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サイデルよ、僕はきた
小話 ドコ?ドコニイルノォ‥3
しおりを挟む「黒髪の少年と接触したですって!?」
私は、思わずテーブルを強く叩いてしまった。
せっかくメイド達が用意してくれた紅茶やお菓子を無駄にするところでしたわ。
「お嬢、落ち着いてくださいよ。確かに黒髪をした少年に会ったけど、本人かどうか分からねぇんですから」
「そうね、いきなりの情報に少し取り乱してしまいましたわ。」
私の専属騎士であるディーは仕事終わりの酒を飲みに行く途中、件の少年とすれ違いざまにぶつかったとのこと。
「それで少年はどこに?名前とか聞いたのかしら?」
「いやーそれがですね。俺もお嬢の言ってた特徴と似ているんで念の為に聞こうと思ったんですがね、その少年すげー高速で平謝りしたと思ったら、すぐに去っていたんですよ。」
「ディーはまたメイド姿で過ごしたいの?」
「ちょっ! この街の人混みの凄さはご存知でしょうが!」
「安心しなさい。見つけたことは嬉しいから、ミニスカートではなくロングスカートで落ち着いた雰囲気のメイド服にしてあげるから」
「まて待て待ってください、お嬢!全く安心出来ません!くそっ、このメイド部隊どこから現れた!?は、はなせーあぁ‥‥」
ニコニコメイド部隊が騎士であるディーよりも力強く引き摺っていった。
「ふぅーまだあの方がこの街にいるのね‥‥ふふ」
やっとお礼が言えるわ。
でも、ディーの話から察するに声をかけたらすぐに逃げてしまうかもしれないわね。
私は軽く指を鳴らす。
すると、側に数人の黒装束を着た人達が突然と現れた。
これは、私が今後もこっそりと調査を続けるために編成した特別隠密部隊だ。元メイド部隊の人達で成り立っている。
「貴方達、聞いていたわね。今からこの街にいる黒髪の少年のあらゆる情報を集めてほしいの。おそらく冒険者のはず。お願い、私に力を貸して!」
「「「はっ!我々はアリシアお嬢様のために全身全霊を持って遂行いたします!!!」」」
黒装束の人達は、一斉に敬礼をすると姿を消した。
彼女達なら必ず多くの情報を持って帰ってくれる。
さあ、必ず見つけ出してみせるわ、カナラズ‥‥ネ。
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