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さよなら。TOYBEE

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ep.130-2 馬車の力を利用しよう2

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 おっ、坊さんの立てカンバンがあるぞ。観てみよう。



魔道シミュレーターをギャンブル投資ゲームとして作り上げたい。
魔道シミュレーターとは、現実の王国の状態と対応策をシミュレーションした投資シミュレーターゲームで、
朝6時から20時間運用し、午前2時まで運用し、4時間がメンテ時間となる。
システムは1日で一月が進み、12日で1年となり、それを200年まで繰り返し、リセットとなる。
なお、リセットされた際にはSUN値は地域ごとに継続され、歴史のみがリセットとなる。
またその際に、奇跡と災害もリセットされる。
200年のシミュレーターの歴史はテキストとして公開され、古い歴史は圧縮保存され、公開となる。
また、採用された対応策、奇跡等は別リストにて公開され、公開された対応策、奇跡はシステムに通常運行となる。
私は信仰でそれを作りたい。

アーメン・インシュアラー・法華


 あっ、また、シミュレーターの話だ。

 坊さん細かく考えてるな~。なるほど、12日で1年となると、

 120日で、10年。1200日で100年。

 2400日くらいで一回の200年のシミュレーションが終るのか?

 大体7年弱で、200年先までの未来を予測しながら、改善の対応策を投資家がやる感じなんだな。

 SUN値っていうのは、人の不幸度なんだな。

 それで投資することで、人を幸福にしながら、改善されてシミュレーターなのか?

 大人の趣味か、軽い投資として面白いかもって僕は思うけど。

 そんな賢そうなこと、貴族の誰かに理解できるかな?



 おぅと。よそごと。よそごと。

 今は商品のCMに集中しなくちゃっ。





 ええーーーい!


 貴族たちは公爵のアイディアに喜んでるけど、かまうものかっ。僕はCM。



「ねえっ。みなさーーーん。馬車で移動してるとき、退屈な時間を過ごしてませんか? 移動時間ってすごく無駄な感じしますよね? そこで馬車の一部でネギを育てるんです!」

「ネギなど育ててなんの価値がある?」

「そこですよ! そこ! ネギって、ちょっとした水を毎日やるだけで、毎日すくすく育つんです この機械、ネギを毎日育て、育ったところをカット。機械に入れるんです。ポンっ!」



 人って、ちょっとしたことの大切さって思いつかなかったりするんだ。

 例えば、転生する前に地球では、自動車がずっと100年を越えて走り続けてる。

 その自動車のエンジンは自動車を走らせるだけじゃなくて、

 それ以上の余る力を持っているのに、誰も100年無数に走り続ける自動車から、

 余剰エネルギーを取り出して、それをなにかを作ることに変えたら、

 後々にどれほどの大きい文明の進化をもたらすかって気づいていないんだ。



 例えば、そこにネギのスナック菓子を作る機械を入れる。

 ネギはただ車の中で水をやるだけで育てて、育ったネギを切って機械に入れるだけ。

 すると、スナック菓子の機械は、

 ネギを細かく切り刻んで、ふっくらとした香ばしくて、通常のネギを食べるよりも、

 多い、みんなが少しだけ得をしたって思えるスナック菓子が食べられるようになる。



 それが自動車に乗って、その自動車が売れたらどうなるだろう?

 僕以外の誰かはそこで考える。

 ネギのスナック菓子なんて食べたくない。

 私はできるならタバコをいつでも作ってくれる機械を自動車のエンジンが

 車が走るついでに作りたい。

 僕以外の誰かはそこで考える。

 タバコなんてとんでもない。

 私はそこできれいな水を作ってくれる機械を自動車に乗せたい。



 そうやって、このネギのスナック菓子が売れれば、

 100年後には、なぜか車の中で自動で食べ物が育てられ、

 自動でさまざまな美味しい食べ物をいつでも作ってくれる車ができるかも知れない。



 その可能性のための一歩が、このネギのスナック菓子の自動作成機械なんだ。



 おぉーーーっと。でも、貴族たちには、そんな話は語れないぞぉーーーー!!!!




 いえいっ! いえいっ!


 すべてはノリノリだぁーーーーーーーーーー!!!!




 僕は笑った。

 馬車が馬に引かれて、広場を走る。

 火がぼおと起こり、ガッチョン機械の音がする。

 ネギのほのかな香ばしい美味しい香りが漂って来た。

 ふわ~ん。


 馬車が止まると、小さい袋詰めされたネギのスナック菓子が出来ていた。


 僕はCM。

「はいはーい♪ みなさん。ネギって、スナック菓子にすると大きさが10倍になって、香ばしくて美味しい満足できる菓子になるって知ってましたか?」

 美味しそうな香ばしいスナック菓子を貴族のひとりに食べさせた。



 さくさく~っ。

「おお。こりゃうまい菓子だ! 信じられん! 馬車を使って、ネギのスナック菓子ができるとはっ」

「そうです! ネギって毎日すくすく育つから、この機械があれば、毎日美味しいスナック菓子が無限に作れるんですよ! 馬車に乗ってるだけ! ネギの美味しいスナック菓子ですっ!」

 ネギを切って機械にセット。馬車を走らせる。火が起こってガッチョンと音。

 すると、スナック菓子がポン!!!!

