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第四章
49 ありがとう
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堪えきれないとばかりに笑い出すからロドリックは唖然とする。テオバルトはフゥと深く息を吐いて呼吸を整えるが、未だ笑いを含みながら言った。
「ダメなんですね。そんなに必死な姿は初めて見ました」
「……冗談なのか?」
「だからそう言ってるでしょう」
テオバルトはふっと目元を緩めて、窓の近くまで歩いていく。
ロドリックは言った。
「本気なのか否なのか、俺には判断できなかった」
「本気ではありませんよ。ただ知りたかったんです」
テオバルトはライターを手にしている。窓の外を眺めてから、ロドリックへと顔を戻した。
そうして穏やかに、しかしどこか切なげな表情で言った。
「あなたは、ずっと私に譲ってばかりでしたから」
ロドリックはそれに、否定も肯定もできなかった。
知っていたからだ。
昔から、テオバルトはロドリックから父の愛情を奪ったと思っていることを。
父に撫でられているテオバルトが、ロドリックの存在に気付いていたことは何度かある。今ではもう、その時の彼の表情は思い出せないが、こうして大人になったテオバルトと向かい合えば想像は容易い。今みたいな、少し悲しげな顔をしていたのだろう。
父の愛情。そして公爵邸での時間。それらはテオバルトのみに与えられていた。ロドリックが戦場へ向かっている間、テオバルトは母と共に安全に暮らしていた。その安全な時間を自分だけが享受していたことに、テオバルトは罪悪感を抱いていたのだ。
だからテオバルトは、ロドリックが個人的に仲の良い騎士団員達や、ヘルダー伯爵家とは関わろうとしてこなかった。以前、師匠であるヘルダー伯爵からまだ幼かったテオバルトがお菓子を受け取っているのを見たことがある。
テオバルトは羨望の眼差しで師匠を見上げ、嬉しそうにしていたが、ロドリックが見ていることに気付くとサッと青ざめて、その場から走り去っていった。
後日ロドリックの部屋の前にあのお菓子が置かれていた。まるで、『返す』ように。
ロドリックの妻であるユリアンと親しくしていると報告してきた時も、テオバルトは今にも倒れそうなほどに真っ白な顔をしていた。昔からそうで、テオバルトはロドリックだけの身内と関わろうとしてこない。
そのテオバルトが、ユリアンを望む意図が不明であったが、彼は確かめたかったらしい。
「ジュリへの気持ちも、私に譲るのかと」
テオバルトはまた一度窓の外に目を向ける。
庭ではユリアンが散歩しているのだろう。
「そう思うと怒りさえ湧いたけれど」
わずかに声が強まったが、次には柔らかくなる。
「譲れないものができたんでしょう」
そうしてテオバルトは、ロドリックに視線を戻した。
絞り出すような声で告げた、
「それが、俺にとって、どれだけ……」
には、続きの言葉は紡がれなかった。
その時、不意に耳の奥に蘇ったのは、ユリアンと交わした会話だ。
――『良かったですね』
なぜかあのユリアンの言葉が浮かび上がる。
――『テオバルト様の子供の時間を奪って良かったですね。無理をさせたおかげで、結果的に二人とも生き延びたんですから』
しかしテオバルトは、あの肯定を知らないのだ。
「なぁテオバルト」
弟が俯いていた顔を上げる。ロドリックは強く言い切った。
「俺は今までお前に譲ろうとしたことなんか一度もないんだ」
「……」
「ただはじめから、それが俺が得られるものではなかっただけだ。だからお前に怒ったことなんか一度もない」
「……怒るって」
テオバルトは気弱な笑みを浮かべた。
ロドリックはその顔を眺めながら続けた。
「お前に思うことはこれだけだ」
「何ですか?」
「これまでありがとう」
自分自身でも、その言葉が唇から容易に溢れていたことに驚いていた。
だがそれに動揺する気も、訂正する気も起こらない。胸に沸き起こったのは奇妙な納得感だった。
ずっとテオバルトに何かを言いたくて仕方なかった。その感情を紐解くことができなくて判然としなかったが、言いたかったのはこれなのかもしれない。
テオバルトは目を瞬き、きょとんとする。その幼稚じみた顔に、ロドリックは笑みをこぼす。
するとテオバルトも困ったように顔を綻ばせた。
「何のこと言ってるんですか、兄さん」
