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第19話 森の民とログハウスと森の結界
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ログハウス一階にはいつのまにか医務室が出来上がっていた。
出かけている間に空き部屋を改造したらしく、看護師さんのコスプレをしたフェアリーノームと医者のコスプレをしたフェアリーノームが待機していた。
フェアリーノームってなんだかコスプレが好きみたい。
「ええっと、脈拍とか心拍数は正常、血圧は大丈夫、ショック症状で気を失っている状態かぁ」
机の前に座る白衣のフェアリーノームから渡された紙を読む。
「とりあえず安静にして点滴を受けておくようにですか」
フェアリーノームは積極的に人には触らないのでボクを介しての対応となる。
このログハウス内の医務室だけ日本の病院のようになっている。
ファンタジーな世界なのにここだけ先進的なので違和感がすごい。
「ここ、なんなんですか?」
ミーシャと呼ばれていた少女は警戒した様子で居心地悪そうに椅子に座っていた。
「ええっと、病気やけがの、処置をする、ところです」
初対面なのでちょっと緊張するもののなんとか話すことに成功。
この場所だけ他と違うので怖くなっちゃうのは仕方ないと思う。
「で、ミカとミナは何でこんな部屋を作ったの?」
医者のコスプレをしている白髪赤眼のフェアリーノームはミカ、看護師のコスプレをしている水色髪翡翠色の目のフェアリーノームはミナと名付けた。
彼女たちは絵と文字を使って説明してくれた。
それによると、ボクの中の医療機関のイメージを抜き出して再現したんだとか。
曰く、『機能的でとてもいい』とのこと。
「ここはいいけど、ほかの場所には作っちゃだめだからね?」
ミカとミナはボクに敬礼をすると、運ばれてきた男性の様子を見に戻っていった。
あとは任せてもいいだろう。
「えっと、あの、お、お名前は?」
「えっと、【ミーシャ】です。森の民の一員で採掘と採集を生業にしている青肌一族の一派です」
ミーシャと名乗る少女はよくわからない言葉を口にした。
森の民? 青肌一族?
「ええっと、どういうこと、でしょうか?」
わからないなら聞くしかないよね。
「あ、えっと。森の民は森に棲む精霊の加護を受けたものです。私たちはその中でも、人間たちでいうところのゴブリンと呼ばれるもので、その中でもハイゴブリンであり、精霊の加護を受けている者たちなんです。人間と同じ姿をしているでしょう?」
よく見てみると、先が丸まったとがった耳をしている以外は人間の少女と同じような姿をしていた。
どちらかというと可愛らしい方かも? お父さんのほうは体の小さな二十代前半男性といった感じだった。
「はぇー。そう、なんですね。醜い顔したゴブリンとは、違うのです?」
ボクがそう言うとミーシャさんは悲しそうな顔をしてこう言った。
「あれは【堕落した者】と呼ばれる魔物になった存在です。私たち青肌一族も含め、加護を受けたハイゴブリンたちはドワーフやエルフと同じ妖精種に分類されています。特に私たち青肌一族は採掘と採集を生業にしていますので、ドワーフの方やエルフの方と取引があります」
「あ、うん。ご、ごめんなさい」
どうやら地雷だったようだ。
それにしても採掘と採集を生業にしているなら、色々なアイテムを持っているのかもしれない。
「あ、そういえば、木箱回収したんだった。返すけど、あれはなんなんですか?」
箱は空けていないけど中身には興味がある。
できれば教えてほしいんだけどなぁ……。
「見せてください」
「あ、どぞ」
グイっと来られたので、ボクは若干引きつつ木箱を目の前に出した。
「あ、空間収納? す、すごい……」
「あ、いえ……」
せっかく引いたのにまたぐいっと迫ってくるミーシャさん。
うぅ……、近い……。
「中身は無事ですね。重くありませんでしたか? 実はこれ妖精銀なんです」
木箱の中身を確認しつつミーシャさんはそう言った。
妖精銀ってなんぞ?
