神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

文字の大きさ
32 / 180

第32話 ログハウス改めロッジ訪問

しおりを挟む
 さて、今日からは移動の準備をしたり多少のお金を工面する必要があるわけで、お母さんを軽く案内してから始めようと思う。
 というわけで、現在ボクたちはお母さんにログハウスの中を見せている最中だ。
 そもそもの話、丸太で組まれているからログハウスなんだけど、実質ロッジなのでもうロッジと言い切ったほうがいいような気がしている。
 というわけで、もうロッジに名称を変えようと思う。

「地下階はミレたちが勝手にいろいろ改造しているので、何があるのかは把握しきれていません。地面を掘って造っているわけではないのでこの世に物理的に存在してすらいませんね」
 
 このロッジの地下は見るたびに設備が増えていく。
 色々な生産設備があったと思ったら、今度は小規模農場まで作られているのだ。
 栄養はどこから来ているのかとか日照はどうするのかとか諸々の問題が解決されていないにも拘らず、作物が育っている。
 しかも、ちょっと成長速度が速い……。

「神族から見てもここは独特ね。複雑に色々絡み合っているのになぜかすっきりしているわ。一見絡まり合った紐に見えるけど、簡単にほどけるくらいにね」
 何のことかわからなかったけど、どうやらここに使われている力の流れの話らしい。

「ここはボク専用の工房らしいです。まだ入ったことないんですけど」
 ボクが知らない間にできていたボク専用の工房。
 いったいどんな風になっているのだろうか。

「早速入りましょうか」
 お母さんの言葉でミレが動く。

 ミレが扉を開けると、そこには三面鏡や各種服が置かれているドレッサーのようなものとティーセットなどが置かれた棚、テーブルにソファーが配置されていた。その先には作業台や工具などが置いてある。

「作業台とか工具はいいけど、ドレッサーとかっているのだろうか?」
 ボクたちの部屋にも大きいのがあったよね?
 ミレのほうを見てみると、音のならない口笛を吹きながらそっぽを向いている。
 うん、これは完全にミレの趣味だけで設置したね。

「じゃあ撤去を。ちょっとミレ、邪魔しないでほしいんだけど」
 撤去指示を出そうとしたら、ミレがボクの腕に引っ付いて抗議の意思を示してきた。
 妙に真剣な表情をしながら引っ付いているので、必死なんだと思う。

「撤去してほしくないと?」
 激しくこくこく頷くミレ。
 最近気が付いたけど、ミレって結構趣味に生きていると思う。

「ミレちゃんって表情豊かねぇ。フェアリーノームちゃんたちと交流したことなかったからとても興味深いわ」
 お母さんはとても楽しそうだった。
 そういえば、お母さんは子供が大好きだったっけ。

「じゃあ撤去はしないけど、あまり余計なものを増やさないようにね?」
 ミレは大きくこくんと頷くと、そのままボクの腕に頭をこすりつけて感謝を表した。
 まったく、調子のいい子で。

 次にやってきたのは一階だ。主に医務室になるわけだけど、ここにはすでにミカとミナが白衣と看護師服を着て待機していた。

「ここが医務室ですね。ミカとミナの趣味で構成されています」
「あら、日本の病院みたいな感じなのね。すごいわ~」
 お母さんが感心したような声をあげると、ミカとミナはちょっとだけ嬉しそうに胸を張っていた。
 
「あとは倉庫とかですね。軽く見たら次へ行きましょう」
 一階の倉庫や客間、サロンなどを軽く見て、二階の部屋へと進む。
 そういえば、千早さんの部屋割り決めてないなぁ……。

「えっと、千早さんは、どこに部屋、ほしい、ですか? この階だと、イーサ叔父さんと、同じ階になります、けど」
 いくつも部屋があるので問題はないと思う。
 でも、イーサ叔父さんと鉢合わせするのはどうなんだろう?

「あら? イーサお兄様もここなの?」
「はい。適当にくつろいでもらってます」
「へぇ~。後で感想を聞いてみるわね」
 そういえば、イーサさんはまだ神界か。

「えっと、私は遥様と同じ場所がいいです!」
 と、千早さんがそんなことを言い出した。
 同じ場所って言っても一か所しかないんだよね。

「ミレたちと、一緒の大部屋、しか、ありませんけど、大丈夫、ですか?」
 とりあえず軽く提案。

「問題ありません! 遥様も同じ場所なんですか?」
「はい、同じ大部屋、です」
 それを聞いた千早さんはうれしそうに微笑んだ。

「じゃあ、慣れて普通に話していただけるようになるためにも同じ場所でお願いします」
「あ、は、はい。それは、問題ない、です」
 実際女の子と同じ部屋でも問題はないと思う。
 ボクが緊張するのは仕方ないけど、別に嫌だとかそういうわけじゃない。

 もし女性と一緒が嫌だったら、ボクは今後お風呂にも入れないだろう。
 というか、最近はミレたちによって慣らされているところはあるかもしれない。

「じゃあここはそこそこにして三階に行きましょう。ここはあとはキッチンと食堂があるくらいなので、あとでもいいですし」
 そのままボクたちは三階へ向かう。

 三階は階段を上がるとすぐに廊下があり、扉は3つついている。
 一つは露天風呂、一つは大部屋、一つは特別サロンだ。
 トイレは廊下と大部屋についている。
 中にも扉があり、全部に繋がっているので行き来は非常に楽だ。

「ここがイーサ叔父さんも知らない秘密の特別サロンです」
 どこかのカフェを彷彿させるような場所で、コーヒーメーカーやエスプレッソマシン、紅茶コーナーや緑茶コーナー、アイスやケーキのコーナーなども併設されている。
 また、マッサージなどができるリラクゼーションスペースや書架、プレイエリアなどもあり、至れり尽くせりだ。

「ここはどこかのお店かしら?」
「す、すごいです!」
 お母さんが少しだけ呆れ、千早さんが驚きの声をあげる。
 確かにすごいと思うけど、作ったのはボクではない。

「えっと、作ったのはミレたちで、発案もミレたちですね」
 室内を軽く見た後は大部屋を経由して露天風呂へ向かう。

「大部屋は見ての通り巨大な円形のベッドエリアがあるんですけど、基本あのベッドの上で雑魚寝できます。ここの露天風呂は泳いだりゆっくり浸かったり、寝そべったりマッサージできたりするスペースがあります。一部にはイスやテーブルもあるので食べたり飲んだりもできますね。ちなみに作ったのはやっぱりミレたちです」
 ボクがそう紹介すると、ミレたちフェアリーノームが一斉に胸を張った。
 どうやら自信作らしい。

「贅沢ねぇ。妖都の温泉よりは小さめだけど、個人で使うには広すぎるし豪華すぎるわね」
「贅沢なお風呂時間が……」
 ちなみに星空も見られます。

「防虫対策しているらしくて、虫は入ってこないんですよ。もちろん鳥とかもですけど」
 招かれざる者はここに入れないというわけだ。

「千早さんもお母さんも、自由に使ってください」
 おんぶにだっこ状態だけど、この設備にはボクも満足しています。
 ある意味理想の隠れ家生活かな?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...