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1 森良幸平 20歳

7 弱いまま

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 微かに、乾き切った吐息が聞こえた。それから「時川さん」と静かすぎる声が落ちる。
「あんたに何が分かんの」
「……うーん」
 少しの間黙った時川が、妙な唸り声をあげて、それから小さく、
「はは」
 と笑った。
 すぐに「は?」と陽太が苛立つ。
「何で笑った」
「いや」
 と軽く言った時川の気配が幸平から離れる。
 すぐに肩を掴まれた。幸平はぼうっとした視覚でその手を捉えて、主を見上げた。
 陽太が隣に立っている。
「じゃあ、私は戻ろうかな」
「時川さんさ、帰るんじゃなかった?」
「いや、幸平くんが眠そうだから送ろうと思っただけだよ」
 幸平はふわふわとした頭を働かせ、「あ。俺……」と呟いた。
「お金……」
「え? ああ、いいよ。幸平くんの分は私が払っておいたから」
「何で?」
 幸平が訊ねるより先に陽太の方が訊いた。
 目の前に立っている時川が、うすら笑いを浮かべる。
「え? 何でだって?」
「俺が払う。三千円だっけ」
 陽太は食い気味に言って、財布を取り出した。
「君が? それこそなぜ?」
「コウちゃんは俺が送ってくから。だからひとまず俺が払うって言ってる」
「いや、私が払ったから大丈夫」
「はぁ?」
 陽太は一万円を握り、より強い口調をした。
「何でコウちゃんの分をアンタが払うんだ」
「えー? ははははは。それはね、内緒です」
 幸平は陽太を見上げた。その横顔だけに青筋が浮き立っている気がした。
「……何でアンタ、笑ってんの」
「あぁ、ごめんな」
「何でアンタが払うんだ」
「んー。教えない」
「……」
「溝口さんには、私と幸平くんの濃密な取引を教えてやらない。部外者だから」
「……お前」
「じゃあな、幸平くん」
 「また月曜日に」時川は踵を返した。すぐに店内のごった返した声が雪崩のように溢れる。消えた。扉が閉じたのだ。
 幸平はようやっと「あれ」と目を擦った。時川、お金は?
「帰ろ」
 陽太が二の腕を掴んでくる。無理やりではないのに不思議なほど強固さを感じた。
「う、ん? あれ、俺お金」
「いいんだってさ」
 力を込めた声で言って、陽太は一万円札をポケットに突っ込む。
「何でかしんねぇけど」
 彼はまっすぐ前を見ている。険しい目つきが癖毛の前髪の向こうで見え隠れした。
「濃密なんだってさ」
「……」
「コウちゃん何したの?」
 ノウミツ?
 言葉の意味がまるで分からない。黙り込むと、陽太がこちらを見下ろしてくる。
 陽太は唇を噛み締めていた。自分の感情を飲んで、堪えるみたいだった。
 幾分か表情を緩めると同時、歩調も緩くなる。陽太は息を吐いてから言った。
「どんだけ飲んだ? そんな時間経ってないと思うんだけど」
 声は微かに冷たかった。思わず身震いすると、陽太はこちらに気付いて少しだけ唇を開き、歩きながらバッグの中を漁りだす。
 幸平は未だ虚ろに答えた。
「あれ、どうなんだろ……お酒……飲んだっけ」
「寒いならこれ着て」
「え? うん」
 肩にパーカーを掛けられる。着てと言われたので素直に腕を通した。
「ありがとう。優しいね」
「……」
「陽太くんは、変わらないんだ」
「何が?」
「お酒……酔ってない。すごい」
「そんな飲んでないし」
 フードが裏返っていたらしく陽太が直してくれる。また二人して歩き出す。冷たい夜風に当たっていると、次第に頭もはっきりしてくる。
 陽太とは今まで、どこか店に行って酒を呑んだことはない。
 日中に室内で過ごすだけで、駅までの行き帰りを共にすることくらいあっても、二人で出かけたことなどなかった。
