52 / 76
第五章
52 シアナの闘い
しおりを挟む
少しずつ距離を取ったロドリックは、遂には扉へ向かってしまう。そうして低い声で「少し飲み過ぎたかもしれない。風に当たってくる」とぼやき、小屋を出て行った。
酒なんて飲んでいないのに何を飲み過ぎたら体が熱くなるのか。やはり疲れが溜まっているのだろう。今朝帰ってきたばかりだし、ただでさえ睡眠障害を患っているのだから、まだろくに睡眠を取れていないはずだ。散歩する前に眠ったほうがいい。
それにしても、なぜ距離を取られたのだろう。何で変な後退を……。別に、いいけど。ユリアンは不貞腐れた気持ちになりながらも、まずは睡眠を促すため、川の傍に佇むロドリックに声をかけた。
「ロドリック様、来てください」
「なんだ?」
たった今出て行ったばかりのロドリックが、呼ばれて素直にやってくる。最近のロドリックはユリアンを常に探しているばかりでなく、声を掛ければどれだけ離れていようと、ユリアンの元へやってくる。
まるで大きな犬みたいだな。思いながらも、目の前にやってきたロドリックにユリアンは少し満足した。先ほどは意味の分からない距離を取られたが特に意味などなかったのかもしれない。そう思い直しつつ、早速「ロドリック様、眠られたらどうです?」と提案する。
「まだ睡眠が取れていないでしょう? 食事も摂りましたし、今日の予定に不都合がなければお休みになってはどうですか」
「ユリアンはどうするんだ」
「僕?」
「ユリアンは眠らないのか? 昨晩はよく眠れたか?」
「僕は、普通ですよ」
久しぶりにロドリックのいない独り寝だったので、いつもと違う環境に眠るのに少し時間がかかったが、数時間は睡眠が取れている。
しかしロドリックは言う。
「ユリアンも昼寝をしよう」
「僕のことはお構いなく。今日はこれから薬師さんのお話を聞く約束があるので」
「昼寝の後でもいいだろう」
「えー」
「少しクマが見えるぞ。寝た方がいい」
「そんな、いつも通りですって」
「バルコニーでマルクスさんも待ってる。ユリアンも一緒に部屋に戻った方がいい」
「ええ? 何でそんな……。僕を抱き枕にしようとしてます?」
「ユリアンは枕ではない!」
「お二人とも、何の話をなさってるんですか」
すると、別の声が割って入ってくるのでユリアンとロドリックは二人して声の主に顔を向けた。
たった今小屋にやってきたばかりのテオバルトが、呆れ顔でこちらを眺めている。なぜか必死な顔をしていたロドリックはすんっと元の仏頂面に戻り、「どうした」と弟の質問には答えず用件を問うた。
テオバルトはそれ以上追究しようとはせず、息を一つ吐く。
「ヘルダー伯爵とシアナ嬢がいらっしゃいました」
「そうか」
「お二人とも訓練場へと向かわれました」
ロドリックは軽く頷き、ユリアンに視線を落とした。
「師匠のところへ挨拶に行くが、ユリアンもくるか?」
「そうですね。一度ご挨拶伺いたいとは思っていました」
「なら行こう。俺も師匠にユリアンを紹介したかった」
ユリアンはかすかに笑みを浮かべて、首を下に振る。少し笑みが引き攣ってしまったがロドリックには気付かれないで済んだ。テオバルトも副団長に業務上の報告があるらしく、三人で訓練場へ向かうことになった。
硬い笑顔になってしまったのは、緊張してしまったからだ。ヘルダー伯爵。その名はロドリックから何度か聞いている。
ロドリックは幼い頃伯爵邸で過ごしていて、彼に戦い方を教わったのだ。基本的には温和な方だとロドリックは告げたが、ヘルダー伯爵は王室騎士団に勤めていた偉大なお人で、ロドリックの師匠なのである。
緊張しないはずがない。それに加えてユリアンを黙考させてしまうのは、『シアナ』についてだ。
ロドリックは伯爵邸で過ごしていた頃にシアナと出会った。それゆえに彼女は幼馴染なのである。ロドリックはシアナとは恋人関係でもなんでもないと言っていた。だがそれはロドリックの言い分だ。
そうした噂が立ったのは、シアナの意向もあるのではないか。もしかしたらシアナはロドリックを愛していて、子供の頃の口約束で交わした婚約の話をまだ心に残しているかもしれない。
もしそうだとしたらユリアンはどうしたらいいのだろう。いきなり現れたぽっと出の男のオメガがロドリックの妻となったことに、幼馴染の彼女はどう感じているのか。
内心では言いようのない不安と焦りが渦巻く。こんな感情になるのは初めてだ。そうして今になりユリアンは、できることなら『シアナ』とは出会いたくないと思っていた自分に気づいた。
ロドリックの古くからの友人で、ユリアンよりもよっぽど絆の深いシアナ。遠方からわざわざ、公邸に訪れるのは、ロドリックに会いたいからではないか。
そうならば、一体ユリアンはどうしたら――……
「貴方がユリアン様ね」
