あやかしとシャチとお嬢様の美味しいご飯日和

二位関りをん

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第85話 お月見だんご

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 今日は十五夜。お月見の日だ。空は快晴で、雲も少な目だ。

「おはようございます。千恵子さん」
「篝先生、おはようございます」
「今日は良い月見の日になりそうですね」
「はい……!」

 篝先生による診察も無事終了した。異常は無し。今日も体調は良好だ。

「千恵子姉ちゃんおはよう」
「おはようぬらりひょん」
「今日、お月見だんごの日?」
「そうだよ。夜ね」

 居間にいるぬらりひょんはまだ眠いのか、あくびをしたり目をこすったりしている。

「お母さん、ぬらりひょん眠そうだけど何かあったの?」
「昨日、中々寝付けなかったみたいでね……」

 母親曰く、布団の中でずっと目を開けていたそうだ。なんとか寝かしつけてもすぐ起きるのを繰り返していたという。

「篝先生に後で伺おうかしら」
「うん、聞いた方がいいよ」

 朝食後。ぬらりひょんが中々寝付けなかったのは、妖力の関係があるかもしれないという事だった。

「妖力が軽く暴走して、眠くなかったのかもしれません」
「なるほどね……」
「軽く運動して、発散させた方が良いかもしれませんね」

 と篝先生の診断内容を受け、私はぬらりひょんと桟橋に来た。身体を動かすのが大事なのでこの辺で走ったり水切りなんかをして遊ぶためだ。

「ぬらりひょん、水切りできる?」
「うん、ちょっとはできる」

 早速光さんから石を貰い、ぬらりひょんによる水切りが始まった。最初は3度程跳ねて沈んだが、回数を重ねるごとにどんどんと上達していった。

「すごいじゃん!」
「もう飽きた」
「はやっ」

 その後も光さんに手伝ってもらいながら、手毬をしたり体操をしたりして身体を動かしたのだった。気が付けばぬらりひょんより私の方が息が切れていた。

(自分も体力付けないとな……)

 こうして、夜。お月見の時間が来る。私の自室の窓からは、綺麗な黄金色の満月が浮かび上がっていた。

「綺麗……!」

 お月見は自室で行うため、部屋を母親と共に少しだけ片付けする。片付けが終わると、沼霧さんが出来上がっただんごを大皿に盛った状態で持ってきた。

「だんごできましたよ」
「だんご……!」

 早速ぬらりひょんが、だんごにぱっと手を伸ばした。

「むっ」
「あっ」

 もぐもぐと食べる。そう言えば、今日の夕食はぬらりひょんにしては控えめだったような。

「ぬらりひょんもしかして、おだんごのために夕食控えめにしてた?」
「うん」

 ぬらりひょんはさも当然と言わんばかりに頷きながら、おだんごを食べる。
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