上 下
38 / 218
そうだ、王都へ行こう

ある日、森の中、盗賊さんに出会った4

しおりを挟む

まず先に周りの手下さん達を沈めよう。

僕の今のステータスなら油断しなければ問題なくどうにか出来る。
指南書に集中している今がチャンス。

今までと同じパターンで次々と意識を飛ばしていく。

さて、最後はお頭さんだ。
この人だけは少し違う。
僕のスピードには全く追いついてないけど、手下さんがどんどんやられていくのは分かっていたみたいだ。
ゆっくりとだけど、腰に携えてる長剣を抜こうとしている。


でも、残念。

僕はすかさずお頭さんの長剣を鞘ごと氷魔法で固め抜けなくし、武器屋で購入した短剣をそっと首筋に当てる。

あとは最後に確認事項。

「うさぎっ!?いや、何者だ。お、お前何をした?」

先ほどまでの下劣な笑いはなりを潜め、首筋の刃の感触に少し顔が青くなっている。

「ぼ、僕はCクラス昇進の依頼中の冒険者でしゅ‥あ」

久しぶりの人との会話。
噛むのも仕方ない。

「お、お前が冒険者だと‥」

「は、はい!冒険者です。あのー確認なんですが、あなたはライモン盗賊団の方でま間違いないですか?」

百科事典で確認済みだけど、ちゃんと確かめないとね。

「い、いや違う!だから、見逃してくれ!」

嘘をつく余裕があるなんてすごい。
それとも、こんな子供上手く騙せるとでも思ってるのかな?

「いいえ、そいつはライモン盗賊団のボス、ライモン本人です!指名手配書で見ましたから間違いないです!」

「ちっ、黙りやがれ!」

姫さまの証言もあるし、有罪決定。

「くそっ捕まってたまるかよ!おいお前ら、侵入者だぞ!」

「あ、あのーおじさんの仲間の人達ならもうロープで縛ってあります。多分、見逃しはないと思うので全員確保してましゅ‥」

うぅ、そんな睨まないで‥

観念したのか膝をつき、地面に拳を叩きつける。
よし、ロープロープ。

「へっ、今だぶぅっ!?」

あ、暴れられた困るからスタンガン並の電撃を流そうと思ったら、頭にやってしまった。
急に近づいてくるんだもん、慌てて威力も少し上げてしまった。


生きてるかな、生きてるよね?

短剣の先でツンツンすると、ピクピクと反応している。
煙が湧いてるけど大丈夫っぽい。


「あのー、助けて頂きありがとうございます!良ければこちらを開けていただけますか?」

「そうですそうです、姫様の言うとおりだ!」

「は、はいぃ!」

不意に声を掛けられ体はバイブレーション。

視線を下に、恐る恐る後ろを振り返る。

突き刺さる2つの視線に眩暈を起こしつつ、牢屋の格子をサバイバルナイフで切り開く。



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

女學生のお嬢さまはヤクザに溺愛され、困惑しています

恋愛 / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:686

処理中です...