対人恐怖症は異世界でも下を向きがち

こう7

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サイデルよ、僕はきた

小話 鮮血の女帝

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私は、サイデルの街の冒険者ギルドで受付嬢をやっています。
15歳から始めてもう5年目。

最近は、両親から結婚したらどうだと催促が始まりだした。

でも、お父さんお母さん安心して。
私、好きな人が出来ました。

私より7つ下の彼。

オドオドした印象でいつも震える彼。

でも、見かけと違いCクラス以上の実力があるだろう彼。

それに、いつも下を向いているけど時々ちらりとこちらを見る。その時に髪の隙間からうるうると見ている目がとてもたまらない彼。

そうコータくん。
私の年下好きとあの保護欲駆り立てる姿に惚れた。
彼の為なら、職権乱用も厭わない。

たまに彼を妬み陰でぐちぐち言っている愚か者も、直接彼に絡んでいく馬鹿も全て私の説得で説き伏せる。

ああ、今日も私の拳が汚れる。
でも、これも一つに愛のなせる力だ。

私にかかれば、どんな愚者も赤い池が出来る頃には分かってくれる。
最後は、情け無いぐらい泣いて理解したことを懇願してくる。

みんな、根は優しい心を持っているから大丈夫。


さて、早く来ないかな。

今日はコータくんは来なかった。
でも、変わりに黒装束の格好した人が来た。
何者かしら、どうもコータくんのことを調べているみたい。
警戒を裏に隠して応対する。


話を聞いてみると、この街の領主の娘アリシア様がコータくんを探しているらしい。
どうも彼はこの街に来るまでにトラブルに巻き込まれていたみたいだ。

さて、どうしたものかしら。

まだコータくんとその少年が同一人物だと決まった訳ではない。
それに、冒険者の個人情報をそうそう洩らして良いわけがない。

ここは上手く流して、様子を見ましょう。
私が情報を開示する気がないと見たのか、黒装束の人は諦めて去っていく。


ふー、疲れた。
それにしても、前にも同じように色々と聞き回っていたのにまた再開するなんて。

アリシア様まさか‥‥。

今度、なんとか話をする機会を設けないといけませんね。
なんとなくアリシア様とは気が合いそうですし。


さて、今日も馬鹿な方々と拳で語り合いますか!

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