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6.三人目
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「君のおかげで助かったよ。でも、なんで助けてくれたんだ?」
行きに通った繫華街に差し掛かったとき、隣を歩く倉井にそう問うた。
本当は警察官たちから見えなくなったところで礼をいって別れるつもりだったが、タイミングを逃してしまい、ずるずるとここまで来てしまったのだ。
倉井は感謝されるようなことはないよ、と首を振った。
「逃げてからオマエが刺されてないか心配になって戻ったんだ。そしたら警察に絡まれていたから、きっとあの騒動のせいだと思って演技した。だってオマエが捕まったら優月が包丁であたしを刺そうとしたこともばれるかもしれないだろ」
目の前の倉井の態度は、本当に野宮をいじめていたのかと疑いたくなるようなそれであった。僕を助けたこともいじめをしたことへの罪滅ぼしの一環なのだろうか。
夜も深くなった繫華街はまるで自分の時間だというように賑やかだった。酔っ払いが騒ぐ声と、客引きの呼び込みの声があちこちから聞こえる。僕は顔を顰めた。ここは騒がしすぎて話すにはあまり向いていない。
それに気づいたのか倉井は自転車を押す手を片方だけ離すと、脇道を指した。
「こっちの方が静かだから」
脇道を通って裏通りに出た。表通りと違い裏通りは道幅も狭く人通りも少ない。お店もこぢんまりした個人店がばかりだ。倉井の言う通り、こちらは静かだった。
「この辺詳しいんだね」
「一応、地元だからな」
そういえば、と倉井は続けた。
「繁華街の辺りは中学生のとき、優月とよく遊びに来たんだ。夏休みや冬休みみたいな長期の休みになると必ず映画かカラオケに行った。三年生に進級してからは本屋さんに行って参考書を一緒に選んだりしてさ」
目を細めて楽しそうに話す倉井を見ていると、本当は今も野宮と一緒に遊んだり、喋ったりしたいんだろうなと思った。
しかしそれは都合がよすぎるだろう。なんせ倉井は親友の野宮を裏切った挙句、命を絶とうとするほど傷つけたのだから。
「そんなに仲が良かったのにいじめたのか?」
話しながら内心では、ちょっと酷い質問だったかな? と思った。
だが倉井はその質問を真摯に受け止め、頷いた。
夕立ちの雲が急に立ち込めるように、表情がサッと沈痛なものに変わる。そして雨が降り出すようにぽつぽつと話し始めた。
「あたし高校デビュー組なんだ。中学では地味な子ってイメージで通ってたから、高校ではイケてるグループに入るぞ! って意気込んでた。入学してからはそういう人たちと過ごすようにも努めた。もちろん親友の優月とも仲良くしていたよ」
そこで言葉を区切ると彼女は天を仰いで深いため息を吐いた。
「ところがある日、イケてるグループのリーダー格の生徒が言ったんだ。『野宮さんって暗くて気持ち悪いよね』って。私たちの中でその子の発言は絶対だったから同意した。そしたら『莉奈って野宮さんと中学同じだったんだよね? よく一緒にいるけど、仲良いの?』って訊いてきたんだ。ここで『うん』って答えたら私もあっち側の人間と見なされてしまう。そう思ったら口が勝手に動いていた。『高校までついて来て気持ち悪い』って。なんであんなこと言っちゃったんだろ。ホントは優月のこと大好きだったのに」
倉井は歩みを止めると俯いた。噛み締めた唇からうめき声が漏れた。それは次第に大きくなり、俯いたままの彼女の足元に水滴が散った。
やはり少し行き過ぎた質問をしてしまった。後ろめたさが波のように起き上がって僕の胸を締め付ける。それはこれまで金澤と奥本の二人に仕返しをして来たが、そのどちらでも感じることのなかった感情だった。
「あ、なんか悪いな。こんな顔見せっちゃって。恥ずかしい」
倉井は人差し指で涙を拭うとはにかんだように唇を歪めた。
「どこかで休憩する?」
「ううん、大丈夫。これも全部、自分のせいだから」
彼女は鼻をすすると、自分に言い聞かせるように言った。
歩き出すと再び彼女は話し始めた。
「あたしがそう言ったらリーダー格の生徒は『じゃあ、莉奈がいじめちゃえば』って。あたしは嫌だって言いたかったけど、言えなかった。それから、あたしはその子に従うように優月をいじめた」
彼女の声はまだ濡れていたが気にする様子もなく続けた。
「でも悪いことすると罰が当たるってホントだな。あたしが優月をいじめてしばらく経ったころ、担任の先生に呼び出された。その時、『ああ、あたしがやったことがバレたんだ』って直感で分かった。でも、これをきっかけにいじめをやめよう。先生にバレたって言えばリーダー格の生徒にも言い訳が立つし。もしだめならあたしも優月と一緒にいじめられよう。そう思って生徒指導室に行ったんだ」
