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第2章
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ルネは森の中にいた。朝食前の魔物狩り。これはここ数ヶ月のルネの日課になっている。ミカエルに自分の力を試すことと、魔法になれること、両方を行うには実践が不可欠と言われたからだ。狩場はミカエルと約束して、家の周辺半径100m以内の範囲。何かあれば、必ず戻りミカエルに助けを求めることも条件だった。
この森に出る魔物はあのスライムよりも少しだけ弱い。A級魔法使いでも倒せるものばかりだったので、最初こそ10分と持たなかったが、最近では1時間は余裕で狩ることができるようになってきた。
(昨日はスライムのコアの破壊も出来たし、ミカエル様にも沢山褒めてもらったわ。もっと強くなって、ミカエル様を助けられるようになりたい)
ルネは手近な魔物から次々と倒していく。
(魔物はコアを破壊しないと消滅しないけど、致命傷を与えれば、暫くは動けない。でも、今日はコアの破壊もやってみよう)
ふーっと神経を右手に集中させる。魔法陣が顕現、ルネは向かってくる狼型の魔物のコアに向けて、風魔法を発射した。
□□□□□□□□
ミカエルはカレンダーを見つめる。
(ルネを攫ってから1年が経つ。そろそろまた街の様子でも、見に行くか)
ミカエルが街の様子を偵察に行く時、ルネは決まって留守番だった。彼女はそれが気に入らないらしく、自分達が今どういう状況に置かれているのか、自分自身でも確かめたいと言ってきたことがあった。
だがミカエルはそれを決して許さなかった。彼女が足でまといだからとか、そんな理由では無い。単純に、あの家に近づけたくないという、ミカエルの勝手なエゴだった。
(また喧嘩にならなければいいが)
ミカエルが顎に緩く指を当てて思いに耽っていた時、家のドアが開いた。ルネが帰ってきたのだ。
「おかえり」
「ただいま戻りましたわ」
ミカエルはルネの表情の変化に敏感だった。
「どうした。何かいい事でもあったのか」
「ええ!ミカエル様聞いてください。私、今日の狩りでひとつコアを破壊しましたわ!」
「凄いな。やったじゃないか」
「はい!狼型の魔物だったので、スピードが早かったのですが、私、ミカエル様の身のこなしをずっと近くで見てきましたから、何とか破壊出来ました!」
「そうか」
本当に嬉しそうに話すルネに申し訳なさを感じながら、ミカエルは街への偵察の話を切り出した。
すると案の定ルネの表情は曇り、今回も連れては行かないと伝えると、少しだけ不貞腐れたようにそっぽを向いてしまった。
「すまない。許してくれ」
「その言い方はずるいですわ。私が断れないことを知っているのでしょう?」
ミカエルは何も答えなかったが、代わりにまっすぐにルネを見つめた。ルネはこの視線に弱かった。
「わかりましたわ。お昼ご飯、作って待っていますから。必ず帰ってきてくださいね」
「もちろんだ」
ミカエルは朝食を食べてすぐ、街に出て行ってしまった。
こうして見送るのも何度目だろう、とルネは思う。あの後ろ姿を見る度に不安になる。
捨てられやしないか、本当に戻ってきてくれるのか、捕まったりしないか。色々なマイナスの考えが頭をよぎってしまうのだ。1人になると、嫌なことばかりを思い出してしまう。
ミカエルに限って、そんなことは無いと分かっていても、疑ってしまう。一緒にいる時間が長くなるにつれ怖くなっていった。
ミカエルを未だ真っ直ぐに信じられない自分に嫌気がさす。
「そういえば、リリィ……あの子はいまどうしているのかしら。お義母様に虐められてないといいけれど」
ルネは暗い表情のまま、家のドアを閉め鍵をかけた。
この森に出る魔物はあのスライムよりも少しだけ弱い。A級魔法使いでも倒せるものばかりだったので、最初こそ10分と持たなかったが、最近では1時間は余裕で狩ることができるようになってきた。
(昨日はスライムのコアの破壊も出来たし、ミカエル様にも沢山褒めてもらったわ。もっと強くなって、ミカエル様を助けられるようになりたい)
ルネは手近な魔物から次々と倒していく。
(魔物はコアを破壊しないと消滅しないけど、致命傷を与えれば、暫くは動けない。でも、今日はコアの破壊もやってみよう)
ふーっと神経を右手に集中させる。魔法陣が顕現、ルネは向かってくる狼型の魔物のコアに向けて、風魔法を発射した。
□□□□□□□□
ミカエルはカレンダーを見つめる。
(ルネを攫ってから1年が経つ。そろそろまた街の様子でも、見に行くか)
ミカエルが街の様子を偵察に行く時、ルネは決まって留守番だった。彼女はそれが気に入らないらしく、自分達が今どういう状況に置かれているのか、自分自身でも確かめたいと言ってきたことがあった。
だがミカエルはそれを決して許さなかった。彼女が足でまといだからとか、そんな理由では無い。単純に、あの家に近づけたくないという、ミカエルの勝手なエゴだった。
(また喧嘩にならなければいいが)
ミカエルが顎に緩く指を当てて思いに耽っていた時、家のドアが開いた。ルネが帰ってきたのだ。
「おかえり」
「ただいま戻りましたわ」
ミカエルはルネの表情の変化に敏感だった。
「どうした。何かいい事でもあったのか」
「ええ!ミカエル様聞いてください。私、今日の狩りでひとつコアを破壊しましたわ!」
「凄いな。やったじゃないか」
「はい!狼型の魔物だったので、スピードが早かったのですが、私、ミカエル様の身のこなしをずっと近くで見てきましたから、何とか破壊出来ました!」
「そうか」
本当に嬉しそうに話すルネに申し訳なさを感じながら、ミカエルは街への偵察の話を切り出した。
すると案の定ルネの表情は曇り、今回も連れては行かないと伝えると、少しだけ不貞腐れたようにそっぽを向いてしまった。
「すまない。許してくれ」
「その言い方はずるいですわ。私が断れないことを知っているのでしょう?」
ミカエルは何も答えなかったが、代わりにまっすぐにルネを見つめた。ルネはこの視線に弱かった。
「わかりましたわ。お昼ご飯、作って待っていますから。必ず帰ってきてくださいね」
「もちろんだ」
ミカエルは朝食を食べてすぐ、街に出て行ってしまった。
こうして見送るのも何度目だろう、とルネは思う。あの後ろ姿を見る度に不安になる。
捨てられやしないか、本当に戻ってきてくれるのか、捕まったりしないか。色々なマイナスの考えが頭をよぎってしまうのだ。1人になると、嫌なことばかりを思い出してしまう。
ミカエルに限って、そんなことは無いと分かっていても、疑ってしまう。一緒にいる時間が長くなるにつれ怖くなっていった。
ミカエルを未だ真っ直ぐに信じられない自分に嫌気がさす。
「そういえば、リリィ……あの子はいまどうしているのかしら。お義母様に虐められてないといいけれど」
ルネは暗い表情のまま、家のドアを閉め鍵をかけた。
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