 何で無いんだろう。二人で夜道を歩いている。こんなのは、いつぶりだろう。思考がとっ散らかっていて、答えを見出せない。
 そうやって心が制御できないでいると、ずっと記憶の奥に封じていた過去を……昔、偶然に聞いてしまった陽太の言葉を思い出した。
 ――『よくデートとかに行くっていうけど』
 あれは陽太が友人と通話していたのだ。
 フラットな口調から、本音だと分かった。
 ――『普通に嫌じゃね? 隣にずっといんのキツい。つーか、外で二人でいんの無理』
 盗み聞いたのはそれだけだ。幸平はすぐにその場を離れたから。
 あれが何のことか……幸平のことかは分からない。
 けれど単に友達の話をしているのでは無いことは分かった。察するに、陽太が関係を持つ人々に対してだ。
 つまり幸平だけへの言葉ではない。
 でも幸平だって『相手』の中の一人だ。
 幸平は、少しでも『無理』だと思われたくなかった。だから、身体の関係があるからと言って自分から『デート』に誘うことはしない。陽太に『会おう』と言われた時だけ会う。こちらから陽太の生活に干渉しないで、弁えていた。
 もちろん陽太からどこかへ出かけようともち掛けられるもなく。
 一年半が経っている。
 ……だが、今の幸平は思う。
 二十歳になったのだ。
 お酒という理由があれば、もっと軽く、何でもないことのように『デート』みたいなものに誘ってもいいのではないか。
 それは大人なら可能なのではないか。
「……陽太くん」
 考えるとすぐに唇が開いていた。正常な思考ではないのは分かってる。
 でも止められない。
「俺も二十歳になったからさ、今度一緒にお酒飲まない?」
 出来る限り自然に聞こえるよう振る舞う。幸平は小さく微笑みも見せた。
 陽太がいつもより暗くなった目で見下ろしてくる。幸平は、自分の心臓がどくどく音を立てるのを聴いている。
 陽太は唇を開いた。それから
「いや。いい。やめとく」
 と素っ気なく言った。
「……あ、そう、だよね」
 幸平は小さく返した。
 サッと思考が冷えていく感覚がした。指先までも冷たくなる。熱されたように酔っていた頭が嘘みたいに鮮明になる。
 アルコールと、夜道を陽太と歩ける現状で思考が浮かれていたのだ。
 浮かれて、吐き出してしまった言葉を後悔しても、後の祭りだ。断られるのを、何で想定していなかったのだろう。
 その確率の方が断然高いと最初から気付けたはずなのに、どうして俺は。
 呆然とした心地のまま歩く。もうすっかり頭は冴えていた。
 吐いてしまった言葉をなかったことにしたい。でも無かったことにはできない。どう会話を続ければいいのか分からなくなる。またこうやって黙ってしまう。
 陽太の顔が見られなかった。
 すると、唐突にバイブ音がした。
「……電話?」
 それをきっかけにして、ようやっと幸平は次の言葉を発することができた。
 幸平は、何も傷付いてなんかいない振る舞いで陽太の顔を見上げた。陽太はこちらを見てから、その画面に浮かんだ文字に視線を落とす。少し目を丸くした。
「あぁ、うん」
「出ないの?」
「いや……」
 歯切れの悪い返事を不思議に思う。
 幸平は思わず画面を見た。発信相手の名前を意図せず捉えてしまう。陽太は咄嗟みたいに携帯を後ろ手に隠した。
 あれは……。
「……陽太くん、電車逆だよね」
 陽太は携帯を手にしたまま「コウちゃん?」と眉を顰める。
 幸平は上着を脱ぎながら言った。
「俺もう、一人で帰れそう」
「けど」
「男なんだから送らなくても平気だよ。じゃあ、またね」
「コウちゃんっ」
 陽太に上着を返してその場を立ち去ろうとした。が、腕を掴まれる。
 陽太は僅かだけ、焦ったような顔をしていた。
 下唇を噛み、片手をポケットに突っ込むと、
「これ」
「……陽太くん」
「今日、先約があったのに時間取ってごめん」
 無理矢理に一万円札を握らされる。
