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サルサでのんびり
ワンちゃんのお母さん
しおりを挟むそれからずっと薬草採取と称したワンちゃんとの戯れの日々が始まった。
ワンちゃんをモフってはお互いにハァハァとヨダレを垂らし満喫する毎日。その度に帰りで出会う衛兵のおじさんが引き攣った笑みが気になる。
『それは毎回服装を乱して恍惚としたように目が逝った女性が通れば誰だって引くと思います。明らかな不審人物ですが声を掛けたくないという衛兵様の葛藤が目に浮かびます。』
出会ってからずっと辛辣。
だって仕方ないじゃん、あんな私並みに純真無垢な目で見つめられたら理性なんて簡単に外れるもん。
『そろそろ控えるべきかと進言します。いくら可愛くとも相手は魔物です、もし敵対した時辛いと思います。』
あの子は大丈夫。
あれだけ身を委ねてモフらせてくれる子がいきなり襲って来たりする訳がない。
『そう…ですね、あのワンちゃんは大丈夫でしょうね。』
「そうそうあの子と私の絆は最強だよ。」
たった数日でも深めた友情は大きい。
そう確信しながら今日も戯れに行く。森を掻き分けてここ何日か幾度も訪れた場所へ。
また草むらから現れるだろうから木の側で座って待機する。
待つこと数十分。
近くから聴こえるガサゴソ音で目が覚める。
いつの間にやら木にもたれ掛かって眠っていたようだ。
ゆっくりと瞳を開ければワンちゃんが大きくなっていた。クリっとした瞳が鋭く変わり犬から巨狼へと変貌していた。
「グルルルル…。」
威嚇かな唸り声かな。
とりあえず呆けた顔を叩いて行動しますか。
寄り添っていた木から離れて地面へと仰向けにゴロン。後は隠していたお腹を見せるだけ。
腹見せそれは服従のポーズ。
勝てる要素が見つかりません、足でも何でも舐めますよ。
『流石ご主人様です。自然な流れからの絶対服従、少しでもプライドを持つ者には出来ない所業です。』
よせやい照れるじゃん。
死ぬ事に比べたらワンコいや狼に忠誠を誓う事など容易い。
なので、もうグルルと唸るの止めてもらえますか?
「グルル……ガウ!!」
「ひぃっ!?」
思わず目を閉じてしまう。
喰われる恐怖が全身を支配していく。
「わん!」
びくびくする私のお腹にポンポンと伝わる重みとここ最近聞き馴染んだ鳴き声。
恐る恐る目を再び開けると、そこにはいつものワンちゃんが舌を出してへっへっしていた。
あれ?
もしかして幻覚?
「ガウッ!!!」
「ひいっ…許してつかーさい!」
全然まだ居る。
その幻想はぶち壊せない。
変わらず大きな狼が私の目の前に。
ところで、ワンちゃん今シリアスっぽいからお腹を舐めるのは一旦止めあっ…。
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