『一緒にいじめられよう』なんてなかなか言えることじゃない。小中学生時代いじめられていた僕だって石山にそんなこと言われたことはない。まぁ、そもそも石山は友達じゃなかったんだけど……。
ともかく倉井が反省していることは本当のようだ。
「部屋に入ると担任は応接用のソファに掛けて待っていた。あたしが向かいに座ると担任はあたしのいじめ行為について話し始めた。あたしはその時『ついにバレた。これで終わらせる』って思ったよ。だけど現実はそうじゃなかった」
倉井は少し躊躇うと覚悟を決めたみたいに自転車のハンドルをぎゅっと握った。
「担任はあたしの問題行動を指摘したあとこう言った。『俺は生徒とウィンウィンの関係でいたい。もし今、俺の要求を呑むっていうなら、野宮へのいじめについては目をつぶってもいいと思っている』そしてあたしの隣に座るとごつごつとした大きい手であたしの太腿を撫でてきた。それで担任の要求ってのが分かった。あたしは怖いやら腹立たしいやらで、力いっぱい担任を殴ってやった。そしたら、あいつ『助けてくれ!』って大げさ騒いで、それを聞いた別の先生にあたしは取り押さえられた。あたしはセクハラされたって何度も何度も訴えたけど、大人たちは担任を信用した。結局、いじめを注意した担任にあたしが逆上して殴ったっていう嘘の事実が公に認められて、あたしは学校をクビになったんだよ」
僕は倉井の話の後半部分にデジャヴを覚えた。少し前に琵琶湖のほとりで似たような話を聞いた。もしかして──。
「あの、倉井さん」
すると倉井は手のひらを僕に向けてストップのジェスチャーをした。
「たぶん、オマエの方が年上だろ? 呼び捨てでいいよ」
彼女の気遣いは大変ありがたいのだが、年上だと思っていたのならばなぜ、今の今までずっとその口調だったのか。今までの話で根はいい子だと分かったが、なんだか腑に落ちない。
モヤっとしたが、それより大切なことを確認しなければならない。
「ええっと、倉井。その担任って奥本という名前じゃないか?」
その名を口にすると倉井は少し驚いた顔をした。
「え、オマエ、奥本を知っているの?」
「知ってるも何も野宮の仕返しリストの一人だよ。現在進行形で仕返しの真っ最中だ。下準備を僕も手伝わされた」
それで納得したように倉井は頷いた。
「ああ、やっと分かったよ。オマエと優月の関係が。でもどうして協力してんの?」
その質問に答えるには僕が野宮の自殺を止めた話をしなければならない。あまり他人に話していいことでもないし、野宮が自殺未遂をしたということを知れば、倉井もショックを受けるだろう。
だから、そのあたりのことはボカしつつ、僕と野宮が互いの〈やりたいこと〉を手伝うことになったところだけ話すことにした。
行きに通った繫華街に差し掛かったとき、隣を歩く倉井にそう問うた。
本当は警察官たちから見えなくなったところで礼をいって別れるつもりだったが、タイミングを逃してしまい、ずるずるとここまで来てしまったのだ。
倉井は感謝されるようなことはないよ、と首を振った。
「逃げてからオマエが刺されてないか心配になって戻ったんだ。そしたら警察に絡まれていたから、きっとあの騒動のせいだと思って演技した。だってオマエが捕まったら優月が包丁であたしを刺そうとしたこともばれるかもしれないだろ」
目の前の倉井の態度は、本当に野宮をいじめていたのかと疑いたくなるようなそれであった。僕を助けたこともいじめをしたことへの罪滅ぼしの一環なのだろうか。
夜も深くなった繫華街はまるで自分の時間だというように賑やかだった。酔っ払いが騒ぐ声と、客引きの呼び込みの声があちこちから聞こえる。僕は顔を顰めた。ここは騒がしすぎて話すにはあまり向いていない。
それに気づいたのか倉井は自転車を押す手を片方だけ離すと、脇道を指した。
「こっちの方が静かだから」
脇道を通って裏通りに出た。表通りと違い裏通りは道幅も狭く人通りも少ない。お店もこぢんまりした個人店がばかりだ。倉井の言う通り、こちらは静かだった。
「この辺詳しいんだね」
「一応、地元だからな」
そういえば、と倉井は続けた。
「繁華街の辺りは中学生のとき、優月とよく遊びに来たんだ。夏休みや冬休みみたいな長期の休みになると必ず映画かカラオケに行った。三年生に進級してからは本屋さんに行って参考書を一緒に選んだりしてさ」
目を細めて楽しそうに話す倉井を見ていると、本当は今も野宮と一緒に遊んだり、喋ったりしたいんだろうなと思った。
しかしそれは都合がよすぎるだろう。なんせ倉井は親友の野宮を裏切った挙句、命を絶とうとするほど傷つけたのだから。
「そんなに仲が良かったのにいじめたのか?」
話しながら内心では、ちょっと酷い質問だったかな? と思った。
だが倉井はその質問を真摯に受け止め、頷いた。
夕立ちの雲が急に立ち込めるように、表情がサッと沈痛なものに変わる。そして雨が降り出すようにぽつぽつと話し始めた。