 ……ああ、まただ。
 いつもセックスをした後に、陽太は金を渡してくる。
 幸平はこれを目にするたび固まってしまって、どうしたらいいか分からなくなるのだ。
「じゃあまた」
 陽太は言って、呆気なく身体の向きを変えた。
 あっという間に通りへ出てタクシーを拾っていく。去り際も彼の携帯は振動し続けているのが分かった。頭の中にもまだ、あのバイブ音が響いているみたい。
 暫くその場に立ち尽くしていたが、ゆっくりと歩き出す。
 一万円札はボディバッグの中に放り込んだ。幸平にはこの金に何の意味があるのか分からない。
 谷田らに関係がバレた時も、この一枚に関しては言えなかった。誰にも話していないし、その意味を知るのが怖くて検索すらできない。
 金を渡されるなんて異常だとは分かっているけれど。
 中身を知るのが嫌だ。
 幸平には陽太の他に恋愛経験がない。
 照らし合わせる前例もないし、男同士の恋愛は周りを見渡してもおらずどこか遠い存在で、『普通の恋愛』の想像もつかなかった。
 陽太にはきっと他に恋愛の経験くらいあるのだろう。けれど、幸平は陽太以外を知らないから。
 陽太の……。
 携帯に表示されていた発信相手の名前が脳裏に浮かぶ。
「……すみれ、さん」
 画面には『すみれ』と表示されていた。
 すみれ。菫……。
 ——きっとあれが室井の言っていた花の名前の女性だ。
 室井が教えてくれた『陽太の好きな女性』。室井は、陽太が頻繁に彼女と電話をしていると話していた。
 幸平は、陽太がその人からの着信を受ける様など初めて見た。が、室井は高校時代に陽太とかなり時間を過ごしている。『すみれさん』と電話している姿を高頻度で見かけていたのだろう。
 すみれ、さん……。
 正直に言うと、幸平にはその名に覚えがあった。
 高校の頃の話だ。秋だった。体育祭で陽太は刺青を隠すために、黒いインナーを着ていた。
 周りにいた友人たちが、彫るの痛くなかった? と親しそうに問いかけている。
 彼は答えた。
 ――『すみれは腕がいいから』
「タトゥーの人……」
 『すみれさん』は、陽太の体に刺青を彫った女性だ。
 陽太がタトゥーを入れたのは中学生の時だから、現在も連絡をとっているなら彼女とは昔からの付き合いになる筈。
 あの体育祭の日、陽太は続けて言った。
 ――『あの人は、憧れみたいな人』
「……室井くんの言ってた通りだ」
 陽太にとって『すみれさん』は特別な女性だった。
 あの陽太が憧れるくらいなのだから。
 改札の手前でとうとう足が止まる。あとから来た人が肩にぶつかってきて、舌打ちを吐かれた。ハッと頭を下げて謝り、改札を通る。茫然自失のまま電車に揺られ、いつの間にか最寄駅に降りていた。
 閑静な夜の住宅街を一人歩く。つい先程までの居酒屋とは打って変わった静けさの中で考える。
 陽太は、女の子たちに付き合ってる人がいるのか聞かれて何と答えたのだろう。
 好きな人がいるのか聞かれたら、何と答えただろう。
 ……その時には否定しなかったかもしれない。
「ただいま」
 乾いた声が淋しい部屋に落ちる。
 部屋に戻ってくると、隅の方に陽太が置き忘れていったパンの袋があった。
 それらは箱の中に入っていて中身は見えない。どんなパンなのか分からない。
 このパンをどうすべきか、今の幸平では、自分から陽太へ気軽にメッセージで訊ねることもできない。
 今の陽太は幸平に何も訊けない。
 箱を開けるのが怖いのだ。
 些細なことすらできない。
 ……陽太と没交渉となった14歳からずっとそうだった。
「……ほんと、俺って弱い」
 谷田の言った通りだ。俺はずっと『弱っちい』まま。
 高校の時から、何も変わってない。





 













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