から-100%のペナルティが付くと楠木君は言っていた。ペナルティは物の大きさか品質かを選べるとの事だ。
彼曰く、例えば金貨を錬成(犯罪だよ)する場合、材料を泥で用意すれば泥の金貨が出来る。-100%のペナルティだ。金貨と同量の金を材料とした場合は-50%のペナルティが選択されるので大きさを小さくするか、同じ大きさで軽くするか。何れにしろ元となった金50%が消えてしまうので偽金貨は作れないから大丈夫だよと言っていた。作ろうとしたな(苦笑い)。
ノワールの搭の2階の一室。研究室と称した其の部屋に俺、如月君、新藤君、相沢君、楠木君が揃っていた。テーブルの上には1枚のティッシュと薪が1つおいてある。
「錬成!」
楠木君が錬成スキルを発動させた。
薪があった処に、半分の大きさになったティッシュが1枚出来上がっていた。
「「「おーっ」」」
「どうですか?」
楠木君が自信半分の顔で聞いてきた。新藤君がティッシュを触り確かめる。
「第一段階としては良いだろう。後は量産にどう繋げるかだな」
「楠木君は絶対に1回1個なの?」
俺の問いに楠木君は苦笑いしながら
「今んとこそうだよ」
「俺達のスキルを使って量産出来ないかな」
如月君がうーむと考えている。
「新藤、何か思いつかないか?」
「量産みたいなスキルが有れば苦労しないんだがな(苦笑い)」
「信太の気合いが足りないんだよ!」
「相沢君~、無理言わないでよ~」
「増えるイメージをするんだ、思いが足りないんだよ信太は!」
「え~~~~っ」
相沢君が楠木君に無茶振りしているよ(汗)。
しかし、如月君は何か閃めいたようだ。
「光斗、芳川さんのアドレス分かるか?」
「ああ。お陰様でクラス全員のアドレスを知っているよ」
「芳川さんを呼んで欲しいんだ」
「オッケー」
俺が芳川さんに電話をするのは初めてだ。何か緊張して来たよ?
俺が芳川さんと話してる間に、如月君は笠原君に電話をしていたみたいだ。
「何をする気だ、如月?」
「イメージの融合だよ」
「「「?」」」
「出来るかは分からないけど、シンクロハーモライズで物を『誘惑』しイメージを物に『融合』させる。イメージは複数個の作成だ。まぁ、やってみようよ」
程なくして芳川さんが山梨さんと南秦さんと一緒にやって来た。仲良し3人組だ。
「あ、芳川さん。来てくれてありがとう」
如月君が声をかけた。
「ううん。わ、私に何か、よ、ようが、あ、有るの?」
芳川さんはクラスの中でおとなし目3女子の1人だ。芳川さんは薄いピンクのオーラで、如月君に緊張してるみたいだよ(苦笑い)。
「ティッシュ作りに協力して欲しいんだ」
「わ、私が?」
芳川さんのスキルは『誘惑』だ。『誘惑』が芳川さんでホントに良かった。他の人だとヤバい方向に行ってしまう危険なスキルだ。内気な芳川さんなら無闇矢鱈に使ったりはしない筈だ。良かった。良かった。マジ良かったよ。
笠原君も来て如月君が説明をしている。笠原君のスキルは『融合』だ。生き物以外は融合出来るらしい。今の所は人間接着剤として割れ物や破損した物を修復する修理屋さんとして活躍している。
小さいテーブルの上にティッシュが1枚と薪が1本置いてある。テーブルを囲んで楠木君、笠原君、芳川さん、如月君でテーブルを囲んで円を作った。
「イメージは俺が担当するから、みんなはスキルに集中してくれ」
「「「はい」」」
「「「せーの」」」
「「「シンクロハーモライズ!」」」
「錬成」「融合」「誘惑」
テーブルの上の薪が光輝き、其れが収まると100枚ぐらいのティッシュが出来上がっていた。
「「「やったー」」」
女子3人が歓声を上げる。
「こいつは凄いな」
流石の新藤君も唸っていた。
「やったな信太!」
「うん!みんなありがとー(涙)」
楠木君が、笠原君と芳川さんに両手握手をしている。相変わらず芳川さんは薄いピンクのオーラで、楠木君にも緊張しているみたいだ。
「如月、此れで素材班は飛躍的に開発が進むな」
「ああ、楽しくなってきたな(ニヤリ)」
楠木会が作ったティッシュペーパーは、王城内のみの御用達とした。新藤君から技術的に作れない物が拡散するのは良くないとのアドバイスがあったからだ。