お礼をされることなんかまるでないように、当然とばかりにテオバルトは言う。
まるでロドリックが笑っているから笑っているみたいに、テオバルトは嬉しそうな笑みを浮かべていた。
テオバルトにライターを贈ってから、その日は王都へ向かった。王都への遠征は、秋からバルシャへ向かって締結する予定の平和協定についての議会に参加するためである。
数日間王都へ滞在する予定だったが、テオバルトの誕生日の翌日、ロドリックは急遽公邸へ帰宅することにした。
ユリアンは無事に眠れているのかが気になる。何も異常はないだろうか。公邸を空けるのに不安を抱くのは初めてだった。
近頃少し暑くなってきたし、ユリアンの体調が心配だ。オメガ性のヒートについても王宮付き医師にも相談してきた。医師団の一人が公邸へ出張してくれることに決まったので、今後暫くユリアンの専属医師となってもらう予定だ。
とにかく早く帰らなければならない。
ロドリックは約束を果たしたのだ。つまりユリアンも約束を果たすべきである。ユリアンはお祝いをすると言ったのだから、そうするべきだ。
お祝いを請求するためにも早めに帰宅した午後、ユリアンの部屋に行くと、本を読んでいた彼は驚いた顔をして、「褒めてもらいたくて帰ってきたんですか」と目を丸くした。
子供扱いをされているように感じたので「違う」と否定する。ユリアンは「違うんですか」とまた本を手にする。読書を続行する気配を感じたため、「いや、違くない」と慌てて返す。ユリアンは本を手放し、笑った。
「違くないんですね」
「プレゼントを贈ったらいいことが起きると言ったのはユリアンだ」
「もういいことは起こったんじゃないんですか?」
「……」
二日前のテオバルトとのひと時を思い出す。テオバルトはライターを受け取って、嬉しそうに感謝を伝えてくれた。それに、ロドリックも幾つかの言葉を伝えられた。
じっと黙り込むと、ユリアンは小さく笑って「花が飛んでる」と呟き、腰を上げた。
「ランチはまだですよね? まだ帰ってきたばかりだし、お休みになりますか?」
ロドリックは首を振る。ユリアンは頷いた。
「それならランチで、お祝いしましょう」
「何をしてくれるんだ」
「ワインを飲んで、乾杯です」
「それだけか?」
「それじゃダメなんですか?」
ユリアンが眉尻を下げる。ロドリックは首を振った。
「ダメではない」
「はい。では食事にしましょう。天気がいいので、お庭のテラスにしましょうか」
「ダメなんですね。そんなに必死な姿は初めて見ました」
「……冗談なのか?」
「だからそう言ってるでしょう」
テオバルトはふっと目元を緩めて、窓の近くまで歩いていく。
ロドリックは言った。
「本気なのか否なのか、俺には判断できなかった」
「本気ではありませんよ。ただ知りたかったんです」
テオバルトはライターを手にしている。窓の外を眺めてから、ロドリックへと顔を戻した。
そうして穏やかに、しかしどこか切なげな表情で言った。
「あなたは、ずっと私に譲ってばかりでしたから」
ロドリックはそれに、否定も肯定もできなかった。
知っていたからだ。
昔から、テオバルトはロドリックから父の愛情を奪ったと思っていることを。
父に撫でられているテオバルトが、ロドリックの存在に気付いていたことは何度かある。今ではもう、その時の彼の表情は思い出せないが、こうして大人になったテオバルトと向かい合えば想像は容易い。今みたいな、少し悲しげな顔をしていたのだろう。
父の愛情。そして公爵邸での時間。それらはテオバルトのみに与えられていた。ロドリックが戦場へ向かっている間、テオバルトは母と共に安全に暮らしていた。その安全な時間を自分だけが享受していたことに、テオバルトは罪悪感を抱いていたのだ。
だからテオバルトは、ロドリックが個人的に仲の良い騎士団員達や、ヘルダー伯爵家とは関わろうとしてこなかった。以前、師匠であるヘルダー伯爵からまだ幼かったテオバルトがお菓子を受け取っているのを見たことがある。
テオバルトは羨望の眼差しで師匠を見上げ、嬉しそうにしていたが、ロドリックが見ていることに気付くとサッと青ざめて、その場から走り去っていった。
後日ロドリックの部屋の前にあのお菓子が置かれていた。まるで、『返す』ように。
ロドリックの妻であるユリアンと親しくしていると報告してきた時も、テオバルトは今にも倒れそうなほどに真っ白な顔をしていた。昔からそうで、テオバルトはロドリックだけの身内と関わろうとしてこない。