「あ、よくわからないって顔してますね? 妖精銀はフェアリーシルバーとも呼ばれる聖銀、つまりミスリルの一種なんです。さらに希少なものです。人間たちの村であるアルテとはそれなりに離れた位置で採掘されました」
何やらミーシャさんが熱く語っている。
それにしてもそれなりに離れた位置だったらいずれ見つかりそうだけどなぁ。
「に、人間に見つかったりは、しないんですか?」
ボクの問いかけに、ミーシャさんは首をかしげた。
「ここにこんな大きな家を建ててるのに人間が訪ねてきたことありましたか?」
ミーシャさんの言葉を聞いてボクは少し考える。
そういえば、人間にも出会っていない? 建てる前は出会うこともあったけど、かなり森の奥のほうに入ってから建てたしなぁ。
「この建物は森の結界の中に位置しています。アルテの人間たちはここよりずっと手前の森までしか入れないんです。必ず迷って戻る羽目になるので」
「えぇ!?」
衝撃の事実だった。
まさかボクたちのいる場所がそんな場所だったなんて……。
「森の結界って、なんなんですか?」
ボクがそう問いかけると、誰かがボクをつんつんと突っついた。
ミレだ。
なぜか胸を張っている。
「ええ~っと、まさか……」
「はい。フェアリーノーム様です」
どうやらこの森の保護をしたのはミレたちだったようだ。
出かけている間に空き部屋を改造したらしく、看護師さんのコスプレをしたフェアリーノームと医者のコスプレをしたフェアリーノームが待機していた。
フェアリーノームってなんだかコスプレが好きみたい。
「ええっと、脈拍とか心拍数は正常、血圧は大丈夫、ショック症状で気を失っている状態かぁ」
机の前に座る白衣のフェアリーノームから渡された紙を読む。
「とりあえず安静にして点滴を受けておくようにですか」
フェアリーノームは積極的に人には触らないのでボクを介しての対応となる。
このログハウス内の医務室だけ日本の病院のようになっている。
ファンタジーな世界なのにここだけ先進的なので違和感がすごい。
「ここ、なんなんですか?」
ミーシャと呼ばれていた少女は警戒した様子で居心地悪そうに椅子に座っていた。
「ええっと、病気やけがの、処置をする、ところです」
初対面なのでちょっと緊張するもののなんとか話すことに成功。
この場所だけ他と違うので怖くなっちゃうのは仕方ないと思う。
「で、ミカとミナは何でこんな部屋を作ったの?」
医者のコスプレをしている白髪赤眼のフェアリーノームはミカ、看護師のコスプレをしている水色髪翡翠色の目のフェアリーノームはミナと名付けた。
彼女たちは絵と文字を使って説明してくれた。
それによると、ボクの中の医療機関のイメージを抜き出して再現したんだとか。
曰く、『機能的でとてもいい』とのこと。
「ここはいいけど、ほかの場所には作っちゃだめだからね?」
ミカとミナはボクに敬礼をすると、運ばれてきた男性の様子を見に戻っていった。
あとは任せてもいいだろう。
「えっと、あの、お、お名前は?」
「えっと、【ミーシャ】です。森の民の一員で採掘と採集を生業にしている青肌一族の一派です」
ミーシャと名乗る少女はよくわからない言葉を口にした。
森の民? 青肌一族?
「ええっと、どういうこと、でしょうか?」
わからないなら聞くしかないよね。
「あ、えっと。森の民は森に棲む精霊の加護を受けたものです。私たちはその中でも、人間たちでいうところのゴブリンと呼ばれるもので、その中でもハイゴブリンであり、精霊の加護を受けている者たちなんです。人間と同じ姿をしているでしょう?」
よく見てみると、先が丸まったとがった耳をしている以外は人間の少女と同じような姿をしていた。
どちらかというと可愛らしい方かも? お父さんのほうは体の小さな二十代前半男性といった感じだった。
「はぇー。そう、なんですね。醜い顔したゴブリンとは、違うのです?」
ボクがそう言うとミーシャさんは悲しそうな顔をしてこう言った。
「あれは【堕落した者】と呼ばれる魔物になった存在です。私たち青肌一族も含め、加護を受けたハイゴブリンたちはドワーフやエルフと同じ妖精種に分類されています。特に私たち青肌一族は採掘と採集を生業にしていますので、ドワーフの方やエルフの方と取引があります」
「あ、うん。ご、ごめんなさい」
どうやら地雷だったようだ。
それにしても採掘と採集を生業にしているなら、色々なアイテムを持っているのかもしれない。
「あ、そういえば、木箱回収したんだった。返すけど、あれはなんなんですか?」
箱は空けていないけど中身には興味がある。
できれば教えてほしいんだけどなぁ……。
「見せてください」
「あ、どぞ」
グイっと来られたので、ボクは若干引きつつ木箱を目の前に出した。
「あ、空間収納? す、すごい……」
「あ、いえ……」
せっかく引いたのにまたぐいっと迫ってくるミーシャさん。
うぅ……、近い……。
「中身は無事ですね。重くありませんでしたか? 実はこれ妖精銀なんです」
木箱の中身を確認しつつミーシャさんはそう言った。
妖精銀ってなんぞ?
「あ、よくわからないって顔してますね? 妖精銀はフェアリーシルバーとも呼ばれる聖銀、つまりミスリルの一種なんです。さらに希少なものです。人間たちの村であるアルテとはそれなりに離れた位置で採掘されました」
何やらミーシャさんが熱く語っている。
それにしてもそれなりに離れた位置だったらいずれ見つかりそうだけどなぁ。
「に、人間に見つかったりは、しないんですか?」
ボクの問いかけに、ミーシャさんは首をかしげた。
「ここにこんな大きな家を建ててるのに人間が訪ねてきたことありましたか?」
ミーシャさんの言葉を聞いてボクは少し考える。
そういえば、人間にも出会っていない? 建てる前は出会うこともあったけど、かなり森の奥のほうに入ってから建てたしなぁ。
「この建物は森の結界の中に位置しています。アルテの人間たちはここよりずっと手前の森までしか入れないんです。必ず迷って戻る羽目になるので」
「えぇ!?」
衝撃の事実だった。
まさかボクたちのいる場所がそんな場所だったなんて……。
「森の結界って、なんなんですか?」
ボクがそう問いかけると、誰かがボクをつんつんと突っついた。
ミレだ。
なぜか胸を張っている。
「ええ~っと、まさか……」
「はい。フェアリーノーム様です」
どうやらこの森の保護をしたのはミレたちだったようだ。
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