此の世界での紙は高級品だ。殆んどがお城、聖教会、魔法学院で使用され、一般には出回らない。そんな中で使い捨てティッシュ等が出回ったら贅沢品の極みとして非難轟々となりうる。そんな訳で門外不出ではないが一応の規制を引いておいた。
因みにトイレも水流石を融合させて水洗式現代風トイレを作成した。女の子達のトラウマ解消&裏メイド隊も大喜びの結果となったみたいだよ。
◆
「其じゃ、夕方に緊急招集してみんなに制服と軍団章を配ろう」
「了解」
「サツキサン。みんなに案内メールをよろしく」
「イエス、マスター」
な
其の晩、ノワールの搭の俺の事務室に如月君がやってきた。
「依頼されていた、軍団旗、軍団章に3組の制服だ」
「オッ!見せて、見せて」
如月君が軍団旗を広げる。
やや長四角の黒の厚手の布に金の刺繍で枠を施している。中央から右にかけて白の刺繍で一翼が描かれている。左上から中央、そして右下に向かい金の刺繍で桜吹雪が舞っている。桜井に因んで最初は桜の花にしたら微妙だったのでボツり桜吹雪に変えたとか(汗)。何れにしろ此れが俺達の軍団旗だ。
軍団章は警察手帳を模しているので、黒皮のケースを開けると、金細工で軍団旗と同じデザインを施した軍団章があった。
しかし軍団章は、とある紋章の下に施してある。ドラゴンと剣の紋章、王家の紋章だ。国王様にお願いして虎の威を借りる事が出来た。出来たばかりの軍団章を見せても誰も分からないからね。
後数ヶ月後には、俺はアルフィーナ王女と結婚し、王族のファミリーの一員となる事もあり、国王様が許可してくれた。俺がナイトウイングスの軍団長を務めている間に、軍団章を世に浸透させる必要がある。
そして制服だ。ジャケットは黒をベースにして、白・青・白のストライプがデザインされている。男子は真っ黒のズボンだが、女子はスカートにも同ストライプのデザインが施してあり可愛いい仕上がりだった。
更に裏メイド隊のメイド服も新調したとか。裏メイド隊のメイド服も黒がベースだがストライプの配色を白・赤・白にして、同用にスカートにもストライプのデザインがある。萌えます。
「数は予備も含め全員分を揃えた」
「楠木会は大丈夫?」
「みんなには明日から暫く休暇を取らせるよ(汗)」
楠木会代表 楠木君のスキルは当たりスキルだ。勿論無双系最強スキルとかでは無い。彼のスキルは錬成。いわゆる錬金術だ。錬成させたい物と同質の材料が有れば錬成が可能になる。
◆
1週間前の事だった。
如月君は素材班なる研究チームを立ち上げた。別名『楠木会』。現世とのギャップを感じる事が多いクラスメイトの為に、いま持っている消耗品を今後も使用続けらるように錬成品を作る会だ。
要望が多い物としてティッシュ、歯磨き粉、薬、絆創膏、化粧品、生理用品、メガネ、コンタクト等々だ。
楠木君の錬成スキルを使うには、其れに使用されている材料を知る必要があった。其処でみんなの知識を寄せ集めたり、サツキサンに相談したりと会は盛り上がっていた。
まず一番始めに錬成したのはティッシュだ。ティッシュの要望は非常に高い。女子達のこの世界での屈辱的最大のギャップが、孤児院のトイレにあった葉っぱだったとか…。
ちなみにお城は桶に水、お玉、小さい布切れがセットだ。そこで女子達の熱い要望も有り、ポケットティッシュが無くなる前に、錬成品ティッシュの量産の必要があった。
実は男子からも熱い要望があった。男子のポケティは女子に全て没収されたからだとか(涙)。ちなみに此の国での『紙』は高級品である。一般的に書き物としては石板や黒板、羊皮紙辺りが使用されている。
ティッシュの材料はパルプつまり木材だから、材料は直ぐに手に入る。錬成スキルは、錬成品1個に必ず-50%から-100%のペナルティが付くと楠木君は言っていた。ペナルティは物の大きさか品質かを選べるとの事だ。
彼曰く、例えば金貨を錬成(犯罪だよ)する場合、材料を泥で用意すれば泥の金貨が出来る。-100%のペナルティだ。金貨と同量の金を材料とした場合は-50%のペナルティが選択されるので大きさを小さくするか、同じ大きさで軽くするか。何れにしろ元となった金50%が消えてしまうので偽金貨は作れないから大丈夫だよと言っていた。作ろうとしたな(苦笑い)。
