神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

文字の大きさ
57 / 180

第57話 新世界とフェアリーノーム

しおりを挟む
 しばらくみんなと話していたら、いつの間にか結構な時間が経っていたようでミカたちが帰ってきた。
 ミカは換金したお金をミレに渡すと、ボクの隣に陣取ってお茶とお菓子を要求する。
 帰って来たばかりのミナとシーラが同時に動いてお茶の準備をしに行ったので、軽くみんなに説明することにした。

「ミカたちも帰ってきたので、一息ついたら新世界に行きます。妖狐は今回は千早さんを連れていくので、あとで呼んできてください。一応予定では新世界で精霊を作るので、完了したら簡単な管理をしてもらおうかなと思っています。あとは探索の前に拠点を作ります」
 ミカはお茶を飲みながらコクコクと頷いていた。
 でも帰ってきてすぐに給仕に徹していたミナとずっと給仕に徹していたシーラはなぜかボクの真後ろで待機中だ。

「二人ともありがとう。あとでまた何かお願いするかも」
 そう言うと、嬉しそうに頷く二人。
 ミナもシーラも何か頼まれるのが好きなのかな?

「そういえばミリアムさん。精霊ってどう作るんですか?」
 やり方がわからないのでミリアムさんに尋ねる。

「精霊は核となる力の石に魔力や精霊力、神力を込めることで誕生します。主は私を眷属にしているので精霊力も込められると思います」
 ミリアムさんはそう言うけど、精霊力ってなんだろうか。

「力の石ってなんですか?」
 いまいちわからないのがこれである。
 そんな石は見たことがない。

「元素素材のことです。主が橋を造る際に作った結晶が力の石です」
「あれのことなんですね。あれが精霊の命になるのかぁ……」
 なんとなく作ったものなので、それが精霊と繋がるとは思いもしなかった。
 でもそうか、属性の塊なら発生もありうるのか……。

「元素素材に力を込めるとどうなるんですか?」
「力を込めると、ある一定のところで力の塊が生まれます。主の場合は【言霊】で役割と名前を刻み込めば魂が生まれると思います。私の場合は役割を与えることで増やしていましたので」
「名前と役割、ですか。わかりました」
 ミリアムさんの言葉を胸に刻み、ボクもオリジナルの精霊を作ろうと思った。

「主ならできます。あと、受肉させる場合は肉体を用意してください。ホムンクルスなどでもいいと思いますけど、残念ながら私は持っていません」
「精霊って受肉させられるんですか?」
「はい。力を纏った魂のようなものですので」
 精霊の受肉もちょっと試してみたいかも。
 でもどうやって肉体を用意すればいいんだろう?

 


 休憩を終え、早速新世界へと出発することにしたボクたち。
 今回のメンバーはかなり多くて妖狐族からはボクと千早さん、人狼からはマルムさんとセリアさん。
 フェアリーノームは全員の合計14人となっている。

「じゃあ通路を通ります。気を付けてくださいね」
 再度通路を開いて新世界と繋げると、ミレが先頭を歩いてみんなを誘導する。
 なんだかんだでミレが先頭を歩くことは多く、逆にボクはみんなに守られる位置に配置されることが多い。

 まぁ通路と言っても、ほとんど一瞬で繋がるので歩いているという感覚はほとんどないんだけど……。

「わっ、ここが新しい世界、なんですか?」
「濃い森の匂いがしますね~」
 通路を抜けた途端、マルムさんとセリアさんが若干興奮気味に話す。
 特にセリアさんは鼻を鳴らして匂いを確認しているようだ。

「セリアさん、なにかわかるんですか?」
 しつこいくらい嗅いでるので少し気になってきた。

「はい。魔物っぽい臭いもしない平和で、でも獣の多い森の匂いがします」
「セリアはこう見えて匂いには敏感なんです。体毛が多かったあの時よりは嗅がれる回数減りましたけどね」
「本当に、人間に近い形になれてよかったわ。遥様のおかげね」
「いえいえ。あ、お二人なんですけど、【狼族】って種族名でもいいですか? 簡単ではあるんですけど」
 ちょっと安易かな? 狐の獣人がいたら【狐族】になるわけなんだけど……。

「はい。ありがとうございます」
「ということは、遥様は【狐族】ってことなのかしら?」
「いえ、ボクは妖狐族なので違う種ですね」
「あら残念」
 種族名を訂正するとセリアさんが少し残念そうにする。

「もし妖力を得たら種族名変えてあげますね」
「「妖力?」」
 二人は首を傾げた。

「秘密の力です」
 詳しくは教えてあげないので誤魔化すことにした。

「遥様~! シーラちゃんたちがしゃべりました~!!」
 次はどうしようか考えていると、千早さんが慌てながらボクのところにやってきた。
 どうやらフェアリーノームがしゃべったことに驚いたようだ。

「ここだとしゃべれるみたいですよ? ねー? ミレ」
「はい、主様」
「わ、ミレさんも!?」
 千早さんはミレにも驚いていた。
 賑やかな子だなぁ。

「ご主人ご主人」
「ご主人様~」
 ミカとミナがご主人と言いながらボクの周りにやってきた。
 ミカはボクのことを【ご主人】って呼んでるのか。
 ミナはいつもボクの近くに控えているだけあってそれっぽい呼び方かも。
 ミカは少し高めな声だけど、ミナは少し落ち着いた声をしている。

「はい。ミカ、ミナ」
 二人を撫でながら名前を呼んでいると、ミカたちの後ろに人影が見えた。

「マ、マスター……」
「マスター?」
 聞きなれない単語が聞こえたので見てみると、そこにはシーラがいた。

「あ、は、はい……。そう呼んでみたくて、ですね……。だ、旦那様でもいい、ですよ?」
「シーラ、それはだめでしょ」
「シーラちゃん、それは許しません」
「え、えぇ……」
 シーラのボクの別の呼び方にミカとミナが反応した。
 何やら怖い空気が渦巻いている。

「マスターでいいのでは? シーラもミカもミナもそこまでにしなさい」
 恐ろしいことが起きる前にミレが仲裁に乗り出した。

「わ、わかったわ」
「ごめんなさい」
「す、すみません……」
 三人はミレが怖いのかすぐに大人しくなってしまった。
 
「さすがミレ、ですね」
「ふふふ。あまり褒めないでください。主様。三人はほかの子と一緒に拠点作成を始めてください。私は主様と一緒に予定を考えます」
「「「はい!!」」」
 ミレの指示により三人がまとまってほかの子たちの元へと走っていく。
 ミレ、すごい。

「さすがミレさん」
「もう……」
 ミレは照れながらそっぽを向いてしまった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...