神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

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第109話 魅了の力と信徒化

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 ところで、どうしてボクはミユキさんに懐かれているのだろう。
 そんなことを考えていると、思わぬところからその理由が判明したのだった。

「遥さんは強力な魅了の力をお持ちなのですね」
 そう切り出したのは心優(みゆ)さんだった。

「魅了の、なんです?」
 そんなスキルは持っていないはずだが……。

「悪い意味ではありませんよ? 傾国させるような悪しき力ではありません」
 心優さんはそう言うと優しく微笑んだ。
 心優さんには何が見えているのだろうか。

『お母さん、質問してもいいですか?』
 こういう時は母Wikiだ。
 
『あらどうしたの? ところで妖都に来ているなら後でお母さんのところに来なさいね?』
 お母さんはいつも通りテレパシーにすぐ応じてくれた。
 毎度のことながら早い……。
 
『あ、はい。今何かの縁で因幡伯爵家の馬車に乗ってるんですけど』
 お母さんの言葉はとりあえず無視して話を聞く。
 すると意外な言葉が出てきた。
 
『あら? 因幡伯爵家というと心優ちゃんね』
『心優、ちゃん?』
『えぇ。お母さんの古いお友達よ』
『ええええええええええ』
 どうやら心優さんとお母さんは知り合いだったようだ。
 このこと、通伸さんは知っているのだろうか?

 ふと、心優さんに視線を移す。
 すると心優さんはボクとミユキさんのことを微笑ましそうに見ていた。

「あの……」
「そうね~。少し耳を貸して頂戴」
「あっ」
 ボクの返事を聞く前に心優さんはボクの耳元で囁いた。

(遥さん、若葉様の子供ね?)
(えぇ!?)
 速攻バレてしまったようだ。
 
(ふふ。隠さなくても大丈夫よ。でもうちの主人はそういうことを知らないわ)
(それ、大丈夫なんですか?)
 当主が知らなくてもいい問題などあるのだろうか。
 しかし、耳元で囁かれると非常にゾクゾクする。

(主人のような男性当主には実近様が対応することになっているの。それはご存じ?)
(いえ、知りません)
 元首の大久保実近さんにはそのような役割分担があったのか。
 
(そう。で、私たちのような当主夫人や女性当主は誰と合うと思う?)
(ま、まさか……)
(若葉様の秘密の園でお茶会という名の会議を行うのよ)
 どうやらお母さんは何か妙なことを行っていたようだ。
 というか、ボクそれ知りません。

「もー、お母様」
「あらあら、ごめんなさいね」
 むくれたミユキさんがボクに抱き着きなおすと、再び頬ずりを再開する。
 で、この状態は何なのだろう。

(ところでこの状態どうにかなりませんか?)
 そう聞くと、心優さんは意味ありげに微笑んだ。

(あら? 迷惑かしら?)
(いえ、そういうわけでは……)
 迷惑ではないものの、理由なく好かれるのは気になるよね?

(半分はミユキの性格と性癖かしら。もう半分は遥さんの見た目と優しさ、それとスキルね)
 どうやらミユキさんの性格によるところが大きいようだ。
 
(スキル、ですか?)
(えぇ。女神でもある若葉様の娘であるなら、信徒化スキルがあるのでしょう?)
(あ、それはありますね)
 眷属・信徒系のスキルの中に逸れはある。

(ミユキは強い力を持つ庇護者に幼いながら惹かれてしまったのね。それで絶対の庇護者として遥さんを選んだ)
(ええと、つまりそれは……)
(将来、ミユキを貰ってもらえないかしら?)
(えぇ!? お、女の子同士ですよ?)
(だから? 妖都では別に男性同士でも女性同士でも差別されないわよ?)
(いや、それは……)
 なんということだ。
 でもこのまま心優さんの言う通りにさせるわけにはいかないと思うが?

(別にミユキが嫌だといえばそれまでだし、男性に恋をするならそれもいいと思うわ)
(で、ですよね?)
(でも教えられてはいないかしら? 妖種は男性が少ない傾向にあるの。実近様は偶然にも男児を3人授かったらしいから、それはもう大変よ)
 そう聞いた瞬間、ボクは思わずつばを飲み込んでしまった。

(あの、もしもボクが)
(何かしら?)
(男の子に生まれていたら、どうなっていましたか?)
 これは聞くべきことではないだろう。
 でも別ルートとして聞いてはおきたい。

(何百人の奥さんができるか、楽しみね?)
(ひぃ!?)
 妖種は男女差が激しい種族だ。
 そして長命なため、数は少なくともいずれ一夫多妻でも結婚するのだという。
 今は同性でも子をなす技術があるそうで、妖種の問題は一旦の解決を見ているという。
 表向きは……。

「ミユキは将来何になりたいのかしら?」
 不意に心優さんがそんな問いかけをした。

「ん~。お嫁さん!」
「まぁ!」
「ふはっ」
 心優さんが驚き、通伸さんが咽た。

「だ、誰か相手はいるのかい?」
 通伸さん動揺しまくりである。

「はい!」
「えええええええ」
 通伸さん、思わず絶叫。

「だ、旦那様!?」
 外にいる従者の人も慌てている。

「あ、いや、なんでもない。気にしないでくれ」
「りょ、了解しました」
 なんとか取り繕ってそう話す通伸さんだが、唇がわずかに引くついている。

「で、誰なんだい?」
「通伸さん、食いつきすぎ」
「しかし、心優!?」
 動揺する通伸さんをしり目に、ミユキさんは再びボクの腕にぴたりとくっつく。

「お姉さんです」
「はっ!?」
 今度はボクが驚く番だった。

「ふふ。クスクス」
「お姉さ~ん」
 
 動きが止まったボクと通伸さんをしり目に、心優さんが微笑み、ミユキさんがくっついて頬ずりをする。
 説明は聞いたものの、いまいちわからない光景だった。
 ボクはどうすればいいのだろうか?
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