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第56話 調査と宴の誘い
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「そうか、教えてくれてありがとう」
「いえいえ」
ジュナの話はここで一旦打ち切りとなり、住民も交えての薬草調査が始まった。この地域に住む住民曰くこの辺りはキノコがよく採れ、その一部を薬草として使っているのだそうだ。
(キノコを干して、薬にして使うのか……)
また毒キノコをネズミ捕り始め害虫、害獣駆除にも使用していると住民から聞いた。
「薬師様。キノコも毒キノコも使い道はあります。無駄にはなりませんよ」
「なるほど……興味深い話です。ネズミ捕りはどのようにして毒キノコを使うんですか?」
「毒キノコをみじんぎりにして、水で練った小麦粉の中に入れておだんごにするんです。それを餌にしておくとネズミがそれを食べて死ぬという訳です」
「死んだネズミの遺体はどうするのですか?」
「ほかの肉食獣を駆除する際の餌にしたりしています。そのまま放置するのももったいないので」
すると目の前に白い細長いキノコが群生しているのが目に入る。落ち葉の中から生えているそれは、よく見てみると半透明にも見えなくもない。
「これは?」
「薬師様それも毒キノコですね」
「こんなに群生しているんですか?」
「これはこの時期になると群生して生えます」
住民からキノコの説明を聞いていると、従者が貴重なキノコを見つけ、一気に場が盛り上がった。
そのキノコは丸く真ん中が茶色でその外側にかけて白いグラデーションがかかった色をしている。
「このキノコ……確か鼻水や咳を緩和させる働きがあるキノコか」
服のポケットに入れていた小さな辞典を取り出し、そのキノコと照らし合わせて調べる。こことは別の国でも昔から薬として珍重されてきたらしい。
「ジャスミンさん、これ渡します」
従者からキノコを受け取り、専用の袋に入れた。その後も同じキノコに薬草が何種類が見つける事が出来た。その中には貴重なものもいくつか発見できたのだった。
「そろそろ帰ろうか」
木々の隙間から空を見ると日が沈みかけている。夜の森は危ない。アダン様は住民や私達へ帰ろうと促す。すると住民の1人である老いた男性が、そろそろと手を挙げた。
「王太子殿下、よろしければうちの村に来ませんか? 丁重にもてなしたいのです」
彼の申し出をきっかけに住民達は次々にアダン様へ村に来るようにと頭を下げながら訴え始めた。アダン様もその訴えを無碍に出来なかったのか、了承して村へとついていく事になった。
(大丈夫だろうか)
私の中でほんの少しだけ、胸騒ぎが起こっている。
「いえいえ」
ジュナの話はここで一旦打ち切りとなり、住民も交えての薬草調査が始まった。この地域に住む住民曰くこの辺りはキノコがよく採れ、その一部を薬草として使っているのだそうだ。
(キノコを干して、薬にして使うのか……)
また毒キノコをネズミ捕り始め害虫、害獣駆除にも使用していると住民から聞いた。
「薬師様。キノコも毒キノコも使い道はあります。無駄にはなりませんよ」
「なるほど……興味深い話です。ネズミ捕りはどのようにして毒キノコを使うんですか?」
「毒キノコをみじんぎりにして、水で練った小麦粉の中に入れておだんごにするんです。それを餌にしておくとネズミがそれを食べて死ぬという訳です」
「死んだネズミの遺体はどうするのですか?」
「ほかの肉食獣を駆除する際の餌にしたりしています。そのまま放置するのももったいないので」
すると目の前に白い細長いキノコが群生しているのが目に入る。落ち葉の中から生えているそれは、よく見てみると半透明にも見えなくもない。
「これは?」
「薬師様それも毒キノコですね」
「こんなに群生しているんですか?」
「これはこの時期になると群生して生えます」
住民からキノコの説明を聞いていると、従者が貴重なキノコを見つけ、一気に場が盛り上がった。
そのキノコは丸く真ん中が茶色でその外側にかけて白いグラデーションがかかった色をしている。
「このキノコ……確か鼻水や咳を緩和させる働きがあるキノコか」
服のポケットに入れていた小さな辞典を取り出し、そのキノコと照らし合わせて調べる。こことは別の国でも昔から薬として珍重されてきたらしい。
「ジャスミンさん、これ渡します」
従者からキノコを受け取り、専用の袋に入れた。その後も同じキノコに薬草が何種類が見つける事が出来た。その中には貴重なものもいくつか発見できたのだった。
「そろそろ帰ろうか」
木々の隙間から空を見ると日が沈みかけている。夜の森は危ない。アダン様は住民や私達へ帰ろうと促す。すると住民の1人である老いた男性が、そろそろと手を挙げた。
「王太子殿下、よろしければうちの村に来ませんか? 丁重にもてなしたいのです」
彼の申し出をきっかけに住民達は次々にアダン様へ村に来るようにと頭を下げながら訴え始めた。アダン様もその訴えを無碍に出来なかったのか、了承して村へとついていく事になった。
(大丈夫だろうか)
私の中でほんの少しだけ、胸騒ぎが起こっている。
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