婚約者を妹に奪われ、家出して薬師になった令嬢は王太子から溺愛される。

二位関りをん

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第54話 私は※

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 私はアダン様が好きだ。だが、それは単純に好きなだけで王太子妃になりたいとか側室になりたいとか彼との間に男子を産み、権力を握りたいとかそういうものは無い。
 だから褒められると、以前よりも嬉しく感じるようになれた気がする。

「ベッドに行こう」
「……はい」

 ベッドで仰向けになると、アダン様の身体が私の上に布団のように覆いかぶさり、更に口づけを雨のように落としていく。

「んっ」
「痛い?」
「いえ、痛みはありません」
「じゃあ、続けるね」

 首元、左肩から左首の辺りにかけて、吸うような跡をつけるような口づけ。いつもよりも激しく感じるのは私の気のせいだろうか。
 彼が気の済むまでそれは続いた。終わって彼が私の首元から顔を話すと、妖しさを含んだ笑みを見せる。

「印が残ってる」
「……もっと残しても、いいですから」
「ジャスミン……もしかして」
(気づいたかな、なら正直に言った方が良いよね)
「私はアダン様が好きな事に気づいたようです」  

 私の胸の内をありのままに正直にアダン様へ伝えた。アダン様の身体は数秒程氷のように固まる。

「あ、あの……迷惑でしたか?」
「ごめん。心の底から嬉しい時って、こうなるんだね」

 アダン様がくすりと笑った。先程見せた妖しさは全く見られない。

「好きになってくれて良かった。俺もジャスミンが好きだ」

 アダン様の両腕が私の肩甲骨付近に回される。そして私の左首元に顔を埋めた。

「本当に好きだよね?」
「はい」
「本当に?」
「はい、好きです。ですが、王太子妃になりたいとかそういうのでは無いです。ただ、好きなだけなんです」
「そっか、ジャスミンらしいね」
「そうですか?」
「薬師になって経験積むとか、真面目でこつこつやる所はジャスミンらしい、かも」

 成る程。他人から聞く自分評はなんだか新鮮だ。
 アダン様は起き上がり、私の下着を脱がした。

「これ、こないだ渡したやつか」
「はい、着心地が良くて気に入っております」

 アダン様はそのまま、私の足をぐっと広げ秘所に顔をゆっくりと埋めていった。
 先端と割れ目を交互に舌で刺激を与えられる。

「んっ」
「じゅる……ちゅぱっ」

 彼の舌の音と、私の秘所から溢れ出していると思わしき体液の水音が淫らに部屋内に響く。

「んっ……うふっ……」
「じゅっ……」
(いつもより吸う力が強いっ……何か、出そうだ)
「じゅるっ」
「ーーっ!」

 頭の中が真っ白になるのと同時に体液がぷしゃっと勢いよく私の体内から漏れ出した。
 アダン様はその様子をまじまじと見つめると、ズボンのベルトを外し自身の硬くなったそれを中に入れた。

「ああっ……」

 身体がとても熱い。
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