「あたし高校デビュー組なんだ。中学では地味な子ってイメージで通ってたから、高校ではイケてるグループに入るぞ! って意気込んでた。入学してからはそういう人たちと過ごすようにも努めた。もちろん親友の優月とも仲良くしていたよ」
そこで言葉を区切ると彼女は天を仰いで深いため息を吐いた。
「ところがある日、イケてるグループのリーダー格の生徒が言ったんだ。『野宮さんって暗くて気持ち悪いよね』って。私たちの中でその子の発言は絶対だったから同意した。そしたら『莉奈って野宮さんと中学同じだったんだよね? よく一緒にいるけど、仲良いの?』って訊いてきたんだ。ここで『うん』って答えたら私もあっち側の人間と見なされてしまう。そう思ったら口が勝手に動いていた。『高校までついて来て気持ち悪い』って。なんであんなこと言っちゃったんだろ。ホントは優月のこと大好きだったのに」
倉井は歩みを止めると俯いた。噛み締めた唇からうめき声が漏れた。それは次第に大きくなり、俯いたままの彼女の足元に水滴が散った。
やはり少し行き過ぎた質問をしてしまった。後ろめたさが波のように起き上がって僕の胸を締め付ける。それはこれまで金澤と奥本の二人に仕返しをして来たが、そのどちらでも感じることのなかった感情だった。
「あ、なんか悪いな。こんな顔見せっちゃって。恥ずかしい」
倉井は人差し指で涙を拭うとはにかんだように唇を歪めた。
「どこかで休憩する?」
「ううん、大丈夫。これも全部、自分のせいだから」
彼女は鼻をすすると、自分に言い聞かせるように言った。
歩き出すと再び彼女は話し始めた。
「あたしがそう言ったらリーダー格の生徒は『じゃあ、莉奈がいじめちゃえば』って。あたしは嫌だって言いたかったけど、言えなかった。それから、あたしはその子に従うように優月をいじめた」
彼女の声はまだ濡れていたが気にする様子もなく続けた。
「でも悪いことすると罰が当たるってホントだな。あたしが優月をいじめてしばらく経ったころ、担任の先生に呼び出された。その時、『ああ、あたしがやったことがバレたんだ』って直感で分かった。でも、これをきっかけにいじめをやめよう。先生にバレたって言えばリーダー格の生徒にも言い訳が立つし。もしだめならあたしも優月と一緒にいじめられよう。そう思って生徒指導室に行ったんだ」
『一緒にいじめられよう』なんてなかなか言えることじゃない。小中学生時代いじめられていた僕だって石山にそんなこと言われたことはない。まぁ、そもそも石山は友達じゃなかったんだけど……。
ともかく倉井が反省していることは本当のようだ。
「部屋に入ると担任は応接用のソファに掛けて待っていた。あたしが向かいに座ると担任はあたしのいじめ行為について話し始めた。あたしはその時『ついにバレた。これで終わらせる』って思ったよ。だけど現実はそうじゃなかった」
倉井は少し躊躇うと覚悟を決めたみたいに自転車のハンドルをぎゅっと握った。
「担任はあたしの問題行動を指摘したあとこう言った。『俺は生徒とウィンウィンの関係でいたい。もし今、俺の要求を呑むっていうなら、野宮へのいじめについては目をつぶってもいいと思っている』そしてあたしの隣に座るとごつごつとした大きい手であたしの太腿を撫でてきた。それで担任の要求ってのが分かった。あたしは怖いやら腹立たしいやらで、力いっぱい担任を殴ってやった。そしたら、あいつ『助けてくれ!』って大げさ騒いで、それを聞いた別の先生にあたしは取り押さえられた。あたしはセクハラされたって何度も何度も訴えたけど、大人たちは担任を信用した。結局、いじめを注意した担任にあたしが逆上して殴ったっていう嘘の事実が公に認められて、あたしは学校をクビになったんだよ」
僕は倉井の話の後半部分にデジャヴを覚えた。少し前に琵琶湖のほとりで似たような話を聞いた。もしかして──。
「あの、倉井さん」
すると倉井は手のひらを僕に向けてストップのジェスチャーをした。
「たぶん、オマエの方が年上だろ? 呼び捨てでいいよ」
彼女の気遣いは大変ありがたいのだが、年上だと思っていたのならばなぜ、今の今までずっとその口調だったのか。今までの話で根はいい子だと分かったが、なんだか腑に落ちない。
モヤっとしたが、それより大切なことを確認しなければならない。
「ええっと、倉井。その担任って奥本という名前じゃないか?」
その名を口にすると倉井は少し驚いた顔をした。
「え、オマエ、奥本を知っているの?」
「知ってるも何も野宮の仕返しリストの一人だよ。現在進行形で仕返しの真っ最中だ。下準備を僕も手伝わされた」
それで納得したように倉井は頷いた。
「ああ、やっと分かったよ。オマエと優月の関係が。でもどうして協力してんの?」
その質問に答えるには僕が野宮の自殺を止めた話をしなければならない。あまり他人に話していいことでもないし、野宮が自殺未遂をしたということを知れば、倉井もショックを受けるだろう。
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