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ep.102-2 病気金無限

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 医者は思い切り、レッドの医療服で土下座して、まだ、燃えて廻っている。

 ぼおおおおおおお




 ぐるぐるぐる「頼むぅ~!! なんかとかしてくれぇええ」ぐるぐる

「そりゃそうですよね。お金をいくら作っても、際限なく人は病気に掛かるものだし、一個の病気を治したところで、また病気に掛かるのが、現在の医療の難点です」

 わお! ログゼムさんはガンガン僕の肩を掴んで来たッ。

 ガンガンっ! ガンガンっ!

 ひぇええ。痛いっ。




「なにを他人事みたいに言ってるんだ! 医療はずっと、続き! 人は常に衰え! また病気に掛かって行くんだ!!! 無限に増える患者の数で無限に金が必要なのに! 保険じゃそれは賄えないィィィィっ。一部金持ちしか十分な医療は受けられないんだ!」

 そう言われて、僕は考えたゾ。




 こりゃ、確かに深刻な問題だ。是非とも、なんとかしたいけど、通販スキルを使ってみようか?

 しっかし、この医者は危険な医者だなっ。医療熱意がこわいっ。
 

 スキル : 異世界通販
 検索  : 莫大な医療に関する対応策

 出て来たのは、病気金無限ワッペン?



 おお! これは便利だ! 是非とも、みんなにCMしたい!!!


「はい~♪ 今回ご紹介するのは、病気金無限ワッペンです!」

「このワッペンは、病気の人が、どんな病気にでも掛かると、ワッペンを貼り付けるだけで、医療費がすべて無償になり、その医療費を、紙幣発行で補う形になってるワッペンです!」

「このワッペンさえあれば、人は無限の病気の苦しみから解放され、十分な医療をいつでも受けられるようになります! みなさーーーん。欲しくありませんか?」



 ログゼム医者は言った。

「買ったぁぁあああああ!!!!! だが・・・・これをどうやってぇ、実際に使えるようにするぅ?」


 うーん。確かに。これは、また、王にプレゼンするしかないゾ~。

 よーーし。イエイ! イエーーーイ! 売り込もうぜーーーーい。

 王様はいい人だから、きっとわかってくれるはずだ。さあ、気合入れて売り込むぞっ!!!!


 おっ、坊さんの立てカンバンだ。観てみよう。


間違った道に進む人を、我々は導いて、正しい道に戻して見せる。
間違った道とは先のない道で、そのさきに行けば断崖に至る道である。
人は断崖に至ってはならぬ。人が断崖に喜んで行くとき、我々は断崖の危険と、
断崖から、正しい道に進むためのやり方を教える。ただ、物理的な道においては、
断崖は恐怖となるため容易に教えることができるが、生きる道が断崖であることは、
人は容易に理解できない。ゆえに、我々は人生における断崖の危険を、人に知らせ、
人生における正しい道を示すために、信仰を行っている。神を信じよ。

アーメンズ・インシュアラー・エンブレム


 うーん。観念的な話かな? 深いかも。

 人って、色々な方法で自分が幸福になるため生きようとするけど、

 案外に劣った人とか、劣った人を助けたい人とかって、

 幸福になろうとしたり、人を幸福にしようとして、ひどい道選んじゃうんだよね?

 正しい力って大事だ。


 おっ、それより、今は、病のことだ。


 いえい!!!! 大体病に掛かった人からお金を取るなんて気がおかしいゾ!!!

 病に侵された人は、全部働く能力のない人なんだ!!!! だから、治療費なんて非人道的な制度は絶対におかしい!!!!! 絶対だ!!!!



 僕が王宮に向かおうとすると、アーシャさんがそこに来た。わお、感激してくれた。

 アーシャさんは言う。

「伊佐木。お前はすごいヤツだな。貴族になって遊びだけじゃなく、自分の考えで、王国すべての病気の人を救うためのアイディアを作ろうとする。そんなお前を尊敬する。ほんとに大好きだ。伊佐木っ。お前は王国を救う英雄だっ」



 えへへ。アーシャさんに英雄扱いされちゃった。

 なんか、照れるー。でも、王へのプレゼンに弾みがついたゾ。がんばろー。
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