そのテオバルトが、ユリアンを望む意図が不明であったが、彼は確かめたかったらしい。
「ジュリへの気持ちも、私に譲るのかと」
テオバルトはまた一度窓の外に目を向ける。
庭ではユリアンが散歩しているのだろう。
「そう思うと怒りさえ湧いたけれど」
わずかに声が強まったが、次には柔らかくなる。
「譲れないものができたんでしょう」
そうしてテオバルトは、ロドリックに視線を戻した。
絞り出すような声で告げた、
「それが、俺にとって、どれだけ……」
には、続きの言葉は紡がれなかった。
その時、不意に耳の奥に蘇ったのは、ユリアンと交わした会話だ。
――『良かったですね』
なぜかあのユリアンの言葉が浮かび上がる。
――『テオバルト様の子供の時間を奪って良かったですね。無理をさせたおかげで、結果的に二人とも生き延びたんですから』
しかしテオバルトは、あの肯定を知らないのだ。
「なぁテオバルト」
弟が俯いていた顔を上げる。ロドリックは強く言い切った。
「俺は今までお前に譲ろうとしたことなんか一度もないんだ」
「……」
「ただはじめから、それが俺が得られるものではなかっただけだ。だからお前に怒ったことなんか一度もない」
「……怒るって」
テオバルトは気弱な笑みを浮かべた。
ロドリックはその顔を眺めながら続けた。
「お前に思うことはこれだけだ」
「何ですか?」
「これまでありがとう」
自分自身でも、その言葉が唇から容易に溢れていたことに驚いていた。
だがそれに動揺する気も、訂正する気も起こらない。胸に沸き起こったのは奇妙な納得感だった。
ずっとテオバルトに何かを言いたくて仕方なかった。その感情を紐解くことができなくて判然としなかったが、言いたかったのはこれなのかもしれない。
テオバルトは目を瞬き、きょとんとする。その幼稚じみた顔に、ロドリックは笑みをこぼす。
するとテオバルトも困ったように顔を綻ばせた。
「何のこと言ってるんですか、兄さん」
お礼をされることなんかまるでないように、当然とばかりにテオバルトは言う。
まるでロドリックが笑っているから笑っているみたいに、テオバルトは嬉しそうな笑みを浮かべていた。
テオバルトにライターを贈ってから、その日は王都へ向かった。王都への遠征は、秋からバルシャへ向かって締結する予定の平和協定についての議会に参加するためである。
数日間王都へ滞在する予定だったが、テオバルトの誕生日の翌日、ロドリックは急遽公邸へ帰宅することにした。
ユリアンは無事に眠れているのかが気になる。何も異常はないだろうか。公邸を空けるのに不安を抱くのは初めてだった。
近頃少し暑くなってきたし、ユリアンの体調が心配だ。オメガ性のヒートについても王宮付き医師にも相談してきた。医師団の一人が公邸へ出張してくれることに決まったので、今後暫くユリアンの専属医師となってもらう予定だ。
とにかく早く帰らなければならない。
ロドリックは約束を果たしたのだ。つまりユリアンも約束を果たすべきである。ユリアンはお祝いをすると言ったのだから、そうするべきだ。
お祝いを請求するためにも早めに帰宅した午後、ユリアンの部屋に行くと、本を読んでいた彼は驚いた顔をして、「褒めてもらいたくて帰ってきたんですか」と目を丸くした。
子供扱いをされているように感じたので「違う」と否定する。ユリアンは「違うんですか」とまた本を手にする。読書を続行する気配を感じたため、「いや、違くない」と慌てて返す。ユリアンは本を手放し、笑った。
「違くないんですね」
「プレゼントを贈ったらいいことが起きると言ったのはユリアンだ」
「もういいことは起こったんじゃないんですか?」
「……」
二日前のテオバルトとのひと時を思い出す。テオバルトはライターを受け取って、嬉しそうに感謝を伝えてくれた。それに、ロドリックも幾つかの言葉を伝えられた。
じっと黙り込むと、ユリアンは小さく笑って「花が飛んでる」と呟き、腰を上げた。
「ランチはまだですよね? まだ帰ってきたばかりだし、お休みになりますか?」
ロドリックは首を振る。ユリアンは頷いた。
「それならランチで、お祝いしましょう」
「何をしてくれるんだ」
「ワインを飲んで、乾杯です」
「それだけか?」
「それじゃダメなんですか?」
ユリアンが眉尻を下げる。ロドリックは首を振った。
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