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第四章
瑞葵の策略(1)
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瑞葵は、怒っていた。先日の騒ぎも郷原が後ろで糸を引いているからだ。あいつは、自分は絶対捕まらないと思っている。
「俺は、郷原とまぐわうことにした」
良弥と久乃に瑞葵は宣言する。
「今まで集めた状況証拠では何ら信憑性がない、本人の証言が必要だし、それがないとあいつの犯罪を暴き出せない」
「そこまで、いくには結構なネタがいるぞ、お前の初めの計画よりオーバーしている。身体を張る気はないんだろう」
洋司は、反対する様に瑞葵を見る。瑞葵はそう言われても自分の考えを簡単に変える人間ではないのは、久乃も良弥も洋司もわかっていた。
「それはもちろんだけど、結構危ない橋だと言う知っているが、これ以上Ωや女性達をあいつらの食い物にしたくない。今、『藤ノ井』を巻き込んでいる嫌がらせ行為についてもあいつらが借金が有ると思っている茨棘を手に入れ、高級コールガールで働かせたいと思っているから仕掛けている。欲に目が眩みすぎている。本来なら遊郭内は組の規律が優先されるのに、その組が不安定でどうにもならない」
「それは、南川が悪いんだと思う。あいつが、金をもっと稼げると思って若頭を使って暴利を貪り、それによって組を弱体化したのが原因だ。そろそろ南川を潰すことにした」
久乃が、決心したように言う。
「もう南川組は、崩壊する?」
瑞葵が、嬉しそうに久乃を見る。
「郷原の手先になって、遊女の借金を操作し、邪魔する人間を交通事故で殺している。その上茨棘にも手を出してくる。俺の事をどこまで馬鹿にしていると思う。『藤ノ井』の借金さえもうほとんどないのにそれさえもわかっていない」
良弥が、自分の両親の死について調べた結果、良弥の両親は果林の借金のからくりを知ったことが原因で故意に交通事故を起こされて死亡したことが分かった。それがわかった時に金貸しの男の部下を手懐けて帳簿を改ざんさせていた。だから表の帳簿上は『藤ノ井』の茨棘の借金は結構な金額が残っているが、裏帳簿は完済している。表の帳簿を見て茨棘にちょっかいをかけてくる。良弥にはそれが忌々しいと思っていた。
「茨棘には悪いが、郷原の罪を暴きたい」
瑞葵は、3人に宣言した。
数日後に、茨棘と郷原の旦那様契約は終えた。茨棘は、これで自分の人生は詰んだと思った。彼は、ここを出たらフランスに住んでいる三峰先生に会いに行くつもりだった。そして、母親果林の絵姿を見せて、話を聞くつもりだったが、それもできなくなった。自分を最後まで応援しているあの人に胸を張って抱かれたいと思っていたのにとうつらうつら考えていた。
紅玉が、お昼を誘いにきたが、声を出すのも億劫だった。紅玉は茨棘の容体が悪いのを見てとって、額に手を当てる。
「茨棘にいさん、お昼に……ど、どうしましたか? ……ね、熱があります」
紅玉は、急いで圭太を呼びに行く。圭太は急ぎ来て布団を敷いて茨棘を寝かせる。急遽久乃が呼ばれて点滴を打つと返って行った。紅玉は久乃の指示で、点滴を管理しながら看病をする。茨棘はうなされていたが、しばらくすると睡眠薬が効いて静かになった。
紅玉は、その日お座敷が2組あった。お泊まりはなかったが、茨棘の事を気にかけながらお接待をしていた。
茨棘は、少しずつ目が覚めた。自分が竹の間で寝ているのはわかったが、頭の鈍痛は続いていて起き上がるのは無理だと思った。点滴もまだ十分あったのでそのままにして目を閉じた。
10時頃に隣の瑞葵のところに誰か泊まりに来た様だった。それは多分郷原だと思って涙が出てくる。何の落ち度も無いのに瑞葵に旦那様を横取りされるのは理不尽だと思う。茨棘は、誰を恨むのが正しいのかがわからなくて、ペパーナイフ代わりのペインティングナイフを見つめて考え始めた。