 香ばしい香りが辺りに。

 貴族たちがおもしろがって、次々に寄って来た。

 ピロリ

「馬車でネギのスナック菓子を作る機械」 × 10000「購入」




「おお。これはおもしろいっ」「最高ねっ。美味しい機械よっ」「これは楽しいですわ」「わしに売ってくれっ」「わしにもじゃ」


 貴族たちが次々に機械を買って行く。





 貴族たちが僕のお菓子を買ったのは、100年先の未来の可能性を見つけたからじゃなかったんだ。

 ある零細の貴族が、貴族たちにこう言って貴族たちを動かしていたんだゾ。



「ご注進。グデロン公爵がここで勝つことは危険です。公爵は自分の派閥を広げようとしている。今、王族ということで、ただでさえ大きな公爵の影響力を、みなさまがここで判断して、無償で貴族に奴隷の美人の女をあてがうよな、公爵な人気になる政策が通ると、賢いみなさまは美人の女だけでは公爵の派閥に流れぬでしょうが、他の王国の貴族たちが大勢グデロン公爵の派閥に流れかねない。公爵は無茶をされて、我々にとっては大変刺激が強すぎる方です。そんな公爵が今より力を持つと、貴族全体にとってまずいことになります。幸い、今は王がいらっしゃいます。王が座興として伊佐木伯爵を奴隷にするか否かの座興を楽しんでおられる。ならば、表立って、今、伊佐木伯爵を擁護しても、座興という話で済みます。王の御ためという言葉で、ここは伊佐木伯爵を助けていただきたい。すべては座興です。みなさま」


 ひぇえええええ。なんか、知らない誰か、賢そうなこと言ってるゾ~。

 えっ? えっ? 僕、どうなっちゃうのかな?


 いえーーい!!! ただ、やったれ! やったれ!


 勢いが大事だっ!!!



「まあ、グデロン公爵の美人を我々にあてがうというアイディア。別に我々は女を手に入れるのにも苦労していないからな。王の御ためには、伊佐木伯爵のスナック菓子の方が面白く思える」

「そうねぇ。逆に言って、貴族の女の私は、奴隷をただで女として男性に振舞うという行為は、女の権利を落としてしまうから、アイディアとして乗れないわ。王の御ためには、王国の貴族の女性を守るのは大事よ」

「今までの体制を続けるのに、グデロン公爵のアイディアはよくないかも知れないな。王の御ためには、伊佐木のアイディアの方が平和的とも言える」

「「ネギのスナック菓子は美味しいし、我々は伊佐木伯爵を支持しますっ。すべては王の治政の御ために」」


 やったね!

 ネギの菓子で公爵に勝っちゃったよっ。


 王様が言った。

「・・・結果は出たな。グデロン負けじゃっ。伊佐木はこれまで通り伯爵とする!」

「くそぉおっ」



 わはは~♪ いえい!

 今回のピンチ僕はなんとか切り抜けたゾっ! 美人奴隷1万人より、やっぱ、ネギのスナック菓子だよね?

 馬車は広場を走り続ける。

 貴族たちがネギを切って機械にポン! 火がぼお、ガッチョン機械が動く。ネギの菓子が香ばしく匂ってくる。



 ふわ~ん♪


 いえい! これで僕の明日は安泰だぁ♪ 明日もがんばって行こぉ!



 そのとき、ルディーン伯爵が僕のところに来て言ったんだ。

「伊佐木。お前はジョークで済ましているが、ネギのスナック菓子を馬車に乗せるのには深い意味があるのだろう? ジョークではなく、私には話して欲しい。私はお前の知恵が知りたい」

「はい。馬車は無限に王国を走り続けるものです。馬は馬車を引きますが、その馬はもっと力を持ってるんです」

「ほお」

「いつでも馬が走る力に人間が作った仕掛けで、馬車を引くだけでない力を作ると、馬はただ人を乗せるだけの存在じゃなく、他の力を作り出す重量な仕掛けを作れるようになります」

「馬が人や荷物を運ぶだけではない他の力か? ふーむ。想像できんな。どんなものだ?」

「例えば、風車のように電気を作り、水車のように水を作り、あるいは・・・」

「あるいは?」

「人の代わりに働く労働者になります」


 ルディーン伯爵は笑った。

「ははははっ。なるほど。馬が人の代わりに働く労働者になる可能性を持った仕掛けが、これが君が作ったネギのスナック菓子というわけかっ。君は王国の未来を見据えた面白いヤツだ。仲良くしよう。伊佐木。君は王国にとって必要な人間だ。また、うちに遊びに来たまえ。娘も会いたがっている」

 えっへへーーー。ルディーン伯爵に褒められちゃったよ。照れるなぁー。

 そのとき、コウヅキが黒く笑った。

「ふふふ。ルディーン伯爵は、旦那さまに自分の娘を奨めて、何様かしら? 暗殺かしら?」

 わお! 怖いよ。コウヅキっ。

「・・・冗談よ。でも、旦那さま。馬が人間の代わりに働く仕掛けが作られるとしても、生きて行く人間の居場所をどうにかしないとならないと思うわ。馬が働いて、人間にすべての労働がなくなったとき、不用になった人間の居場所を、誰も作らないと思うから。そういう世界だから私は暗殺者でいたのよ」

「・・・いずれにせよ、そんなに早くは人類は発展しないと思うんだ。技術についてはゆぅーーーたり、人の居場所を作りたいよねっ!」

「愛してるわ。私の旦那様」

「僕もだよ。コウヅキ」

 ちゅっ

 僕とコウヅキはそこでキスをしたんだ。いえい!!! なんとかこの危機を乗り越えたよっ!
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