対人恐怖症は異世界でも下を向きがち

こう7

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そうだ、王都へ行こう

Cクラスになりたいかー

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サイデルにやって来て、もう一月以上になる。
その間、ララお姉ちゃんおすすめの依頼を受けていた。

そのおかげかレベルも32となった。スキルはそれぞれ1つずつ上がっているだけだったけど、体力と魔力が最後に確認した時からおよそ5倍に膨れ上がっていた。
神様の加護さまさまだけれど、追記で『人外の道を歩み始めましたねー。これで私の旦那様に一歩ぜんしーん!』と表示されていた。
着実に外堀を埋められている気がする。


それともう一つ問題が。
神様からもらったサバイバルナイフ切れ味良過ぎる問題。

自分の力加減は魔物相手でコントロール出来るようになったけど、ナイフの切れ味はどうしようもない。

なので、ララお姉ちゃんから次の依頼を聞いたら初めての武器屋に行こう。

というわけで、ギルドに到着。

そして、いつものように隣にいるララお姉ちゃん。
今日もニコニコうさ耳ピコピコ。
強引に腕を掴まれ受付へ。
気のせいか最近は、冒険者の人からちょっかいをかけられることが無くなった。

これもクラスが上がっている影響かな?
でも、なんで同情するような視線も感じるんだろう?


「それではコータくん、今回の依頼ですがなんとCクラスになるための最終試練です。」

「さ、最終試練?」
「はい、これから受けてもらう依頼を成功させれば見事上位クラスの仲間入りです!凄いですよ!この街での最短クラスアップです!よっ、エース!ドンドンパフパフ」

僕よりも興奮しているララお姉ちゃんは話を続ける。

「ではでは、そのクラスアップのための依頼ですが二種類あります。そのどちらかを選んでください。一つは護衛です。もう一つは盗賊の殲滅です。さあさあ、どれにしますか、さあさあ!」

ずっとテンションが高い。
その鼻息の荒さが少し怖い。

「は、はい。あのーだったら盗賊の方でお願いします。」

護衛は僕には無理だ。ここから、王都まで歩きで約2週間はかかる(百科事典を引用)。
その間付きっきりなんて、僕に死ねと言っているようなものだもん。

「ふふ、やはりそちらを選ぶと思っていましたよ。では、盗賊討伐依頼で受理させて頂きます。盗賊の名はライモン盗賊団。目撃場所はサイデルと王都の中間に位置するユーリル大森林です。」

「ユーリル大森林ですか?」

懐かしい。あのウサギさん元気にしているかな。

「はい、ただ奥は危険地帯ですので盗賊たちもそう深くには潜ってないと思われます。気をつけてくださいね」

今のレベルなら、神様の話だと奥の探索も問題ないはず。

「は、はい気をつけます。準備したらすぐに行こうと思います。あと、依頼の達成報告は王都でもい良いんですか?」

どうせなら人が多くて倒れるかもしれないけど王都も見に行ってみよう。

「ふぇ? 王都に行かれるんですか?」

「え、はい。少し王都も見てみたいとお思いまして‥」

「‥‥‥‥です」

ん?急にララお姉ちゃんが下を向いた。

な、なんか呪文のように呟いてる。

「い、いやでず!ま、まだ何も進展してないのに、ダメです!わ、わだしを置いて行がないでぇー!!」

バッと顔を上げたと思ったら、目にも止まらぬ速さで僕の腰にしがみついてきた。

「い、いやぁーーー!!」

この悲鳴は僕です。


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