瑞葵は、今夜郷原に真相を聞くつもりだった。泊まりは、通な旦那様は10時頃に来て、1時迄に帰るのが普通である。
郷原も10時頃来ると連絡があった。瑞葵は彼を下の玄関口で待ち松の間に連れてきた。
「おかえりなさいませ、旦那様」
「瑞葵、やっと俺のものにできる。この日を一日千秋で待っていた」
「郷原様、先ずは一献いかがですか?」
「そうだな、薄明の頃迄抱きつくす」
「はい、瑞葵も受けて立ちます」
酒を飲み干しながら、瑞葵は郷原に聞く。郷原は酒を飲み干して瑞葵を見る。
「そういえば、高木様はどうされたのです?」
「あいつは、シンガポールに帰った筈だ」
郷原は高木が急用でシンガポールに帰るとメールが来たままだったと思い出す。
「あらぁ、先日お泊まりされた時に忘れものがありましたのに、どうしたら良いですか?」
瑞葵は、郷原を煽る、そして瞳を上目使いして見つめる。
「あいつと寝たのか?」
郷原は、瑞葵の腕を掴んでふる。
「痛い、痛いです。はい、お金を支払って下さるのならば仕事ですから、それに色々と教えて頂きました」
瑞葵は非難する様な声で郷原を試す。
「何をだ」
「ダイヤモンドのことを」
「なんだそんなことか、なんだ」
郷原は、高木がもしかして色々と喋ったのかと思っていたが、大したことないのでホッとする。『高木は、やはり殺しておかないとダメだなぁ。若頭に話をつけよう』と思いながら瑞葵の満たした酒を飲み干した。
「他に何か言ってなかったか?」
「僕が、とても初恋の女性に似てるって僕は男なのにおかしいでしょ」
彼は又満たされた盃を飲み干す。そして瑞葵を見つめ直て盃を瑞葵の前に差し出す。
「そんなことも言ったのか、そうだなお前は本当に似ている。あいつの初恋の女性に」
郷原は、瑞葵に似ている自分の想い人を思い出した。可愛さ余って憎しみが勝った。珠子は保高しか見えていなかった。あいつしか愛さないと狂いそうな意識の中でも本心で言い切った。それを聞きたく無くて首を絞めた。
「えぇ~、男です」
瑞葵のあどけない言葉に意識を向けるとゆっくりだが意識が無くなった。
「俺は、郷原とまぐわうことにした」
良弥と久乃に瑞葵は宣言する。
「今まで集めた状況証拠では何ら信憑性がない、本人の証言が必要だし、それがないとあいつの犯罪を暴き出せない」
「そこまで、いくには結構なネタがいるぞ、お前の初めの計画よりオーバーしている。身体を張る気はないんだろう」
洋司は、反対する様に瑞葵を見る。瑞葵はそう言われても自分の考えを簡単に変える人間ではないのは、久乃も良弥も洋司もわかっていた。
「それはもちろんだけど、結構危ない橋だと言う知っているが、これ以上Ωや女性達をあいつらの食い物にしたくない。今、『藤ノ井』を巻き込んでいる嫌がらせ行為についてもあいつらが借金が有ると思っている茨棘を手に入れ、高級コールガールで働かせたいと思っているから仕掛けている。欲に目が眩みすぎている。本来なら遊郭内は組の規律が優先されるのに、その組が不安定でどうにもならない」
「それは、南川が悪いんだと思う。あいつが、金をもっと稼げると思って若頭を使って暴利を貪り、それによって組を弱体化したのが原因だ。そろそろ南川を潰すことにした」
久乃が、決心したように言う。
「もう南川組は、崩壊する?」
瑞葵が、嬉しそうに久乃を見る。
「郷原の手先になって、遊女の借金を操作し、邪魔する人間を交通事故で殺している。その上茨棘にも手を出してくる。俺の事をどこまで馬鹿にしていると思う。『藤ノ井』の借金さえもうほとんどないのにそれさえもわかっていない」
良弥が、自分の両親の死について調べた結果、良弥の両親は果林の借金のからくりを知ったことが原因で故意に交通事故を起こされて死亡したことが分かった。それがわかった時に金貸しの男の部下を手懐けて帳簿を改ざんさせていた。だから表の帳簿上は『藤ノ井』の茨棘の借金は結構な金額が残っているが、裏帳簿は完済している。表の帳簿を見て茨棘にちょっかいをかけてくる。良弥にはそれが忌々しいと思っていた。