目の前でニコッと完璧な笑みを向けてくる女性は、とても美しい人だった。
青色の髪は伯爵家由来の色で、隣に立つディーター副団長と揃いの髪色だ。深い海の絵で描かれていた青に似ている、落ち着いた気分に導くような美しい髪だった。
さらりとした長髪を細い指で靡かせたシアナは、ユリアンへ優しく語りかけた。
「兄様やロドリックからお話は伺っていたの。一度お会いしたかったんですよ。ヘルダー家のシアナです」
「は、初めまして、ユリアンです」
ロドリック、と軽々呼び捨てにしたシアナは「綺麗な名前ですね」と微笑んだ。
訓練場に伯爵の姿は見えず、待っていたのはディーター、そしてシアナ嬢だった。あまりに整った笑顔を向けられて、拍子抜けしたユリアンは心の中で動揺する。思わずロドリックを見上げるも、ちょうどディーターに「ロドリック、確認したいことがあるのだが」と声をかけられて、二人は訓練場の奥へと歩いて行ってしまった。
(ろ、ロドリック様……)
「ロドリックと結婚したのは一年前でしょう。公邸には慣れましたか?」
「そ、うですね。随分と」
「まぁ! 広い邸宅ですのにさすがはユリアン様ですね。私なんかは何度訪れても慣れませんのに」
ど、どういう意味だろう。本当に何も分からない。
その笑顔に負の感情は一切見られなかった。貴族令嬢なのだから感情を包み隠すのは造作ないだろう。つまり彼女の本心は未だ謎だ。
テオバルトは背後でニコニコとやり取りを眺めている。ユリアンは社交界には慣れていないので言葉の裏を察するなど不可能に近い。テオバルトに助けを求めたくても、彼は呑気な様子だ。
そもそもユリアンは人見知りである。こうして積極的に話しかけてくる女性への対応は苦手だった。
「ロドリックが気遣ってくれるのでしょうね。羨ましいわ」
「は、はい……」
「その気遣いを少しでも他に使ってくれたらいいのに」
シアナはにっこりと笑みを深くする。ユリアンは笑顔を貼り付けて固まる。
一体、どうしたらいいのだ。
ロドリック様、戻ってきて――!
そう強く念じるも、空気を一変させたのは別の人物だった。
「奥様、シアナ様、こんにちは」
やってきたのは、クルド隊の隊長だった。
癖毛が今日も風に揺れている。やわらかな印象を持たせる彼は、ユリアンの護衛騎士として度々行動を共にするクルドだ。いつも朗らかでふんわりとした笑みをしているがその一方で隊長を務めるほどの実力者である。長く騎士団に所属してるので、シアナとも知り合いだったらしい。
にこやかにやってきたクルドにユリアンは「こんにちは、クルドさん」と返す。シアナはなぜかユリアンの隣にやってきて、さらに一歩引き、言った。
「クルド卿、ご機嫌よう。随分姿が見えなかったけれど一体どこへ行っていたの?」
ユリアンは少し驚いた。その口調が、途端に刺々しく、そして早口になったからだ。
一方のクルドは眉尻を下げて笑う。
「武器庫で在庫確認をしていたんですよ。火薬の匂いがついていたら申し訳ありません」
「匂いなんかしないわ!」
「なら良かったです。奥様とシアナ様に匂いが移ったら大変なので」
「移ったって平気よ。私の兄様は副団長なんだから、火薬なんて珍しくないわ」
「おっしゃる通りですね」
クルドはのほほんと笑う。
そしてシアナは少し頬を赤くして続けた。
「そう、お仕事していたのね。今から仕事に戻るの?」
「いえ、シアナ様がいらっしゃったので副団長が今日の仕事はここまでだと。邸宅でお茶でもご用意しろと命を受けたのですが」
「ふぅん。兄上がね。へぇ、そう……」
「シアナ様、もしかして随分お待たせしてしまいましたか?」
「別に!?」
シアナは慌てた様子で「貴方を待ってなんかいないわ!」と返す。
酒なんて飲んでいないのに何を飲み過ぎたら体が熱くなるのか。やはり疲れが溜まっているのだろう。今朝帰ってきたばかりだし、ただでさえ睡眠障害を患っているのだから、まだろくに睡眠を取れていないはずだ。散歩する前に眠ったほうがいい。
それにしても、なぜ距離を取られたのだろう。何で変な後退を……。別に、いいけど。ユリアンは不貞腐れた気持ちになりながらも、まずは睡眠を促すため、川の傍に佇むロドリックに声をかけた。
「ロドリック様、来てください」
「なんだ?」
たった今出て行ったばかりのロドリックが、呼ばれて素直にやってくる。最近のロドリックはユリアンを常に探しているばかりでなく、声を掛ければどれだけ離れていようと、ユリアンの元へやってくる。
まるで大きな犬みたいだな。思いながらも、目の前にやってきたロドリックにユリアンは少し満足した。先ほどは意味の分からない距離を取られたが特に意味などなかったのかもしれない。そう思い直しつつ、早速「ロドリック様、眠られたらどうです?」と提案する。