ノワールの搭の2階の一室。研究室と称した其の部屋に俺、如月君、新藤君、相沢君、楠木君が揃っていた。テーブルの上には1枚のティッシュと薪が1つおいてある。
「錬成!」
楠木君が錬成スキルを発動させた。
薪があった処に、半分の大きさになったティッシュが1枚出来上がっていた。
「「「おーっ」」」
「どうですか?」
楠木君が自信半分の顔で聞いてきた。新藤君がティッシュを触り確かめる。
「第一段階としては良いだろう。後は量産にどう繋げるかだな」
「楠木君は絶対に1回1個なの?」
俺の問いに楠木君は苦笑いしながら
「今んとこそうだよ」
「俺達のスキルを使って量産出来ないかな」
如月君がうーむと考えている。
「新藤、何か思いつかないか?」
「量産みたいなスキルが有れば苦労しないんだがな(苦笑い)」
「信太の気合いが足りないんだよ!」
「相沢君~、無理言わないでよ~」
「増えるイメージをするんだ、思いが足りないんだよ信太は!」
「え~~~~っ」
相沢君が楠木君に無茶振りしているよ(汗)。
しかし、如月君は何か閃めいたようだ。
「光斗、芳川さんのアドレス分かるか?」
「ああ。お陰様でクラス全員のアドレスを知っているよ」
「芳川さんを呼んで欲しいんだ」
「オッケー」
俺が芳川さんに電話をするのは初めてだ。何か緊張して来たよ?
俺が芳川さんと話してる間に、如月君は笠原君に電話をしていたみたいだ。
「何をする気だ、如月?」
「イメージの融合だよ」
「「「?」」」
「出来るかは分からないけど、シンクロハーモライズで物を『誘惑』しイメージを物に『融合』させる。イメージは複数個の作成だ。まぁ、やってみようよ」
程なくして芳川さんが山梨さんと南秦さんと一緒にやって来た。仲良し3人組だ。
「あ、芳川さん。来てくれてありがとう」
如月君が声をかけた。
「ううん。わ、私に何か、よ、ようが、あ、有るの?」
芳川さんはクラスの中でおとなし目3女子の1人だ。芳川さんは薄いピンクのオーラで、如月君に緊張してるみたいだよ(苦笑い)。
「ティッシュ作りに協力して欲しいんだ」
「わ、私が?」
芳川さんのスキルは『誘惑』だ。『誘惑』が芳川さんでホントに良かった。他の人だとヤバい方向に行ってしまう危険なスキルだ。内気な芳川さんなら無闇矢鱈に使ったりはしない筈だ。良かった。良かった。マジ良かったよ。
笠原君も来て如月君が説明をしている。笠原君のスキルは『融合』だ。生き物以外は融合出来るらしい。今の所は人間接着剤として割れ物や破損した物を修復する修理屋さんとして活躍している。
小さいテーブルの上にティッシュが1枚と薪が1本置いてある。テーブルを囲んで楠木君、笠原君、芳川さん、如月君でテーブルを囲んで円を作った。
「イメージは俺が担当するから、みんなはスキルに集中してくれ」
「「「はい」」」
「「「せーの」」」
「「「シンクロハーモライズ!」」」
「錬成」「融合」「誘惑」
テーブルの上の薪が光輝き、其れが収まると100枚ぐらいのティッシュが出来上がっていた。
「「「やったー」」」
女子3人が歓声を上げる。
「こいつは凄いな」
流石の新藤君も唸っていた。
「やったな信太!」
「うん!みんなありがとー(涙)」
楠木君が、笠原君と芳川さんに両手握手をしている。相変わらず芳川さんは薄いピンクのオーラで、楠木君にも緊張しているみたいだ。
「如月、此れで素材班は飛躍的に開発が進むな」
「ああ、楽しくなってきたな(ニヤリ)」
楠木会が作ったティッシュペーパーは、王城内のみの御用達とした。新藤君から技術的に作れない物が拡散するのは良くないとのアドバイスがあったからだ。
此の世界での紙は高級品だ。殆んどがお城、聖教会、魔法学院で使用され、一般には出回らない。そんな中で使い捨てティッシュ等が出回ったら贅沢品の極みとして非難轟々となりうる。そんな訳で門外不出ではないが一応の規制を引いておいた。
因みにトイレも水流石を融合させて水洗式現代風トイレを作成した。女の子達のトラウマ解消&裏メイド隊も大喜びの結果となったみたいだよ。
◆
「其じゃ、夕方に緊急招集してみんなに制服と軍団章を配ろう」
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