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おいでませ妖精の里
また逢う日まで
しおりを挟む妖精さん達とのお別れの時が訪れた。
まだ花畑で幼児化した神様や妖精さんと遊んでいたチビうささん達を呼び戻して、谷に繋がるトンネルの扉まで行く。
ここでさよならをする。妖精さん達はまだ谷の中でなら付いて来れるらしいけど、ちゃんとここで区切りをつけないとどんどん別れ惜しくなる。
ヴァルさんはすでに涙をボロボロと流して妖精さん達に笑われている。
「さて儂等はここまでじゃ。まあ無理せず気楽に人生を楽しむと良い。」
「はい!次会う時は色んなお土産話を持ってきますね。」
「うむ楽しみにしておるぞ。そうじゃ、一つお主に面白そうな情報を教えよう。」
そう言うと、妖精王さんは僕の耳元に近づき囁く。
いきなり顔が接近したからドキッとしてしまう。
「オルスタル帝国を知っておるか?あそこ周辺にいくつかあるダンジョンのどれかにお主が喜びそうなのがあるかもしれんぞ。気が向いたら行ってみるのじゃ。」
オルスタル帝国?
確かクロウさんの捕縛先だったはず。
事典によるとミストリア王国を西へそのまま真っ直ぐ抜けた先。そのうち行ってみよう。
僕が頷くと妖精王さんは満足そうな笑みで離れていく。
さて、チビうささんとヴァルさんをいつもの定位置である僕の頭に乗せて、ここともお別れ。
最後の別れの挨拶にと妖精さん達が一斉に抱きつかれた。もしかしたら何かしら魔法を使われたのか、心身ともにポカポカと暖かい気持ちになりました。
妖精王さんにも抱きしめられて顔が赤くなったけど不思議と悪い気はしなかった。
大きく手を振る幼児神様と妖精さん達を背にこの楽園を去る。
トンネルを抜けると小さな川の流れる谷底。
ヴァルさんと僕は川で顔を洗っておこう。今回も我慢出来ませんでした。
この里に滞在中撮った写真は時々寂しくなったら眺めよう。
目指すはとりあえずミストリア王国王都。
スロウハート王国には無い新しい料理とかに出会えるといいな。
余裕があれば妖精王さんの言っていた帝国のダンジョンも目指してみよう。
あと、クロウさんにも‥。
当面の目標を定めて僕達の旅がまた再開された。
ちなみに谷はヴァルさんに頭を掴まれた状態で上まで飛んで貰いました。
もう人外認定もあってか全く首を痛めることは無かったです。
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