「まだ睡眠が取れていないでしょう? 食事も摂りましたし、今日の予定に不都合がなければお休みになってはどうですか」
「ユリアンはどうするんだ」
「僕?」
「ユリアンは眠らないのか? 昨晩はよく眠れたか?」
「僕は、普通ですよ」
久しぶりにロドリックのいない独り寝だったので、いつもと違う環境に眠るのに少し時間がかかったが、数時間は睡眠が取れている。
しかしロドリックは言う。
「ユリアンも昼寝をしよう」
「僕のことはお構いなく。今日はこれから薬師さんのお話を聞く約束があるので」
「昼寝の後でもいいだろう」
「えー」
「少しクマが見えるぞ。寝た方がいい」
「そんな、いつも通りですって」
「バルコニーでマルクスさんも待ってる。ユリアンも一緒に部屋に戻った方がいい」
「ええ? 何でそんな……。僕を抱き枕にしようとしてます?」
「ユリアンは枕ではない!」
「お二人とも、何の話をなさってるんですか」
すると、別の声が割って入ってくるのでユリアンとロドリックは二人して声の主に顔を向けた。
たった今小屋にやってきたばかりのテオバルトが、呆れ顔でこちらを眺めている。なぜか必死な顔をしていたロドリックはすんっと元の仏頂面に戻り、「どうした」と弟の質問には答えず用件を問うた。
テオバルトはそれ以上追究しようとはせず、息を一つ吐く。
「ヘルダー伯爵とシアナ嬢がいらっしゃいました」
「そうか」
「お二人とも訓練場へと向かわれました」
ロドリックは軽く頷き、ユリアンに視線を落とした。
「師匠のところへ挨拶に行くが、ユリアンもくるか?」
「そうですね。一度ご挨拶伺いたいとは思っていました」
「なら行こう。俺も師匠にユリアンを紹介したかった」
ユリアンはかすかに笑みを浮かべて、首を下に振る。少し笑みが引き攣ってしまったがロドリックには気付かれないで済んだ。テオバルトも副団長に業務上の報告があるらしく、三人で訓練場へ向かうことになった。
硬い笑顔になってしまったのは、緊張してしまったからだ。ヘルダー伯爵。その名はロドリックから何度か聞いている。
ロドリックは幼い頃伯爵邸で過ごしていて、彼に戦い方を教わったのだ。基本的には温和な方だとロドリックは告げたが、ヘルダー伯爵は王室騎士団に勤めていた偉大なお人で、ロドリックの師匠なのである。
緊張しないはずがない。それに加えてユリアンを黙考させてしまうのは、『シアナ』についてだ。
ロドリックは伯爵邸で過ごしていた頃にシアナと出会った。それゆえに彼女は幼馴染なのである。ロドリックはシアナとは恋人関係でもなんでもないと言っていた。だがそれはロドリックの言い分だ。
そうした噂が立ったのは、シアナの意向もあるのではないか。もしかしたらシアナはロドリックを愛していて、子供の頃の口約束で交わした婚約の話をまだ心に残しているかもしれない。
もしそうだとしたらユリアンはどうしたらいいのだろう。いきなり現れたぽっと出の男のオメガがロドリックの妻となったことに、幼馴染の彼女はどう感じているのか。
内心では言いようのない不安と焦りが渦巻く。こんな感情になるのは初めてだ。そうして今になりユリアンは、できることなら『シアナ』とは出会いたくないと思っていた自分に気づいた。
ロドリックの古くからの友人で、ユリアンよりもよっぽど絆の深いシアナ。遠方からわざわざ、公邸に訪れるのは、ロドリックに会いたいからではないか。
そうならば、一体ユリアンはどうしたら――……
「貴方がユリアン様ね」
目の前でニコッと完璧な笑みを向けてくる女性は、とても美しい人だった。
青色の髪は伯爵家由来の色で、隣に立つディーター副団長と揃いの髪色だ。深い海の絵で描かれていた青に似ている、落ち着いた気分に導くような美しい髪だった。
さらりとした長髪を細い指で靡かせたシアナは、ユリアンへ優しく語りかけた。
「兄様やロドリックからお話は伺っていたの。一度お会いしたかったんですよ。ヘルダー家のシアナです」
「は、初めまして、ユリアンです」
ロドリック、と軽々呼び捨てにしたシアナは「綺麗な名前ですね」と微笑んだ。
訓練場に伯爵の姿は見えず、待っていたのはディーター、そしてシアナ嬢だった。あまりに整った笑顔を向けられて、拍子抜けしたユリアンは心の中で動揺する。思わずロドリックを見上げるも、ちょうどディーターに「ロドリック、確認したいことがあるのだが」と声をかけられて、二人は訓練場の奥へと歩いて行ってしまった。
(ろ、ロドリック様……)
「ロドリックと結婚したのは一年前でしょう。公邸には慣れましたか?」
「そ、うですね。随分と」
「まぁ! 広い邸宅ですのにさすがはユリアン様ですね。私なんかは何度訪れても慣れませんのに」
ど、どういう意味だろう。本当に何も分からない。
その笑顔に負の感情は一切見られなかった。貴族令嬢なのだから感情を包み隠すのは造作ないだろう。つまり彼女の本心は未だ謎だ。