「茨棘には悪いが、郷原の罪を暴きたい」
瑞葵は、3人に宣言した。
数日後に、茨棘と郷原の旦那様契約は終えた。茨棘は、これで自分の人生は詰んだと思った。彼は、ここを出たらフランスに住んでいる三峰先生に会いに行くつもりだった。そして、母親果林の絵姿を見せて、話を聞くつもりだったが、それもできなくなった。自分を最後まで応援しているあの人に胸を張って抱かれたいと思っていたのにとうつらうつら考えていた。
紅玉が、お昼を誘いにきたが、声を出すのも億劫だった。紅玉は茨棘の容体が悪いのを見てとって、額に手を当てる。
「茨棘にいさん、お昼に……ど、どうしましたか? ……ね、熱があります」
紅玉は、急いで圭太を呼びに行く。圭太は急ぎ来て布団を敷いて茨棘を寝かせる。急遽久乃が呼ばれて点滴を打つと返って行った。紅玉は久乃の指示で、点滴を管理しながら看病をする。茨棘はうなされていたが、しばらくすると睡眠薬が効いて静かになった。
紅玉は、その日お座敷が2組あった。お泊まりはなかったが、茨棘の事を気にかけながらお接待をしていた。
茨棘は、少しずつ目が覚めた。自分が竹の間で寝ているのはわかったが、頭の鈍痛は続いていて起き上がるのは無理だと思った。点滴もまだ十分あったのでそのままにして目を閉じた。
10時頃に隣の瑞葵のところに誰か泊まりに来た様だった。それは多分郷原だと思って涙が出てくる。何の落ち度も無いのに瑞葵に旦那様を横取りされるのは理不尽だと思う。茨棘は、誰を恨むのが正しいのかがわからなくて、ペパーナイフ代わりのペインティングナイフを見つめて考え始めた。
瑞葵は、今夜郷原に真相を聞くつもりだった。泊まりは、通な旦那様は10時頃に来て、1時迄に帰るのが普通である。
郷原も10時頃来ると連絡があった。瑞葵は彼を下の玄関口で待ち松の間に連れてきた。
「おかえりなさいませ、旦那様」
「瑞葵、やっと俺のものにできる。この日を一日千秋で待っていた」
「郷原様、先ずは一献いかがですか?」
「そうだな、薄明の頃迄抱きつくす」
「はい、瑞葵も受けて立ちます」
酒を飲み干しながら、瑞葵は郷原に聞く。郷原は酒を飲み干して瑞葵を見る。
「そういえば、高木様はどうされたのです?」
「あいつは、シンガポールに帰った筈だ」
郷原は高木が急用でシンガポールに帰るとメールが来たままだったと思い出す。
「あらぁ、先日お泊まりされた時に忘れものがありましたのに、どうしたら良いですか?」
瑞葵は、郷原を煽る、そして瞳を上目使いして見つめる。
「あいつと寝たのか?」
郷原は、瑞葵の腕を掴んでふる。
「痛い、痛いです。はい、お金を支払って下さるのならば仕事ですから、それに色々と教えて頂きました」
瑞葵は非難する様な声で郷原を試す。
「何をだ」
「ダイヤモンドのことを」
「なんだそんなことか、なんだ」
郷原は、高木がもしかして色々と喋ったのかと思っていたが、大したことないのでホッとする。『高木は、やはり殺しておかないとダメだなぁ。若頭に話をつけよう』と思いながら瑞葵の満たした酒を飲み干した。
「他に何か言ってなかったか?」
「僕が、とても初恋の女性に似てるって僕は男なのにおかしいでしょ」
彼は又満たされた盃を飲み干す。そして瑞葵を見つめ直て盃を瑞葵の前に差し出す。
「そんなことも言ったのか、そうだなお前は本当に似ている。あいつの初恋の女性に」
郷原は、瑞葵に似ている自分の想い人を思い出した。可愛さ余って憎しみが勝った。珠子は保高しか見えていなかった。あいつしか愛さないと狂いそうな意識の中でも本心で言い切った。それを聞きたく無くて首を絞めた。
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