テオバルトは背後でニコニコとやり取りを眺めている。ユリアンは社交界には慣れていないので言葉の裏を察するなど不可能に近い。テオバルトに助けを求めたくても、彼は呑気な様子だ。
そもそもユリアンは人見知りである。こうして積極的に話しかけてくる女性への対応は苦手だった。
「ロドリックが気遣ってくれるのでしょうね。羨ましいわ」
「は、はい……」
「その気遣いを少しでも他に使ってくれたらいいのに」
シアナはにっこりと笑みを深くする。ユリアンは笑顔を貼り付けて固まる。
一体、どうしたらいいのだ。
ロドリック様、戻ってきて――!
そう強く念じるも、空気を一変させたのは別の人物だった。
「奥様、シアナ様、こんにちは」
やってきたのは、クルド隊の隊長だった。
癖毛が今日も風に揺れている。やわらかな印象を持たせる彼は、ユリアンの護衛騎士として度々行動を共にするクルドだ。いつも朗らかでふんわりとした笑みをしているがその一方で隊長を務めるほどの実力者である。長く騎士団に所属してるので、シアナとも知り合いだったらしい。
にこやかにやってきたクルドにユリアンは「こんにちは、クルドさん」と返す。シアナはなぜかユリアンの隣にやってきて、さらに一歩引き、言った。
「クルド卿、ご機嫌よう。随分姿が見えなかったけれど一体どこへ行っていたの?」
ユリアンは少し驚いた。その口調が、途端に刺々しく、そして早口になったからだ。
一方のクルドは眉尻を下げて笑う。
「武器庫で在庫確認をしていたんですよ。火薬の匂いがついていたら申し訳ありません」
「匂いなんかしないわ!」
「なら良かったです。奥様とシアナ様に匂いが移ったら大変なので」
「移ったって平気よ。私の兄様は副団長なんだから、火薬なんて珍しくないわ」
「おっしゃる通りですね」
クルドはのほほんと笑う。
そしてシアナは少し頬を赤くして続けた。
「そう、お仕事していたのね。今から仕事に戻るの?」
「いえ、シアナ様がいらっしゃったので副団長が今日の仕事はここまでだと。邸宅でお茶でもご用意しろと命を受けたのですが」
「ふぅん。兄上がね。へぇ、そう……」
「シアナ様、もしかして随分お待たせしてしまいましたか?」
「別に!?」
シアナは慌てた様子で「貴方を待ってなんかいないわ!」と返す。
3,142
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」
星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。
ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。
番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。
あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、
平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。
そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。
――何でいまさら。オメガだった、なんて。
オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。
2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。
どうして、いまさら。
すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。
ハピエン確定です。(全10話)
2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
【完結】王宮勤めの騎士でしたが、オメガになったので退職させていただきます
大河
BL
第三王子直属の近衛騎士団に所属していたセリル・グランツは、とある戦いで毒を受け、その影響で第二性がベータからオメガに変質してしまった。
オメガは騎士団に所属してはならないという法に基づき、騎士団を辞めることを決意するセリル。上司である第三王子・レオンハルトにそのことを告げて騎士団を去るが、特に引き留められるようなことはなかった。
地方貴族である実家に戻ったセリルは、オメガになったことで見合い話を受けざるを得ない立場に。見合いに全く乗り気でないセリルの元に、意外な人物から婚約の申し入れが届く。それはかつての上司、レオンハルトからの婚約の申し入れだった──
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる